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その3

 護邸の話がつまらないらしく、加納は護邸の乳首を弄りはじめる。


「真面目に聞けよ、それは企業でも一緒なんだ。アメリカ本社のトップがもめているという事は、他国のエクセリオン支社が反乱を起こすかもしれないという事なんだ」


「たとえば何処が」


加納は弄りながら聞き返す。


「ブラジル、フランス、それにチャイナだろうな。そして遅れて日本もそうなる」


加納の手が止まる。


「日本はそうなったら、どうなるの」


「とりあえず、社内の覇権争いが始まるだろうな。そして勝者が独立を選ぶだろう。エクセリオン日本支社からエクセリオン日本となり、他国のエクセリオンも次々と独立して自国の企業と化すだろうな」


「エクセリオン帝国の崩壊、そして各国のエクセリオンが独立、日本のエクセリオンはその時、誰が社長になっているのかしらね」


護邸の考えがようやくわかったらしい、加納の目が輝きだした。


「だが間違えれば敗残兵だ。一生冷や飯食いだぞ」


「あなたはそんなにタマじゃないでしょ」


両手で護邸の顔を撫でると、深く濃いキスをする。


そして顔を離し、耳元に口を近づける。


「そのためのあの女なのね。奇貨居くべしっていうことなのね」


「そういうことだ。なぜか本社トップの秘密を握っているらしい彼女を手元においておけば、なにかと有利になる可能性があるだろ」


「わかったわ、よ~くね」


加納は艶然と微笑むと、ふたたび護邸の愛を求めた。護邸に愛されながら加納は思う。


(出会ったときからこの男は違うと感じてた、一社員で終わる男ではないと。常務になったとき、自分からこの男の担当を望み、そして関係を持った。今回の降格で失敗したかと思ったけど、そうじゃなかった、私の目に狂いはなかったわ。

こんな野望を持った男だなんて。この男ならやれるはず、それどころかバラバラになったエクセリオンをまとめあげ、次のトップになるかもしれない。

そうなれば私は世界に君臨する大企業の妻として、女王クイーンとして、君臨するのよ)


絶対に離さないといわんばかりに、加納は護邸に絡みつく。


(そのためにこの男に尽くす、私のすべてをかけて、私の人生をかけて)


護邸の動きが激しくなってきた。


「いくよ」


「きて」


選んだ男のすべてを受け止めると、加納も果てた。



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