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実験します。…ユーリ視点。



君影草「台風が怖くて寝れなかった。」



 あれからリリア様との勉強後の午後は騎士達とストレッチをしたり過ごし、そのまま訓練所で体を動かして過ごすようになった。

 騎士達の走り込みにも身体強化ありでだがついて走ったり訓練している端で筋トレしたりして過ごしている。


 私が使用許可の下りている訓練所は騎士団全員が使用可能な場所である。騎士団には部隊によって個別での訓練所もあるが、全体での訓練も行うために個別部隊よりも広い訓練所があるのだ。ここは日によっては令嬢達も観戦に来ることができる作りにもなっているが、私は観客がいる日には来ないようにしている。男性の中に混ざってると何か言われないか怖いからね。

 

 騎士達は概ね良好的な方が多いがやはり私の様な女の子がいるのをよく思わない方もいる。だが、上からの決定でしばらく令嬢達も端を借りて運動することになるので強くは言ってこないのは助かるかな。


「おい。」

「はい。なんでしょうか?」


 振り向くとそこには一人の男性が立っていた。年は20代と思われる方で黒い髪黒の瞳と前世でよく見た色合いだが、顔の作りはハッキリとしており目付きはキツイ。口も悪いのだが実は私と同じく公爵家の次男で名前はユーリ・ラナンキュラスで第二部隊副隊長をしている方だ。

 この方は口は悪いが影でコソコソするタイプではなく真っ向から向かってくる性格をしている。口が悪いために感じがいされそうだが、私を虐めたり嫌っているのではないとおもう。


「これからチームで実践形式の訓練になる。君は邪魔だ。」


 こちらに来た時には目をきちんと合わせていたのに今は顔をそらし悪態をつく姿はたから見れば邪険に扱われてそうだが、顔を背けながらもチラチラこちらを気にして見ている姿は私から見れば頑張って虚勢を張っているが嫌われないかビクビクしている子犬のようにも見える。

 周りを見ると私を良く思っていない方はニヤニヤしているし、逆に良く思っている方はラナンキュラス様を睨んでいる。ただ、ラナンキュラス様の性格を理解されてそうな方は呆れた表情をしているのを見て、実力はあるのに性格で苦労してそうだな~…っとついそんな目でラナンキュラス様を見てしまうのは仕方ないことだと思う。口は悪いが純粋に私を心配してくれてるのは分かるので私は気にしていない。だって、ラナンキュラス様の目には悪意がないもの。

 ついでに今日実践形式なのはロベルト様より聞いていた。今日は次回からは令嬢達も来るために危険がないかを確認するために訓練中に結界をはり安全かを確認をする予定だったのだ。


「心配していただきありがとうございます。ロベルト様より聞いています。今日は私もこちらで私の魔術の確認をするために来たのでご安心を。」

「魔術の確認だと?」


 眉を寄せ、睨み付ける様に見られるが多分単純に疑問なのだろう。ただ、7歳の女の子なら…いや、男の子でも泣くかもしれない怖い顔のだこどね。


「はい。では…」

「っ!!!」


 リリア様直伝の結界魔法を展開する。私が初めに適当にした結界とは違いリリア様と訓練して今では直径10mほどの結界を張れるようになった。リリア様は結界魔法の使い手で、物理にも魔法にも特化した結界が張れるのだ。ただ、出来るようになった理由が学生時代に時期王妃を殺すために狙ってきた刺客対策なのは羨ましくない理由である。

 ついでにこの世界の結界は剣などの物理攻撃を防ぐ結界と魔法を防ぐ結界と別々にあり、この2つを合わせた結界はリリア様のオリジナル魔法なのだ。

 その為に結界魔法を展開した際には周りがざわついた。


「これは…王妃様と同じ結界…か?」

「はい。私の魔術の先生はリリア様です。婚約者候補であれ私には危険が伴いますのでキチンと訓練してします。」

「いや…訓練したからってその年で…しかも無詠唱…」

「必要事項ですので頑張りました。」


 にっこりと笑い誤魔化したが確かにこの結界魔法はリリア様から習うなかでかなり苦戦したものだ。イマイチ想像できなくて困ったのだが傘のように弾くイメージをすれば何とか展開できた。ただ、持続時間と耐久度を試してはいないので今日はその実験である。


