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御披露目パーティー(5)



君影草「誤字報告ありがとうございますっ!!!」



 周りが静まり返る中、言葉を発した女の子はどや顔で胸をはってる。…ってよりはお腹を突き出したようにしかみえないけどね。


 貴族階級では下の地位の者が上の地位の者にこのような言葉遣いはありえない。ついでに言えば初対面で下の地位の者から話し掛けるのはマナー的にはNGだ。失礼を承知で話し掛ける際でも、それ相応のマナーがある。何よりも名前を名乗るのが礼儀であるが、それをすっ飛ばし更には公爵令嬢に対して「お友達になりなさい。」は可笑しい。周りの礼儀のなさからエドワードやアルフレッド達から冷たい空気が流れ出すのは仕方がないことであろう。

 なによりもここにはティアラローズよりも地位が高い王族であるアルフレッドが要るのに挨拶もなく無視をしてティアラローズに話し掛けるのも頂けない。


 ティアラローズは予想外の事態に困惑していた。お友達が増えるのは嬉しいけど…貴族ならマナーは大切だよね?それよりも、殿下であるアルを無視してるのもいけないよね?ん~…見るからに小説で出てくる傲慢な女の子って感じだけどまだ年齢的に勉強不足なのもあるし、なにが悪いのかも分かってないんだろうな~…。とりあえず、私とお友達になりたいって気持ちはあるけど言い方的に公爵の地位を理解してなさげだし、ただお友達になりたいのかな?


「っ!妹が失礼いたしましたっ!」


 真っ青になっていた男の子が誰よりも早く意識を戻し謝罪をする。頭がこれ以上下がらないのではないかと思うほどがっつり頭を下げている。


「なによ、お兄様?何故頭なんてさげてるのよ?」


 うん。この子は事態を理解してなさそうだ。横で謝り出した男の子…お兄さんみたいだね。その子が頭を下げているのにキョトンとしてる。


「リリアナ!俺はこちらの方が「お前よりも地位の高いご令嬢であることを忘れるな。」って伝えたよな?!」


 真っ青な顔から顔を赤くしてキッ!と女の子を睨むお兄さん。…なるほど、一応事前に私のが地位が高いからマナーに気を付けるように話したのね。なのに、この子はそれをちゃんと理解していなかったと。


「聞いたわよ?モノじゃなくお友達ならいいのでしょ?ちゃんと伝えたわよ?」

「はぁ~…今ので何で友達に慣れると思ったんだよ…。」


 え?なに?モノ??


「なによ?!間違ってないわよ!私のモノになりなさいはダメなんでしょ?お友達ならいいっていったからちゃんとお友達になりなさいって伝えたわっ!」

「っ!やめろっ!本当に妹失礼を…すみませんっ!!!」


 あ~…なるほど。女の子は甘やかされて育つんだったっけ?いつもなら欲しいって言えば手には要るモノ。もしかしたら人もそんな風に言って側に付けていたのかな?みる限り私と同じ7歳かな?なら使用人である執事とかが相手だったから問題にならなかったが、貴族社会で同等、いやそれ以上の地位の方もいる貴族社会で使用人達にしていたようなままではダメだよね。まさかこんなことになるなんてお兄さんも思わなかったよね。

 なによりも私の周りが怖いよ…なんでこの女の子は周りの雰囲気に気がつかないの?ん~…分かりやすく話して理解して貰わなきゃかな。離れていく気配はないし。


「お話中失礼しますが、まずここには私よりも地位の高い殿下もいらっしゃいます。ここで言い争うのは失礼にあたります。まずは殿下に謝罪を。」

「…誠に失礼いたしました。」


 再び真っ青になりながら頭を下げるお兄さんに対して女の子は首を傾げてる。


「リリアナ。ちゃんと謝りなさい。」

「なんでよ?」

「…。」


 ん~…理解できないのか~…。なんて説明すればいいかわからずお兄さん困ってるよ?


