表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/196

その5

 2人はいつしか昼休みだけでなく、退社後にも逢うようになり、そしてオトコとオンナの関係になった。


 冷えきった家庭より、スズキとの時間が大事であたり前になり、雑務とはいえ仕事もするようになり、2人の部下がいる。

 錆びて止まっていたサトウの歯車が回りはじめた。




 千秋はこのくだりを聞いたとき、一色が企画3課がリストラ課だと知らなかった事に疑問を持ったが、その事をサトウに訊くと、一色が(ひと目でそれとわかる)ゲイの人達と呑んでいるところを取引先に目撃されたらしい。


 やっかいな事に、一色の所属していた課長と営業部長、そして取引先はLGBTに不寛容な人達であった。

 しかしエクセリオンは社風として、そういう事は気にしないという事だったので、一色には君は独創的なので、営業でなく企画課へいくように勧めたという。その際、企画3課はリストラ課というのは誰も知らせないように営業課長が課員に伝えてたそうだ。



 千秋は納得し、話を続けるようにうながした。



 サトウは今まで部下の欠点ばかりみて叱責していたのだが、スズキと塚本のおかげで真逆の、利点をみて誉める目を持つようになった。

 過去を反省し、やる気を取り戻したサトウは仕事にまい進した。


そんなある日の事であった。


いつものようにスズキと2人で昼飯を摂っていたところ、スズキが発作を起こした。


2人がオトコとオンナになるとき、スズキは自分の過去を話した、集団レイプされた過去がフラッシュバックするかもしれないと。

その精神的外傷トラウマを乗り越え今の関係になったのに、また起きてしまった。どうしてかと訳を訊くと、大変な事がわかった。会社のカネを横領していると。


どうしてそんなことをと問いただすと、脅されているという。


「おまえ、スズキショウコだろ」


街中で声をかけられた男に見覚えはなかった。

返事をせずにかたまっていると、男は下卑た笑いで言葉を続けた。


「ポイセンの、サクマアラシゲのオンナだったろ」


 スズキは頭から冷水をかけられた気持ちになった。サクマアラシゲは自分にずっと酷い目にあわせてた男だったからだ。


「やっぱりそうか、おまえの動画何度も観てるぜ。なあ、みんな」


いつの間にか、他の男達も来ていた。どの男の顔もニヤニヤしている、またあんな目にあうのかとスズキは絶望し、その場で発作を起こした。


その姿をみて男達はなにやら話し合うと、代表らしい男が話しかけてきた。


またあんな目にあいたくなかったらカネをもってこいと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