「貴族令嬢達を守るための時間分ぐらいは結界が持つのは試さなくてはなりませんので気にせず訓練してください。ラナンキュラス様…ご心配していただきありがとうございます。」


 心配してくれた嬉しさから頬が緩む。ロベルト様は私の魔法をリリア様から聞いてるために心配とかなく、普通にぽいっと放置だからね。何となくあの方は実力主義の脳筋さんな気がする。いや、隊長だからただの脳筋ではないのだろうがリリア様に教えられてる上、転生者なら大丈夫だろうと楽観的には考えてはいそうだ。女の子だから心配とかして無さそうです。それにくらべてラナンキュラス様は口は悪いが心配してくれてるのが分かるために優しさが嬉しいです。


「ぐっ。…怪我しねぇならいいが気を付けろよ。」

「あ…はい。」


 胸元を握り呻き声をあげたラナンキュラス様はキッ!と一睨みして去っていった。どうしたのかな?体調悪いの?心配する間もなく行っちゃったけど…足取りはしっかりしてるし大丈夫かな?


 とりあえずそのまま結界魔法の実験は無事終了した。流石に1時間以上結界を維持していたのだが流石に疲れた…まあ、いつも魔法を使っても余り疲れないティアラローズにしては疲れた程度である。そのまま普通に歩いて訓練所を後にしたのであった。

 もちろん騎士とは別の普段は普通の部屋として使われてる場所だがそこでクリーンを使い清潔にしてから着替える。あれだけ魔法を使い続けたのに軽く汗をかいた程度でケロッとしているティアラローズをみて騎士達は王妃様からの魔術訓練は相当厳しいのではと噂されるのであった。本来ティアラローズの年齢では魔力操作後の初期魔法を習いだすぐらいの時期であるのに騎士達にも使えない魔法を使ったためである。王妃教育はかなりのスパルタで婚約者となるものには予想以上の危険があるのではとの噂はリリアの耳にも届いたがそれで転生者とバレないのであれば良しと否定することなくにっこりと笑い流すためにアルフレッドの婚約者を狙うものが更に減るのであった。残るのは王妃教育の厳しさを理解できない者だけとなっていくのであった。





ーーーーーユーリ視点ーーーーー






 俺はユーリ・ラナンキュラス。この国にある公爵家の1つラナンキュラスの次男だ。俺には年の離れた兄がいた。まぁ、弟とも年は離れている。両親の魔力が普通の相性なのだが政略結婚で子供がなかなか出来ないことを見るに普通の中でも悪い方だったのかもしれない。お互いに仲が良いかと言われれば微妙な夫婦だが子供好きな為に政略結婚でもそこまで悪い家庭でもなく愛情を注いでくれた。

 兄は学園に通うまで優秀で時期当主と決まっていた為に俺はスペアの割には自由で勉強もまぁまぁしかしなくても文句は言われなかった。俺自身も騎士になりたくてずっと訓練ばかりだったが両親も兄も応援してくれていた。

 

 だが、兄は学園に入り変わった。寮にはいっていたのだが、久しぶりに帰宅した兄は別人に思うほど変わり、長期休暇の際もすぐに出掛けていった。俺を見る目も感情はなくボーッとしていた。あんなに長期休暇を楽しみにしてくれていた兄に俺はショックだった。どうやら好きな女に嵌まったらしいのだが会うたびにおかしくなる兄が怖かった。俺はなにも出来ず、両親も兄と話をしようと頑張っていたがなかなか上手くいかないまま月日は過ぎた。


 その後、学園卒業時には兄は廃人になっており、もう俺を認識することすらなくすぐに亡くなった。どうやら第一王子の試練と呼ばれるヒロインの魅了魔法により廃人となり、ヒロインと離れたことにより苦しみそのまま命を落としたとされているが自殺だったのだ。


 あんなに優秀で優しく自慢の兄はヒロインと呼ばれる魔女のような女のせいで死んだことに俺は怒りを覚えた。話には聞いていた第一王子の試練は兄の年では最悪の学園時代と言われるほどの酷い有り様になっていた。俺が学園に入る頃には色々と対策がされだしたが、次のヒロインへの恐怖を植え付けるには十分だった。犠牲者の家族は皆ヒロインを恨み、陛下や王妃様に協力して学園の強化かは騎士の強化まで頑張った。