「では、名前を教えていただけませんか?」

「もちろんよっ♪私はリリアナ。リリアナ・グレイディ!よろしくね♪」

「俺は…私はチャールズ・グレイディと申します。」


 カーテシー?と呼べるのは怪しいがスカートをちょんとつまんでいる女の子にきちんと礼をするお兄さん。お兄さんはちゃんとしてるのね…教育の差はやっぱり甘やかされてるからか~…なかなか産まれない女の子が産まれて喜ぶのは仕方ないがこの子の為にはならないよね。

 

「伯爵の方ですね。私はティアラローズ・アリウムと申します。」


 見本として見せるために椅子から立ち上がり、丁寧にカーテシーをする。私がグレイディ家を伯爵とすぐに分かったことに驚いているお兄さんは驚愕の表情を浮かべて固まってる。あれー?勉強したら普通に覚えることだよね?じゃなきゃ貴族社会でやっていけないもの。

 チラリとアルを見れば、仕方ないと言わんばかりの顔だが機嫌は先程より悪くなさげに私が何をするのか興味がありそいな目をしながら顔はちゃんと王子の顔に戻ってる。ついでに謝罪は受け取ってないあたり怒ってはいるのかな?まぁ、言い方は微妙に違うが婚約者をモノと同じように欲しがられていい気はしないだろうから仕方ないよね。アル達も立ち上がり挨拶をしてくれた。うん、私の意図を汲み取ってくれて助かるよ~。


「グレイディ様。」

「リリアナでいいわよ♪」

「…では、リリアナ様。少しお勉強をしましょう。」

「…勉強は嫌いよ。」


 ティアラローズの言葉に拗ねたような表情をするリリアナ。


「ですが、貴族社会で生きていくには必要なことですよ。このままではリリアナ様が困るようになります。」

「?私困っていないよ?」

「ん~…それは困っている事態に気がついていないだけですわ。」

「そうなの?」

「はい。グレイディ様を見てください。」

「お兄様も名前で呼んでいいわよ♪」

「…それはリリアナ様が決めることではなく貴方のお兄様が決めることですよ?」

「そうなの?」


 なるほど。素直な性格なのに喋り方や態度は生活の問題でマナーなども教育の問題なだけかも知れない。話してみると傲慢な令嬢ってよりは知識がなくマナーを知らない令嬢って感じだね。


「アリウム嬢。宜しければ、チャールズとお呼びください。」


 再び頭を下げるチャールズをみて、ちゃんとすればリリアナもきっと出来る女の子かもしれないと思うティアラローズはにっこりと笑う。


「では、私のことをお二人はティアラローズと。」

「…宜しいのですか?」

「はい。ここには私の兄もいるので紛らわしいですし、大丈夫です。チャールズ様もリリアナ様のお勉強に少し時間を頂いてもいいですか?」

「もちろんです。ありがとうございます。」


 ホッとしたような笑顔を浮かべるチャールズ様には悪いがここでマナーを教えるのも申し訳ないがパーティーを続ける以上再び問題を起こされるよりはちゃんとリリアナ様にはわかって貰う方がいいと思う。なにより、王族に失礼なことをしたまま放置はヤバイと思う。


