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御披露目パーティー(3)…途中からリチャード視点



君影草「まだまだ御披露目パーティーははじまったばかりです。」



 仕方ないと気合いをいれて陛下に近付くとアルが嬉しそうな笑顔を振り撒きながらこちらにきてエスコートしてくれた。ありがとうアル。本当に緊張してるの。もう緊張から転けないか心配なの。だけどアル、耳と尻尾が一瞬見えちゃうぐらいの笑顔で来られるとそれはそれで困るよ~…。


 何とか陛下の側に行くと陛下とリリア様の隣にアルが並び私まで横に…えぇーーーー?!ここですか?!


「こちらはティアラローズ・アリウム。アリウム公爵家の長女である。王家から望み婚約者候補となった。アルフレッドと年が近く、地位があるからだけが理由ではない。魔力の相性も非常に高いのだ。本来であれば婚約者としたいとこであったが、アルフレッドがティアラローズ嬢の心を欲してな。ティアの心を射止め次第婚約者とすることにしておる。ティアの心を射止めれないようではティアの婚約者に相応しくないからな。」


 いやいや、陛下っ!そこはアルの心を私が射止めるってなら分かるけど、その言い方だと私のが娘みたいじゃないですかーっ!滅茶ざわついてますよ?!あ。陛下が手をあげると静かになった。


「ティアは容姿だけではなく、マナーに勉学、魔術とかなり優秀で、すでに王城にてリリア直々に教育もしておる。」


 あぁ~…皆ポカーンってなってるよ~…わかるよ、なんで息子であるアルフレッド自慢ではなく只の婚約者候補を自慢してるんですか…。


「ティアには既に他にも婚約者と婚約者候補がいるのよ。その者達もこちらに来なさい。」


 リリア様の命でお兄様達が前にきて私の隣へ並ぶ。並びはお兄様、オリー、レオ、ルーの順番だね。


「婚約者にはティアラローズの兄であるエドワード・アリウム。ここには居ないがもう1人の兄とも婚約しておる。婚約者候補にはアルフレッドだけではなく、オリーブ・デルフィニウム、レオナルド・ジャスミン、ルーファス・クロッカスが既に決まっておる。皆家からだけでなく本人達の意思でティアの婚約者候補になることを望んでおる。この者達も魔力の相性が非常に高い。そして、私が認めておる。皆ティアの心を射止めるため頑張っておる。皆もこの子達を見守ってほしい。」


 話が終わったらしくアルが視線をくれたので、私達は礼をする。すると拍手が沸き起こった。ふぇ?!びっくりした~…。表情に出さないように気を付け姿勢を戻す。陛下が手をあげて周りを静かにさせた。


「では、楽しんでくれ。」


 と、締めくくった。皆パーティーへと戻っていったが…私達はまだ陛下とリリア様の近くにいる。だって、アルが手を差し出すからつい乗せちゃって逃げられないように捕まっちゃったんだもん。とりあえずお父様達の所にいこうしたのに~…。でもお父様達がこっちに来てくれた!ふぇ~…お父様~…お母様~…。


「よく頑張ったな。」


 来てくれたお父様とお母様が順番に頭を撫でてくれる。沢山緊張したよ~…まだパーティー自体は始まったばかりなのに疲れたよ~…。ふぇ~…お父様とお母様のナデナデ落ち着くよ~…。


「ふふ。本当によく頑張ったわ。えらいわね。」


 えへへ~♪誉められた嬉しさから笑顔になる。


「ティア、驚かせたな。だが、この方がティアの安全になるとおもってな。本当ならアルフレッドがキチンと婚約者になった時に皆に知らせるつもりだったが少し厄介なことになりそうだったからな。」

「そうね。予想以上にティアが可愛すぎたわ。」


 ???とりあえず陛下は私の安全の為に婚約発表をしてくれたのはわかったけど…可愛すぎる??ん~…いつもよりお洒落はしてるけど…???


「ティア。周りの女の子達をさっきみたでしょ?」


 首を傾げていたらお兄様が寄ってきて小声で教えてくれた。…さっきの女の子…まん丸で皆同じ感じで…髪しか違いが分かんない女の子達…なるほど、確かに私だけ違って見えるから注目を浴びるのか~…。


「ん~…なんか違うこと考えてそう…。」


 なにやら納得して頷いているティアラローズだがエドワード達はそんなティアラローズをみて苦笑いを浮かべる。まぁ、ティアは可愛いんだけど自分の容姿に鈍いのは今更か。と、深く突っ込まなかったのである。


「父上。婚約者候補と発表されたのですから私もティアの側に居てもいいですか?」

「あぁ、その方が良いな。仲の良さを示せるしな。いっておいで。」

「ありがとうございます。ティア行こう。」


 アルにそのまま右手を乗せたままエスコートされ、反対にはお兄様にも笑顔で手をとられてエスコートしてもらいやっと一段高い場所から離れることができたのであった。






ーーーーーリチャード時点ーーーーー






「はぁ~…にしても、久々にこうやって他の娘達を見るとティアは格別可愛らしいな。」

「そうね。最近は幼い女の子はティアしか見てなかったからすっかり他の子達の容姿を忘れてたわ。」

「うむ。気持ちは分かるが親の甘やかしもあそこまで行くと体に悪そうだな。」


 ウィル(ウィリアム陛下)とリリアが話しているが娘はやはり別格で可愛い。容姿だけではなく、中身も可愛いからな。それに、別に私だってティアを甘やかしてない訳ではない。ティアはお菓子が大好きで沢山食べるがその分必ず自分で動くために消費されてるだけだ。昔から眠気の限界になるまでは自分で歩きたがるティアだったが、まさかこの違いだけでここまで体型に差が出るとは思わなかった。確かにあそこまで丸いのは体に良くないだろう。


