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西の森(3)



君影草「キリが良いとこでやめたので短めです。まだ西の森編続きます。」



 膝枕してルーファスの頭を撫でながらクロードにも自然にある魔力の話をした。

 そこで判明したのが森の見える範囲での魔力が強い場所を指差して話して確認しに行ったクロードは薬草などこの世界では治癒用の回復薬や魔力用の回復薬などになるものだった。この森には薬草が多くあり初心者の冒険者がよく来る場所でもあるのだとか。ただ、もっと奥に行かなければ代々は採取済みで見つけにくいらいし。私からすれば、魔力の強い場所にあるからすぐ見つけられるけど普通は探すのが大変なんだって。ほぇ~。


 ついでに一際魔力が強い場所がわかるので、ルーファスにも起きてもらい移動することにした。


「ティア、足場が悪いから気をつけて。」

「ん。ありがとう。」


 さりげなくエスコートするあたりルーファスに少しドキッとした。


「ぴぁ!」


 うぅ、なのに足を滑らす私ってどうなの?すかさず、ルーファスに引き寄せられたよ~…ありがとう。お礼をつかえれば照れたようにはにかむルーが可愛い。


「お嬢様。危ないので私も失礼します。」


 ルーファスとは反対の手をクロードとも繋いで歩く。足場は木の根がボコボコしていて、水辺だからか根には湿気を帯びた苔も付いていてかなり滑りやすい。

 少し歩けば木々に囲まれた花畑が広がっていた。


「ふぁ~!きれい!!!」


 凄い!花は一つ一つが綺麗な強い魔力が含まれていてキラキラしてる。魔力を視認するのをやめてもキラキラして綺麗でビックリした。


「これは凄いですね。」

「うん、皆が話してたのはこれだと思う…凄い綺麗だね。」


 5つの花びらの可愛らしいお花はひとつひとつがクリスタル見たいにキラキラ透き通るように輝いていて、触れると砕けるように無くなった。


「え?!粉々になっちゃった…」

「これは…」

「あぁ~…なるほど。だから、行かなきゃ見れないっていってたのか~…」


 うわ~…ファンタジー。魔法がある世界ならではなお花だわ。前世の知識を探るがあの世界にはないお花。本当に綺麗。うっとりとため息を溢しながらその花畑を見ていると可愛らしい声が聞こえてきた。


