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未来視の力は残酷で…クロード視点


君影草「前回の話のクロード視点とティアが意識を失い目覚めて少しまでの話です。切りがよいので短めです。」



 今朝お嬢様の部屋から悲鳴が聞こえ駆けつけるとお嬢様は魔力暴走を起こしていた。転生者であるお嬢様は魔力が豊富だが今まで魔力暴走を起こしたことはなかった。


 私が駆けつけた時にはセシル様が既に周りに被害が及ばないようにお嬢様自身を結界で保護して、お嬢様から溢れた魔力をセシル様が吸収することで被害を押さえており暴走中のお嬢様も怪我なく済んだ。だが、はじめて聞くお嬢様の悲痛な悲鳴と溢れでる涙を絶えず流すお嬢様の姿にこちらまで身を引き裂かれる思いになる程だった。結界により抱き締めることも触れることも出来ない時間は僅かな時間だったはずだが数時間にも感じるほどだった。


 皆で声をかけ、一度魔力が膨れ上がったがなんとか目を覚ましたお嬢様の瞳は虚ろでこちらを見ているがその瞳に私の姿は写っていないのではないかと感じた。お嬢様が目覚めると同時にセシル様が結界を解いてくれたので手を握るとやっと一瞬視線が絡み僅かにビクリと反応があったぐらいで…色白の肌はいつもと違い蒼白で、神秘的な金色の瞳は陰りを帯び恐怖で染まっていた。


 そしてすぐ、吐き気を堪えるように私と繋いでいない方の手で口を覆い、体を丸めガタガタと震えるお嬢様に私はなにも出来ず、ただただ手を握りしめることしか出来なかった。


 こちらの声は聞こえているのか徐々に魔力は落ち着いていき、旦那様と奥様が部屋に入ると同時にお嬢様は意識を失った。すぐに医師も駆けつけお嬢様を見ていただいたが外傷はなく済んだ。魔力暴走を起こした際は通常周りにも被害が及び、本人もかなりの怪我を負うことが多いがセシル様のお陰で無事だった。旦那様も仕事を行くのを止め、奥様と共にお嬢様の側に付いていた。もちろん、私も。


 医師が帰られた後、セシル様がお嬢様の状態に付いて説明していただけた。


 どうやらお嬢様は未来視の力により夢見により未来を見ていたらしい。ただ、その内容がお嬢様には耐えれなかったのか魔力暴走を起こしたとのこと。セシル様はお嬢様と契約している為に強い感情は流れてくるらしい。夢の内容までは分からないが苦しみと悲しみ、更に強い恐怖の感情流れてきて魔力暴走起こしたと。


 それにより旦那様と奥様から奥様のご実家のライラック家の特異性の発現が未来視であることを説明された。未来視の力はライラック家の血筋の女性のみであり、かなりの魔力を使うために魔力枯渇を起こすらしい。未来視の内容も通常は断片的な僅かな未来視であり、例え残酷な未来であれど怖い夢を見たぐらいの感覚であると。だが、それではお嬢様の反応とは食い違いがある。お嬢様はかなりの恐怖を感じておられるご様子だった。


 その事を聞いていたセシル様が暫く考えた後の発言に奥様は崩れ落ちた。


『主には普通の人とは違う。通常の人間であれば僅かな魔力だから断片的な未来をみる力しかないけど、主の魔力量はかなり豊富で…それは人ではなく、精霊が使う魔法の様な未来を見たのかもしれない。僕には使えないけどその力は鮮明でその場に居るような感覚で未来をみるって噂を聞いたことがある。その力を使った後にも魔法暴走を続ける程の魔力を持つ主なら…内容は断片的ではなく、恐怖を鮮明に感じる程ハッキリとした意識の中未来をみたことになるとおもう…。内容までは分からないけど僕が魔法を使わなかったら主はその未来を魔力が無くなる迄見続けたかもしれない…。あの魔力量なら魔力暴走により身体が傷ついて命を失うか、未来を見続けて精神的に耐えれず心を失う可能性は高いと思う。主にはこの力は危険な力だよ…。』


 と。その内容に部屋に居た皆がお嬢様を失う可能性があったことに恐怖を覚えた。そして、セシル様が居てくれたことに感謝した。奥様は「私の魔力が…私のせいで…」と嘆かれて旦那様に「君が居なくてはティアは産まれなかったし、魔力量についても転生者なのだからしかたないことだ。君のせいでもティアのせいでもないんだ。色々な条件が重なったのだからね…。」抱き締めて慰めてなんとか落ち着きを取り戻された。


 色々な条件が重なったことにより、本来は国としてもかなり貴重で重要な力のはずがお嬢様…いや、ティアにとっては命の危険があるほどの残酷な力となった。


 意識を失い顔色悪く眠るティア…君はどんな残酷未来を見たんだ。あれ程の恐怖を感じる程の未来。出来れば、内容を聞くことなくただの夢だったと忘れさせてあげたいのに…その未来を変えるためにもティアから未来の内容を聞かなくてはならないなんて…。


 旦那様が未来視の力は変えれる可能性があるために確認しなくてはならないとおっしゃったのだが、俺はティアにこれ以上傷ついて欲しくない。くそっ!俺が出来ることなんてないじゃねぇか!あんなに恐怖に感じた事をまた思い出すように話させなきゃいけねぇなんて…。なんでだよ…なんでティアがこんな思いをしなきゃいけねぇんだよ…。

 

 そして…半日たって目覚めたティアは再びガタガタと震えながら取り乱す中俺はそんなティアを抱き締め続けた。すがり付いてくる小さな手が力一杯俺の服を掴んで離さない姿に胸を締め付けられた。


 旦那様や奥様、セシル様と交えて未来視の力について説明されたティアは俺にしがみついたままガタガタ震えながらも内容を離してくれた。途中、吐き気を堪えながら話すティアを抱き締め、背中を擦ることしか俺は出来なかった。


 更に告げられた未来の内容と…今まで命を失うとこを見たことがないティアがみた残酷な内容に俺は怒りを感じた。何故ティアなんだよ。神様ってのはなにしてんだ!くそっ!もし、セシル様がいなかったらティアの心は本当に壊れ失ってた。今だってこんなに傷ついて…目を塞ぐどころか離すこともできず、耳を塞ぐことも出来ず、残酷な未来を見続けたなんてありえねぇよ!


 ティアは天使なんだ!純粋で穢れをしらないティア。平民にも使用人にも優しくて…人どころか動物や魔物が命を失うとこすら見たことがないのになんてもん見せるんだよ!!!


 


 クロードは仕事中は母親であるフリージアを奥様と呼んでます。まぁ、仕事でボロを出さないためにも普段から奥様呼びを定着させています。フリージアもその事を理解しているために少し悲しく思いながらも受け入れています。ついでにたまにプライベートで話をするときには奥様予備ではありませんが…呼び方についてはいずれ話にでます。たぶん…。まだまだ先ですが…。

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