 勉強やマナーに関しても元々兄であるエドが早くからしていたからか、ティアも進んでやるようになっただけで王妃教育が始まるまではこちらから勉学を強いたことはない。王妃教育に関しても、転生者な為にリリア様から魔術をならっていると思ってる節がある。ついでに家に帰らずに勉強してると思っていそうだ。それほど、一般的に難しく大変な王妃教育を泣くことも愚痴を溢すこともなくこなしている。むしろ、家に帰ってきて今日はなにをしたなどとリリア様とのことを楽しく話している。一度だけ「王城での勉強は辛くないか?」と訊いたが、きょとんとした顔で「いずれしなくてはいけない勉強ですよね?それなら楽しくちゃちゃっと覚えてリリア様と魔法で遊んだりお茶をする方がいいです♪まぁ、魔法を使えるので魔術…普通の方が学ぶ魔法を発動させる為の仕組みは…覚えるのが面倒です…そんなの知らなくても使えるもん。まぁ、学園で困るのは嫌なので頑張ります…。」と、楽しそうに話し最後にはまさかの魔術の勉強が一番面倒ときた。確かにティアの様に思うだけで魔法が使えるものにはただただ必要ないのに周りに合わせるための魔術の勉強は苦痛なのかもしれない。転生者とばれないようにするためと学園では魔術の授業には実技だけでなく、筆記テストがある為に仕方なく覚えているのであろう。


 リリアが以前話していたがティアの場合は転生前から天才…いや秀才と呼ばれる者ではないかと言っていた。努力するのは当たり前と普通に勉強を頑張る節があるみたいだ。その為、この世界では天才と思われるほどの娘となっている。エドもティアも幼い時から努力して得た力であるが知らないものからしたら分からないであろう。

 我が家の使用人達からあの子達が人気が高いのは容姿や性格だけでなく、真面目で努力家な所が更に心を惹かれるのであろう。


「陛下。婚約者発表の件は感謝します。」

「うむ!そうであろう!」


 嬉しそうにしてるが、ウィルもティアを殿下の婚約者候補として発表できたのが嬉しいのであろう。


 基本、婚約者は学園卒業後に式を挙げるものが多い。ティアが話す小説のような婚約破棄などあり得ないのだ。それならば婚約者候補迄にしておき、その時に解消すれば良いだけなのだ。婚約者としてまで書類で陛下のサインまで入るものはまず破棄出来ない決定事項だ。

 そして、婚約者候補と合わせても、健康な女の子であれば政略結婚を合わせても五人までが一般的だ。それ以上は恋愛結婚から夫が増えるのだ。もしくは両者が納得するほどの強い意志があり結婚する。親達が政略結婚と進めて出来るのは五人までの間に組み入れる婚約者候補までだが、ティアには既に婚約者が2人おり婚約者候補も3人居るためにこれからティアを狙うのであれば子供である本人達が頑張るしかない。親に出来ることはない。更には婚約者候補も魔力の相性が非常に良く、親も本人達も望んでおり、陛下も認めているとの発表では蹴落とすことも出来ないであろう。しかも、ウィルは常にティアと愛称で呼び、自分の娘であるように話していた。ティアに何かあればアリウム家だけではなく国王である陛下が出てくると言うことだ。これでティアを誘拐や傷物にしようとするものはまずいない。いたらただのアホだ。陛下のお気に入りの…しかも既に自身の娘の様に扱っている娘を傷付けるということである。


 それに、殿下もティアの心を射止めようと頑張っており、陛下もティアの心を射止めれなくては婚約者として認めないと公表された。ティアを狙うならティアを惚れさせるしかないのである。しかも、殿下の妻の立場を狙うにもティアを傷付けることも出来ないし、既に王妃になる娘としているので、王妃の地位は狙えない。狙えても側室だし、それも殿下の心はティアにあるためにティアより惚れさせれるようにかなりの努力をしなくてはならない。魔力の相性が非常に高いために子供が出来ないことはまずないためにティアが子供を産めない為の側室も難しい。女の子達はこれから親から頑張って教育を受けさせられるだろうな。だが、あのように丸々と太るまで甘やかされた娘達が側室を狙う為に頑張れるのであろうか?


「ですが、ティアとの仲の良さをアピールとしても初めからずっと愛称呼びは如何なものかと思われます。あの子は私の娘です。」


 まるでアルフレッド殿下よりもティアが自分の娘であるかのような言い方までするのはどうかと思うと暗に伝えるが…


「…いずれワシの娘にもなるもん。」


 小声で聞こえないように呟いたウィリアムだったが、冷ややかな視線を向けるリチャードに聞こえ、視線は更に鋭くなった。


「私の娘です。それに、まだわかりませんよ。」


 家族の前以外では常に無表情であるリチャードが珍しく笑った…にやりと笑った顔にウィリアムは顔色悪くなり口を噤んだのであった。






 ウィリアムは顔色悪くなるが、心の中で「絶対にワシの娘にもするもん!あんな可愛いティアをリチャードだけ父親なんでずるいもん!アルには頑張って貰わねば!」なんて可愛らしく拗ねながらアルフレッドに頑張って貰うしかないのに闘志に燃えているなど、毅然とした顔をする国王をみて誰が気がつくのであろうか。いや、リリアやリチャードやフリージアは気がついているかもしれないがきっといつものことだと放置したのかもしれない。


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