『お花好きなの?』


 え?キョロキョロと周りを見るが姿は見えない。


「だぁれ?」

「ん?どうかした?」

「お嬢様?」


 首をかしげながら問いかけるティアラローズに二人も首をかしげる。


『お花すき?僕が育てたの。』

「えっと…お花好きよ?綺麗で素敵だよ。」


 どうやらこの声は私にしか聞こえてないみたい。二人もキョロキョロとしながら警戒体制をとる。


『うれしい。愛し子…僕と契約して?』

「契約ですか?」


 え、その前に愛し子って…


『妖精の愛し子だよ。君は僕らの愛し子。会いたかった…僕は君に会いたかったんだ…。』


 切なげで悲しい声が…泣きそうで震えるように最後は絞り出すように溢された声な胸が締め付けられた。

 この声に嫌な感じはしない。周りにある魔力はこの声がしだしてからは更に強く、そして暖かくて…でも、消えてしまいそうなほど不安定に揺らぎだしてる。


 契約…よくわかんないけど、昔に図書館で話した妖精の愛し子のことで、私がその愛し子ってことなら…きっと害はない。それに、この子からは悪意は感じられない。


「いいよ。私の魔力をあげる。」

「お嬢様?!」

「ティア?!」


 手のひらに魔力の塊を作る。私の魔力の色々…金と銀のキラキラとした粒子が舞う魔力の塊。その中に何かが来たことがわかる。


『っ!!!…ありがとう妖精の愛し子。僕らの愛し子。僕を君だけの妖精にして。』

「いいよ。」

『…ありがとう愛し子。』


 姿は見えないけど…たぶん泣いてる。そして、嬉しいって気持ちが沢山伝わってくる。


『僕の言葉に続いて?君は愛し子だ。妖精の契約はそれぞれ違う。でも君は知ってるはずだよ。妖精の愛し子。』

「ん。」


 頷くと手のひらの魔力が強まった。何となくどうすれば良いのかがわかる。


『僕の魔力の全てを君に授ける。僕の力は君のもの。対価は君の魔力。』

「私の魔力をあなたに。あなたの魔力の源のすべての魔力を対価に。」


 私の中から魔力が溢れて周りには火、水、風、土の四大元素の魔力の塊が浮かぶ。魔術とは違う。私の魔力が変換されて…手のひらのこの子に吸い込まれていく。


『僕は君だけの妖精。君の望むままに。僕の姿を君に現す。対価は君の心の一部。』

「私の妖精。私だけの妖精。君の悲しみも苦しみも私は受け止める。私は君の幸せを望む。私の名はティアラローズ。」


 名前を口に出した瞬間にブワッ!と下から上に上がるように魔力が溢れた。


『っ!僕の愛し子。僕を愛して…僕を君の一部に。僕の名をよんで。』

「君の名はセシル。」


 名前を呼んだ瞬間に溢れた全ての魔力が手のひらに吸い込まれるようにして消えた…と思ったらぽんっ!と可愛らしい音がして手のひらにはポロポロと…いや、ボロボロと涙を溢れさせながら泣く妖精が居た。


『ありがとう。僕の主。これからよろしくね?』


 そして、目が合うとへにゃと笑顔を溢す妖精…セシル。うわ~…めっちゃ可愛いっ!!!


「どういたしまして。こちらこそよろしくお願いします。私の可愛い妖精さん。セシルは今日から私の家族だね♪」


 名前を呼んでにぱっ!と笑えば、セシルは顔を隠して更に号泣した。え?!何故泣く?!どうしよ~…。と、クロードとルーファスを見れば二人はポカーンとしていた。え?どうしたのかな?


「クロードとルーどうしたの?ってか、助けて~。セシルが更に泣いちゃったよ~…。」


 どうしようと二人とセシルをキョロキョロしていたら…深いため息をつかれた。なんで?!


「流石ティアだな…妖精か?マジか~…まじで?」

「お嬢様…そちらの方は妖精であってますか?」

「え?えーと…たぶん。本人が妖精っていってたよ?あれ?そういえばセシルの声は聞こえないんだっけ?」


 ルーファスは何やら頷いたり首を傾げたりしてるし、クロードも首を傾げながら聞いてきた。さっき本人が散々妖精って言葉を使ってたし妖精だよね?…うん。羽がある。図鑑でみた妖精さんみたいだよ?


「え~…いまは泣き声が聞こえてますが凄い魔力の渦がなくなった後にそちらの妖精…様が出てきてから聞こえました。」

「あ。契約が成立したら見えるんだね。ほぇ~…」


 なるほど、私も姿が見えたのは契約が成立してからだったし見えないのは契約するまでなのかな?


「あれ~…?妖精との契約って凄いことだよね?!なんでティアそんな普通なの?!」

「え?だって…契約よりセシルを泣き止ませる方が大切だよ。」

「天使かよ?!じゃなかった…なんで妖精様は泣いてるの?」

「ん~…わかんない…」

「困りましたね…水分が全て無くなりそうな勢いで泣いてますね。」


 とりあえず、ルーの変な突っ込みは聞かなかったことにしよう。うん、私は人間だよ。ってか、本当にどうしよ~…クロードが言うようにこんな小さな妖精さんからかなりの量の涙がでていてセシルが涙で渇れないか心配になるよ…。


 とりあえず、セシルが泣き止むまで指で背中を擦ってあげようと思ったら更に泣き崩れてしまった。うわ!…酷くなってしまった。うぅ、誰か助けてーーーっ!!!


 



 妖精さん出てきましたー!出てきましたが契約以外は泣いてただけです。ついでにティアに優しくされた嬉し泣きです。

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