入学式
君影草「寝る前に書くと保存する前に寝落ちすることを学び、短めで書いて投稿することにしました。」←はじめからそうしろ。
入学式の会場は講堂。作りは前世のモノと似ているが学校というよりは豪華な舞台会場の様な場所だった。
講堂に着いてからは先生の指示で椅子に座っていく。私は一年生で主席になってしまった為に新入生の挨拶をしなくてはいけなくなった。うぅ…入学にあたり試験が一応あったのだ。貴族であれば成績関係なく入学は出来るためにクラス決めのためでもあると思う。もちろん、平民も試験が受けられる。その方達は特待生として入学することになる。実技に関してないが、魔力測定はあり、魔力量や属性などがわかる。ついでに属性は5段階でざっと簡単に使用レベルのようなものまでわかるらしい。使える属性があっても使用していない属性は1とされる。ついでに、学園で使用されるのは水晶板の様なもので細かいものまでわかるタイプではなく簡単にざっとどれくらいかわかるタイプのものである。教会に行き、お金を払えばもっと詳しく得意な属性などがわかったりもする。魔術に伸び悩んだ貴族が行き、実は適正が低い属性をひたすら練習していたなどと発覚する場合もあるらしい。魔力は親から受け継がれるが必ず両親が得意な属性が子供も得意とは限らないからだ。魔力は前世での遺伝のようなものであり、何代か前の属性がその子に受け継がれている場合もあるからだ。
ん?私?私は転生者だからは基本属性は全て持っていたわ。リリア様と王城でひたすら訓練したからか段階もかなり高め。魔力量もやはりかなり高かった。入学生…いや、学園の中では一番の魔力量らしい。
「新入生代表ティアラローズ・アリウム。」
あ!ボーとしてる間に学園長の話が終わってきたわ。
ティアラローズはその声にスッと椅子から立ち、舞台へ上がっていく。銀糸の髪は艶々と輝き、前を見据える瞳は蕩けるような金の瞳。容姿だけではなく、所作の美しさが更にティアラローズを神秘的に魅せて、その姿に会場に居たもの達の視線を惹き付ける。魅了された者はうっとりと熱い溜め息をつくものまでいる。もちろん、魅了魔法は使っていない。
大半の貴族令嬢はティアラローズに憧れ、ダイエットに励み、勉学にも魔術にも力を入れて今ではほっそりと素敵な令嬢が増えた。騎士見習いの者は王城の訓練所にて何度もティアラローズに治癒してもらった者、辛い訓練に励む姿に労いと感謝の言葉をかけてもらった者、魔物討伐から帰還したまだ薄汚れた姿にも関わらず嫌がる姿を見せず無事を喜んでくれ、更には公爵令嬢にも関わらず手作りの差し入れまでしてくれるティアラローズを女神と信仰する者までいる。
「暖かく柔らかな風に舞う花と共に私は今日イストリア学園に入学の日を迎えました。これから…」
そう、イストリア学園。これが乙女ゲームの舞台となる学園の名前だった。ヒロインはこれから平等と掲げる学園の中で色々とやらかしていく。だが、学園の平等とは無法地帯のことではない。社交界へ向けての準備期間。礼儀を学ぶだけではない、家の力だけではなく個人での人脈を広げることが出来る場だ。更にはこの世界では女性が少ない為にパートナーを見極め探す場でもある。平民でも貴族令嬢と結婚できるこの世界では貴族との繋がりを持ちやすい。大半の貴族男性も婚約者候補まで状態で入学してるものも多くおり、その場合は解消もまだ簡単なために学園中に変わることも良くある。ただ、正式に婚約している場合の解消…いや、乙女ゲームの様に婚約破棄はあり得ないのだ。
ついでに第一王子であるアルフレッド殿下が入学した時には挨拶にて「学園は平等と言われているが礼儀やマナーが不要と言うわけではない。もちろん、学園であるから気軽に声をかけるのはいいよ?私もその方が嬉しいからね。学園は社交界の縮小化された場だ。その意味はキチンと理解して行動するように。」的な意味を含めた挨拶をしたらしい。
もちろん、私も似たような言葉を添えた。アルにも相談して決めた挨拶だったしね。まぁ、貴族であれば親から言われてる可能性が高い。前回の第一王子の試練の時には平等を理由にしたヒロインにより学園は乱れ、魅了され廃人まで出てるのだ。今第一王子がいる学園生活の為に皆警戒している。ヒロインと呼ばれる令嬢が良いパターンの場合か最悪のパターンの場合か見極めて、己に利益があるようなら…ね。
「…先生方、御面倒をおかけすることがあるかもしれません。優しく、時に厳しくご指導していただけると嬉しいです。新入生代表ティアラローズ・アリウム。」
うん。先生達胃痛やばいとおもうよ。この学園の先生は家柄問わずの実力派。これから問題が起きる可能性高いことが分かっているがその問題を起こすのが自分より家柄が高いものだと注意しにくいと思う。だが、学園で先生がキチンと悪いことは悪いとしなくてはならない時にやはりかなり勇気がいる相手の場合を考えたら…あ。私も胃がいたくなってきた。公爵家の令嬢である私も学生だが立場としては纏める側。うぅ…平和に過ごしたいわ。
内心、不安と胃痛でキリキリしているティアラローズだが表には出さずに席へ戻っていった。ティアラローズの挨拶が終わってからは拍手の嵐でそれが更に緊張を高めて胃をキリキリさせていた。いま転けたらやばい。恥ずかしい。がんばれ私。そんなことも考えていた。
とりあえず転けることなく席に戻ることが出来てほっと緊張の糸が緩んだ時今まで感じていた視線の中に刺さるような嫌な視線を感じそちらを流し見ればピンク頭の令嬢が般若のような怖い顔をしてティアラローズを睨んでいた。
「っ!」
サッと視線をそらして何食わぬ顔で席に着いたが先ほどとは違う意味で胃がキリキリしていた。
(え?あれってヒロイン?かな?…え?ヒロインって明るくて癒し系のキャラだったよね?え?なにあれ怖っ!顔般若だったよ!!え?般若キャラ?般若キャラってなんだ?どんなキャラ?!)
余りのヒロインの顔の怖さにティアラローズの頭はパニックをおこしていた。ティアラローズは気がついていなかったがティアラローズの名前が呼ばれてからヒロインはずっとティアラローズを睨んでいた。その般若な顔は周りに見られているおり、ドン引きされていたのだった。
イストリア学園。貴族だけではなく試験に合格すれば特待生として平民でも学園に通える。大手の商会の息子などは良く試験を受ける。もちろん騎士見習いを目指す者も通う。王城で働く場合には学園卒業は有利になる。最低限の礼儀やマナーが必要な為である。特待生には基本の制服の支給。寮や学園の食堂での食事は無料。ただし、部屋の掃除は自分で。貴族は付き添いの使用人がする。寮は貴族用の寮と平民用の寮は分かれている。貴族の寮に個室にお風呂が付いているが平民の寮は大浴場となっている。個人の部屋は個室でその部屋以外は平民の寮付きの使用人が掃除する。服はクリーンなどの生活魔法で綺麗になるが気になるなら個人で洗濯も可能。もちろん、有料にはなるが頼むこともできる。
え?ティアラローズの服?もちろん、クロードが洗濯します。家事に使う生活魔法の魔術は習得済みである。この世界では獣人でも身体強化以外の魔法も適性があれば魔術として学べば使用可能。ただし、攻撃に使える程ではない。




