御披露目パーティー(1)《7歳》
君影草「書き途中で寝落ちしました。スミマセン。」
7歳になり王城での御披露目パーティーの日になりました。
鏡に映るティアラローズが着ているドレスは淡い紫色の生地に丁寧に施された銀色の刺繍。スカートには白に近い灰色のチュールがフワリと重ねられ下の淡い紫の生地がほんのり透けている。チュールの下の淡い紫色のスカートの裾にも刺繍がされており僅かに透けて見える。腰のリボンも白っぽい灰色のチュール生地を使い後ろには大きめなリボンに結ばれ、リボンの裾には同じ銀色の刺繍糸で品よく刺繍されて全体のバランスがよくなるようにデザインされている。それにも銀の刺繍をしてお互いが馴染むようにすることになった。艶々の銀色の髪はストレートに下ろされたままで左サイドの髪は耳をだすようにドレスと同じ生地で作られた大ぶりな花飾りのピンが止められている。兄様の色とクロードの色。婚約者である二人の色のドレスは…綺麗だけど少し恥ずかしい。(まぁ、クロードのは耳の毛の色だけどね。)
「お嬢様。お綺麗です。」
ドレスを着ている時からいるクロードはティアラローズが自分達の色のドレスで着飾れていく姿に夢心地の気分だった。姿見の前で恥ずかしげにするティアラローズを見て目元を赤く染めうっとりとした顔のまま吸い寄せられる様に近付き髪飾りで飾られていない側の髪を1房取りチュッと口付けをした。
鏡越しに見てしまったティアラローズはボッ!と赤面する。
「…あ、ありがとうございます。」
なんとか声に出したが頭の中はパニックを起こしている。え?クロードってこんな顔するの?!始めてみたよ。クロードだよね?色気すごくないですか?え?大丈夫?!クロードって10才だよね?!身長もぐんぐん伸びてるしこの世界の人って成長はやいの?!結婚できる年齢も早いしあり得るかも。思考を変な方に飛ばしだしたティアラローズだがノックの音で戻ってきた。
「ティア。入って良いかな?」
「…はい。大丈夫です。」
大きく深呼吸してお兄様に入室許可を出す。ドアを開けたお兄様の姿を見て固まる。エドワードもティアラローズの姿をみてドアを開けたまま一瞬固まるがすぐに破顔しティアラローズの側に来て膝を付き手を差し出す。
「僕の天使。可愛らしいだけでなくなんて美しいんだ。今日のティアはほんとうに綺麗だね。こんな綺麗なティアをエスコート出来るなんて幸せだよ。」
おずおずとお兄様の手に私の手を重ねるとチュッとキスをする。ふぇ~~~っ!!!お兄様のが素敵ですっ!!!黒いスーツかっこいいですっ!!!白いシャツに…あ。私と同じ生地のネクタイに刺繍の柄も同じですねっ!左耳には綺麗な金細工のイヤーカフが付いている。はぅ、左髪を出してるのに反対の耳は隠れてて…普段フンワリしているお兄様の髪は綺麗は右に流れるようにセットされている。そして、お兄様も色気が駄々漏れでおかしいです。はぅ。
「エドお兄様も素敵です。素敵すぎて…」
「ん?」
「他の女性に見られたくないです…。」
「っ!!!」
頬を恥ずかしげに染めたままのティアラローズからの独占欲にエドワードは赤くなる。今までティアラローズからこの様な独占欲を見せられたことはない為にティアラローズからの言葉は予想外だった。
「はぁ。ティアがそんな可愛いこと言ってくれるなんて…僕も可愛いティアを誰にも見せなくないよ。」
立ち上がったエドワードはティアを頭を優しく撫でる。恥ずかしげだったティアラローズがエドワードの手にすり寄るのを見て再び破顔する。
「ほんと可愛いね。綺麗なのに可愛いなんて…ティア?今日は僕から離れないでね?」
「はいっ!もちろんですっ!初めてなので緊張してますし、お兄様にはご迷惑お掛けいたしますがよろしくお願いします。」
「ふふ。まかせて♪」
お兄様と話をしている間にマリー達は部屋から出ていっていた。ティアラローズは気がついていないが途中でエドワードが視線を向け指示を出していた。部屋にはティアラローズ、エドワードにクロードの三人である。
「エド…ティアを頼む。」
「もちろんだよ。ちゃんと守る。それに殿下…は難しいかもだけどオリーブ達も側にくるだろうからね。」
「オリーブ様からは俺宛に手紙が来てた。ティアの側にいるから安心してくれだと。」
「ふふ。オリーブはマメだね。」
「あぁ。だが助かる。あの方は俺が使用人だろうがティアの婚約者としてきちんと対応してくれる辺り凄いよな。」
「だね。」
あれ?いつの間にクロードもオリーブと手紙をする仲に?っと、首を傾げていたが2人がこちらを向いて手を差し出した。
「エントランスまでになるが俺も一緒にいいか?」
「行こ?ティア。」
「うん♪」
お兄様とクロードの手に手を添えてエスコートされエントランスに移動するとお父様とお母様が既に待っていた。