 俺はそんな陛下に賛同して騎士になった。両親も弟がいたために俺に当主になれと言わなかったのにも助かった。


 そして、第一王子には最近婚約者…いや、婚約者候補ができたのだがその子が苦労することになるのは皆知ることであった。学園に入ればヒロインが現れ、否応にも関わることになるからだ。ヒロインには良いパターンと悪いパターンがありどちらにしても婚約者候補の方は苦労することになるだろう。当時を知る者は皆が知っていることであるが、もしかしたら娘が王妃になれるかもしれないからと頑張る貴族もいる。俺からすると考えられないがな。大切な娘を駒にするにしてもヒロインに関わらせたくない。


 婚約者候補となった少女はまだ7歳と幼いが既に王妃教育を受けており優秀との噂だったがここまでとは思わなかった。見た目がまずめっちゃ可愛い。だが、何故か訓練所にはストレッチを教える為にきて、更には令嬢を痩せさせるために一時的にだが教師にもなるらしい。

 幼子に教えられることにプライドが傷つき嫌みを言いやつもごく僅かにいるが、あの子が教えたストレッチにより怪我は減り、体も疲れにくくなったこともあり本人にきつく言うやつはいない。筋肉痛が違うのには驚いたし体が柔らかくなるに連れて動きも良くなりいいことばかりなのだが、あんなちんまいのが王妃教育だけでなく、騎士にも指南して、令嬢の相手までさせるなんて陛下や王妃様は何を考えてるのかとも思うがあの可愛らしさは騎士達の癒しでもあった。


 ちんまいが可愛らしく天使のような容姿にびょこぴょこと頑張る姿はめっっっっっちゃ可愛いからな!それに口が悪い俺にも嫌な顔することなく可愛らしく笑顔を見せてくれる。大概怖がられるのだがあの子ははじめからそんなことはなく、何故かたまに慈愛溢れんばかりの視線まで向けられる。ちょっと変わった令嬢だが優しい子なのは分かる。なによりも傲慢さは皆無だ。しかも、身体強化を使いこなし騎士にもついて走り込みをする姿は見習いのやつより根性もある。

 

 今日なんて王妃様オリジナル魔法の結界まで1時間も張り続けても軽く汗をかくぐらいでケロッとしてる姿には嫌みを言っていた連中まで唖然としていた。あの結界は俺達も使おうと頑張ったが無理だったものだ。かなりの技術がいる。あの魔術を習得するそれだけの努力をあの子は耐えたのだ。王妃教育は魔術だけではないのに凄い執念であり、それだけ次期王妃になるものには危険があるということだ。マナーもしっかりしているし勉強も出来るし、可愛くて優しいアリウム嬢は王妃に相応しい方だとおもう。まじでヒロインとかよく分からねぇやつなんかが王妃になることのが心配だし恐怖だ。あの子を守るためにも俺たちも頑張らねぇとな。


 普通に笑ってる顔も可愛いかへにゃりと笑う姿はまじで可愛いし庇護欲を誘う。はぁ、頭撫でてやりてぇ~…。ぜってぇきっつい教育をしてるってのに騎士にまで優しいとかすげぇよな。しかも、7歳で。尊敬するがもっと子供らしくてもいいとも思う。


 ついでに同僚達から「もっと優しく接しろ。」とか「虐めんなよ。」とか「可愛いくて構いたいのもわかるがこえぇよ。」と笑われてからかわれるが知ったことか。これでも、優しくしてんだよ。


 あの子を崇拝してるやつらからも睨まれるが俺を知ってる同僚が話をした後は呆れた顔もされるが気にしねぇ。あんな可愛い小動物みてぇなのがいるのに無視するとか無理だろ。怪我しねぇか気になるだろ。はぁ、いくら結界が使えて、身体強化もできるし、まぁなくても運動神経良さそうだししっかりしてるがあの子は守るべき存在だからな。しっかりみていてやらねぇとダメだろ。っと、また声をかけてしまうのであった。








 ユーリは地位も技術もあるが口の悪さもあり第一部隊よりも第二部隊に入っている。ついでに魔法が使えないわけではないが近距離戦が得意なのも理由である。騎士見習い達にもよく声をかけるがはじめは大体怖がられるのであった。

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[気になる点] 令嬢を痩せさするってなってます。 [一言] 応援してます。これからも頑張って下さい!
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