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その3

「チアキさんに逢いたいけども手ぶらじゃ失礼だと思ってミヤゲを持っていかないとと思って」


「それがこの録音ね」


「だけじゃないんです、コイツらの名前とヤサと勤め先も調べてあります、それとつい最近の経歴も」


「どうやって調べたのよ今日は木曜よ、月曜の夜って言ったわよね、コイツらに会ったの」


「後で脅しのネタになると思って、月曜の夜に全員酔い潰して名刺を盗って、スマホのデータをコピーしたんです、それから火曜の昼間に会社とヤサの裏をとって、それからスマホのデータをチェックしてメールの内容と画像を合わせて…… チアキさん、どうしたんですアタマ抱えて」


「見たまんま、頭抱えてんのよ。アナタさっきから話してるの犯罪行為ばかりよ、なに考えてんのよ」


「怒ってます? オレなんかやりました?」


 どうして怒られているか解らないという顔で、ショボンとしはじめるノブを見て、千秋は大きく深呼吸する。


「ノブくんていったっけ、やっと思い出したというか分かったわ、この連中、群原物産のコンペの奴らね」


「そうっす」


「スマホのデータを見た上に、私に会ったということは、私の立場が分かっているということね」


「森友財団相手に、群原物産とコンペ、コンペって入札のことっすよね、それをしていて、それに勝つためにチアキさんを襲おうとコイツらがしたんすよね」


 常識は無さそうだが、アタマは悪くなさそうだなと千秋は思った。


「そこまでは解るんだけと、ウチの課長がスパイってのはどこで分かったの」


「さっきの会話でリンチョウってのがいたでしょ、あれチアキさんとこの課長の事なんですよ、」


 ノブはスタジャンのポケットからメモリーカードを出すと、付属コードを使って自分のスマホに差し、画像を開いた。 そこには、課長と群原の奴らが写っていた。


「火曜の夜のです、コイツらのアタマはキジマっていうんですけど、そいつにペコペコしてましたよ」


「どういうことだろう……」


 課長が千秋の足を引っ張っているのは、派閥争いの連中に言われてだと思っていた。しかし、横領の件が絡んできて、ライバル社と繋がっているとなると、皆目見当がつかなくなってきた。


「そこまではまだわかんないっす」


 ノブの言葉をよそに、千秋は腕組みして考え込んだ。やはり情報が欲しい、おそらくこのコ、ノブは持っている、だがこれ以上深入りしていいものか、迷いどころだった。

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