「リリアナ様。チャールズ様の顔色が先程悪くなっていたのは解りますか?」

「うん♪面白いよね♪」

「…面白くありませんわ。チャールズ様は困っていたから顔色が悪かったのですよ?面白がるのではなく、心配するところです。」

「そうなの?」

「はい。どうですか?チャールズ様。」

「いや、あの…はい。」


 何が困っているのか理解できないリリアナは首を傾げる。


「リリアナ様。社交デビューまではお茶会や御披露目パーティーはそちらまでに勉強をする場でもあります。人脈、情報を得るために…頑張る場所です。」

「そうなの?楽しむ為のパーティーじゃないの?」

「その意図もありますが楽しむ為にはまずマナーを頑張って勉強しなきゃ相手に失礼な態度を取ってしまい、家にも迷惑がかかることにもなります。」

「迷惑??」

「はい。現在、リリアナ様はお兄様であるチャールズ様だけではなく、グレイディ伯爵家にまで迷惑をかけているのは解りますか?」

「え?何で?」


 ん~…なんだろ。もっと年齢が低い子供に教えてる気分になってきたよ…。


「では、それをまず理解できるように頑張りましょう。出来るだけ頑張って説明するのでリリアナ様も頑張って聞いて勉強してくださいね♪」

「「「はーい♪」」」



 にっこり笑顔を見せながら話すとリリアナ様はにぱっと笑い元気よく手をあげ返事をする。うん、やっぱり素直な子だね。あれ?なんか沢山の返事が聞こえたような??っと少し首を傾げたティアラローズだが今はリリアナから目を逸らして興味が他にいってはならないとリリアナを見つめる。


 対してチャールズは勉強嫌いの妹が楽しそうに勉強をすることに嬉しそうにする姿に驚く。それだけではなく、周りの男の子達も自らの婚約者である女の子を連れてきてついでに学ばそうとすることにビックリするがその女の子達も楽しそうにこちらをみて一緒に返事をしたことに驚きだ。

 アルフレッド達は周りに気がつき楽しそうにこの光景を黙って眺めている。


「ではまず、リリアナ様は伯爵家の令嬢であり、私は公爵家の令嬢です。地位が高いのはどちらか解りますか?」

「えっと…お兄様がさっき言ってたから公爵家のが高い?」

「正解です。では、地位が高い方に使用人に命令するように話すのは良いことですか?悪いことですか?」

「ん~…悪いこと?」

「そうです。地位が高い方に命令するように「○○をしない。」「○○になりなさい。」は失礼にあたります。」

「そうなの?」

「はい。この国ではまず一番下に民…平民がいます。次に准男爵、男爵、子爵、伯爵、侯爵、公爵とあり、王族の方になります。一番上の地位の方は国王である陛下です。」

「使用人は?」

「…使用人には平民もいますが、貴族の方もいます。三男以下の者には多いですね。私の家の場合では…そうね。私が知る限りでは平民もいますが男爵、子爵、伯爵の方も執事として働いていて、三男以下の方は多いですね。」

「「「えっ?!」」」

「上級階級の中でも高位貴族である公爵家の給料はいいですからね。お金がないと生活できませんよ?」

「「「お金?」」」


 もしかしてお金の概念がない??ってか、沢山声しない???


「はい。リリアナ様のお父様も使用人ではありませんが働いてますよ?働くとその分給料であるお金が手に入ります。」

「お父様お仕事してるのしってるわ♪それが働くってこと?」

「はい。お仕事を頑張ると給料が手にはいります。」

「「「へぇー。」」」

「例えば、貴族当主であれば領地を管理して領民が暮らしやすいように改善したり管理します。平民は領地で働き、そのお金の一部を税金として領主である貴族の方に払います。分かりやすく言えばそれが貴族当主であるお父様の給料になりますが、それがすべて当主のお金になるわけではありません。そちらからまた領地の維持にかかるお金が改善する際に使うお金がいります。もっと詳しく話すと長くなるのでまた家庭教師の方に聞いてみてください。そのお金は私達の生活に使うご飯や服にもなります。領民である平民の方がいるから私達は貴族として義務が生じ、仕事をします。ですが、貴族当主は一人でしょ?」

「うん。お父様は一人だわ。」

「では、兄弟である方は当主ではないませんので生活するには違う仕事をして働かなくてはいけません。…のはわかりますか?」

「ん~…働かなきゃお金がないから…お金ってなに?」

「お金は服や食事を買う為にいるものです。例えばドレスを作ります。その時には、ドレスをデザインしたデザイナーとドレスを作ったお針子にお金を払います。そして、ドレスを買うのです。」

「ドレスを買う…デザイナーとお針子に払ったお金がその方の給料?」

「その一部が給料です。」


 生地にも糸にもお金がかかることを説明すると納得したみたい。


「お金のことはわかったみたいなので話を戻しますね。」

「「「はーい♪」」」


 あれ?やっぱり複数返事が…リリアナ様の後ろあたりから?っとやっとリリアナ以外にも意識を向けるとリリアナの後ろには沢山のピンクの塊…いえ、女の子達が…更に男の子達もかなりいる?