「あぁ、なんて可愛いんだっ!流石は私の娘だっ!」
思わずリチャードはティアラローズを抱き締めようとしたがフリージアに止められた。
「リチャード様。ドレスを着ているのですからいけません。」
「…わかった。」
しょんぼりと肩を落とすお父様をみてつい笑ってしまう。そんなティアラローズをみてリチャードは軽く頭を撫でる。髪が乱れないように丁寧に…
「今日のティアは可愛いだけでなく綺麗だね。軽くお化粧をしたのかな?」
「はい。ヘンリーがしてくれました。」
「よく似合ってるよ。」
「ありがとうございます♪」
そう、マリーではなくヘンリーがしてくれたの。マリー曰くヘンリーの化粧の腕はかなりいいらしい。この世界女性が少ないために女性のメイクも着替えも男性がすることが多いため男性でも化粧の技術は必要なのである。執事教育の中にある必須科目らしい。学園にも跡継ぎ以外は大体が王城勤務になるか、貴族の屋敷で執事や護衛として勤務したりする。特に高位貴族は給料も多いので人気がある。ヘンリーに聞いた話だとアリウム家は貴族の屋敷への勤務先としてはかなり人気が高いらしい。
学園には平民も試験に合格すれば通え試験は結構難しいらしい。…リオンは実は大きな商会の3男の平民であり、試験合格し学園に通いヘンリーと知り合った。下級貴族の3男であったヘンリーにとって母が平民のこともあり平民の事を見下したりもなく、お互い3男同士でもあったために勉強以外でも話が合い、お互い兄の悩みなどで盛り上がりすぐに仲良くなり、卒業後にはアリウム家で勤務するようになった。かなりの競争率だったっす。と話ながら遠い目をしていた…なにがあったんだろ?あ!二人とも学園でもかなり優秀だったんだって。リオンがヘンリーは特に化粧やマッサージなどの分野では学年で1.2の成績だったと教えてくれた。
「ティア。綺麗よ。あなたはマナーもちゃんとしているしそんなに緊張しなくても大丈夫よ。ほら、深呼吸して?」
「…すーはー。お母様、ありがとうございます。」
お母様に言われ深呼吸すると少し体の力が抜けた。どうやら自分が思うよりも緊張してるみたい。
「ではいってくる。」
「「「「いってらっしゃいませ。」」」」
エントランスにいる使用人達が一斉に頭を下げる。この中にはクロードもいて…頭を下げる前に口パクで「頑張れ」って。いつも真面目なクロードが皆がいる時にこんなことをするのが珍しくて笑ってしまった。うん、今ので緊張はとれたかも。
馬車に乗り王城まで行くまでに御披露目パーティーの流れを話してくれた。まず、御披露目パーティーは王城の園庭で行われて、下級貴族から早めに行き陛下からお言葉を貰う。上級貴族は順番が来ていなかったら控え室に案内される場合もあるが今からの時間ではスムーズに園庭に行けるだろうと。まずは陛下へ挨拶をして、それからは子供と親は同じ園庭内ではあるが分かれるんだって。子供達がどれだけ自分の力でパーティーを過ごすかを親達は見守りながら情報交換をするらしい。だから思うようにお菓子を食べてもいいし、お友達になりたい人をさがしてもいいし、私は好きに過ごしていいって言われた。お兄様には今日は私から離れないようにと言われていた。
ついでに、どうやら私は御披露目パーティーにくる女の子の中で一番地位が高い女の子なんだって。確かに王族には女性はいないし、他の公爵家にも女の子はいない。要るのは侯爵家に1人、後は更に下の地位の者達なんだって。「男爵~伯爵の家には何人かの女の子がいるんだよ。」っと話ながら遠い目をするお兄様にビックリした。え?なにその顔…もしかしてその女の子達はなにか問題があるの??
話してるうちに王城につき、お父様、お母様、お兄様と降りて…お兄様がエスコートの為に手を差し出してくれたので重て転けないようにゆっくりと降りると周りがざわついた。え?なに?!
「大丈夫だよ?さぁ、行こ。」
と、ビックリしてる間にお兄様にエスコートされて園庭まで移動した。どうやら降りた時に話をしていた王城の執事が案内してくれるみたい。いつもリリア様と勉強してる部屋とは違う道に緊張してきた。ふぇ~…ドキドキするよ~…。
園庭には沢山の貴族達がいて…私達が着くとやはり周りがざわついた。え~…なんでそんなに皆こっちを見てるの?!あぅ、キョロキョロしちゃダメ。頑張ってマナーを学んだんだもん。今は日々の努力の見せ場だっ!っと意気込むティアラローズには周りの声が全く入ってこないのであった。とりあえず転けずに歩いて、ちゃんと陛下に挨拶をする!っと頭の中はそればかりであった。
次の話ではティアラローズ視点ではなく、ティアラローズを見た者達の反応を書きます。ティアラローズは緊張のあまり周りが全く見えてません。