 え?なにこれ…。固まるティアラローズだがリリアナは待ちきれないと目をキラキラさせながら声をかける。


「ティアラローズ様続きを♪」

「あ、はい。当主以外の方は当主の補佐として一緒に領地経営を行う方もいますが、大体は王城で文官や騎士、使用人である執事として働きます。同様に貴族の家にも使用人は必要なので同じように働く方もいます。私の家で働く使用人の話ではアリウム家は給料がよく、働く環境もよく人気の仕事場いいらしいです。」

「人気の仕事?」

「ん~…頑張って働いた分ちゃんと給料を払いますし、休みもきちんとあり、使用人達同士も仲が良いので人気みたいですね。みんな楽しそうに仕事してるし、嬉しそうな笑顔も見かけるわ。」


 あぁ~…周りに気がつくと私が話すとき以外かなりざわざわしてたのね。「うちの使用人は楽しそうではないな。」とか「うちは笑ってるわ♪」とか聞こえます。ありゃ~…。


「使用人は皆平民とおもっていたわ!」

「リリアナ。お前が知らないだけで男爵家の者もいるからな。」


 うん。チャールズ様の言うとおり、リリアナ様の家はそうかもだけど伯爵家なら上級貴族だし男爵の方はいるとおもうよ?


「では、このパーティーのように沢山の執事の方や使用人の方もいる場合では誰が貴族なのは分かりませんが、もしかしたら下級生貴族の方は自分より地位の高い使用人もいるでしょう。」


 あら~…一部では男の子が真っ青になってます。知らなかったの?女の子は分かったが理解はできてないみたい。


「このようなパーティーではそこにも気を付けなくてはいけません。私は貴族として民に慕われるような貴族にならなくてはいけません。使用人の方にも仕えていることに誇りがもって頂けるような貴族にならなくてはいけません。」

「「「分かりましたわっ!」」」


 うん。女の子達は皆元気ね。一部の男の子も。


「では、はじめの話しに戻りますが自分より地位の高い方には命令するのではなく丁寧に話し掛けなくてはいけません。」

「「「丁寧?」」」

「はい。私の話し方はどうですか?」


 リリアナ様以外からも「可愛い!」「優しい!」「丁寧!」などの声が聞こえます。


「ここはパーティー会場ですので私も話し方には気をつけています。」

「ティアラローズ様は公爵なのに?命令しないの?」

「…公爵であろうともお父様だって仕事以外で命令したりはしないわ。私も必要でない限りしないわ。例えば私が「お友達になりなさい。」って言われたらどうおもいますか?」

「「「嬉しいっ!!!」」」


 あぅ、複数の声が…あれー?地位が高いから私が命令するのは当たり前って思ってる??


「では、自分より地位の低い方に言われたら?」

「…嫌だわ。」


 しょんぼりとしたリリアナ様の頭を撫でる。周りを方々も何人か嫌そうな顔をしたりしょんぼりしてるけど、私が話してるのはとりあえずリリアナ様だしね。リリアナ様以外まで撫でていたら話が進まない。だから羨ましそうに見ないで~…。


「私も少し嫌な気持ちになりましたし、悲しいです。」

「え?悲しい??」


 皆ポカーンとしてるけど…命令で友達とか悲しいよね?あれ~…???




 





 この話しまだ続きます。

 あーれー???話が進まないぞー???可笑しいな~…。予定以上にリリアナが教育されてない子になってしまった。

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