オリーとティアの初デート(2)
君影草「熱はありませんが、体調不良でマーライオン状態の為に書くのが遅れるかもしれません。」
固まってしまったティアラローズの頬をツンツンと暫くオリーブがつついといるとハッ!とティアラローズが意識を取り戻し、バッ!と顔を上げてオリーブを見る。
「すみません。衝撃が強すぎましたか?」
「あ…はい。あの…。」
恥ずかしげに頬を染めてモジモジするティアラローズ。
「説明しますね。」
「っ!…はい。」
更に赤くなるティアラローズにオリーブの頬は緩む。また耳元に口を寄せる。
「この世界では一妻多夫なのは貴族だけでなく平民もなのです。貴族ではお茶会や夜会ではしませんが、プライベートでは普段のエドワードやティアの様に女の子を膝に乗せるのは普通なんです。膝に座らせることが出来るのは親や親族、兄弟以外では婚約者や婚約者候補のみなのです。兄弟でも女の子に婚約者が出来るようになれば乗せることが出来なくなります。その頃には女の子が成長してるので兄弟の場合でも婚約者でないとダメなのです。子供ではなく女性として扱うようになるからです。平民ではお茶会や夜会などはないため仕事中でなければ恋人をこのように膝に乗せるのは普通なのですよ。男性からすれば膝に乗せてる女性は恋人です。ってアピールにもなりますので。この行為は友達だとダメなのです。ついでに女性から膝に乗る場合は恋人にしてというアピールになりますので覚えておいてください。ただし、貴族の場合、婚約者や婚約者候補のいる男性と女性がするのはマナー違反です。」
「はぅ…そうなのですね。」
「覚えておいてくださいね。」
「…はい。」
現にいまティアラローズはオリーブの膝の上にいる。普段からエドワードやクロードにされていた為にオリーブ達なら抵抗はなかったので恥ずかしいが座らされた場合拒否したことなかった。だが、これが恋人しか出来ない行為と知ると恥ずかしさは倍増である。恥ずかしい為に顔を手で隠すティアラローズを見てオリーブは幸せいっぱいの表情になるが、顔を隠してるティアラローズは気がついていない。説明をしても拒否しないということは婚約者候補であるが恋人として膝に乗るのは嫌ではないと言うことなのである。まぁ、嫌な相手の膝にはまず乗らない。既に嫌がらずに恥ずかしげに乗ってるだけで拒否しないティアラローズはオリーブのことを婚約者候補として脈ありを意味するのだ。そこまでは考えていないだろうと分かっていてもオリーブからすれば膝に座ってくれる事実だけでも幸せなのであった。
「うん。ティア。梅ってのおいしいですよ?どうぞ。」
「…いただきます。…んっ♪おいしっ♪」
「ふふ。レモネードも美味しいですね。ティアが進めるだけあります。」
「でしょ?ここのレモネード凄く美味しいの♪梅シロップのも美味しいです♪」
「ふふ。よかったです。」
はじめの衝撃を忘れてジュースとお菓子を堪能するティアラローズは今はもう美味しさでいっぱいなのであった。その為気がついていない。自分が口を付けたジュースを飲むティアラローズをみてオリーブが頬を染めていたことを。実はオリーブもはじめて女性を膝に乗せて更にはお互いに口を付けた飲み物を飲んだのだ。オリーブも実はかなり恥ずかしく緊張している。
飲み終わったあとはクリーンをかけて屋台へカップを戻す。カップを返すと少しお金が返ってくる。使い捨てなのは紙袋などで、カップに関しては飲み終わるとクリーンをして返すのだ。紙カップなど使い捨て容器での飲み物はなく、このようなシステムなのである。紙袋などは所々にゴミ箱がありそちらに捨てるようになっている。前世での小説では衛生面が悪い異世界ものもあったが、元が乙女ゲームな為か衛生面がしっかりしてある国で助かったとおもう。
この世界では男性と出掛ける際に女性がお金を出すことはない。ティアラローズはアイテムボックスのような空間魔法が使えるためにポケットから出すようにして使うようにしてるが基本的に払うことがない。申し訳なく思ってしまうが年齢も年齢なので仕方ない面もある。…一応おこずかいを貰い下町には来ている。
その為、ティアラローズが払い買う場合は相手にプレゼントとして買う場合のみである。男性と共にいて女性が払うのは平民ですら滅多にない。冒険者などと独立して活動してる場合は例外だったりするらしい。
ブラブラと手を繋いだまま下町デートを堪能していたティアラローズだったがアクセサリーやリボンなどの髪飾りを売っている出店の前で立ち止まる。
「見ていきましょう。」
「…ん。」
気がついたオリーブはティアラローズの手をひき、出店に近寄った。出店には色々な髪飾りのアクセサリーや刺繍やレースなど綺麗なリボンが沢山あった。どうやら髪飾り専門に近い出店みたいである。
「「いらっしゃい!」」
「珍しい細工や刺繍などがありますね。」
「うちは行商なんでね。他国も回るんで色んなのがありますよ~。」
店のおじさんとお兄さんは元気よく声をかけてくる。どうやら親子のようである。アクセサリーはわからないがリボンは普段みない独特な刺繍から馴染みのある刺繍のものまで沢山ある。その中から赤いサテン生地に銀の刺繍細かくされてあるリボンが目についた。
「可愛いお嬢さん。こちらが気になるのかい?」
「ん。髪に結ぶのに2つ分欲しいです。」
じっと見つめたまま固まってると20代あたりのお兄さんが私の前に膝をつき目線を会わせて話しかけてくれたので、私は素早くお兄さんにお金を渡す。少しビックリしたように目を開いたお兄さんに小さな声で「プレゼントなの。個別で包んでくれますか?」と伝えるとチラリとオリーブに視線を向けたがすぐににっこり笑い「わかりました。」と頷いてくれた。私ぐらいの年の女の子がお金を払うことはまずない。プレゼントでも誰か付き添いの人が払ったり、親と共に買いに来てプレゼントを買ったりする。
「ティア?っ!私が払います!!」
「ん。もう払ったので大丈夫です。」
どうやら繋いでいた手を離したので私が支払った事に気がついたがオリーブはどのリボンを購入したかまでは気がつかれてないみたい。慌てていたオリーブだがティアラローズがにっこり笑うと少し苦笑いしたが、再び視線は商品の方に向く。真剣に見てるってことはやっぱり普段みないアクセサリーやリボンなのかな?
実はお兄様達と下町にくる時にも今のようにささっと支払い買うようにしている。はじめの頃は男性が基本的に支払うことを知らなくてびっくりさせてしまったの。それから話を聞いてプレゼントなら大丈夫と知ってからはこんな感じで買うようにしている。あと、6歳の子供が自ら買うことはない為毎回ビックリされるのですぐにプレゼントであることを伝えてる。下町に行くからとお母様におねだりしてお小遣いもらった時にも「ティアは持たなくて大丈夫よ?」っとも言われたが「勉強にもなるのでお買い物してみたいです。」っとお願いして以来、下町にいく際にはお小遣いをくれるようになった。余ったものもそのまま貰ってもいいためちゃっかり貯金しているティアラローズである。
この世界には小銅貨、銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、更に上に白金貨とある。前世でいえば、小銅貨は10円、銅貨100円、大銅貨1000円というように一桁づつ増える。銅貨は庶民が普段の生活に良く使うために細かく分けられてるみたい。リボンも髪用ではなく包装用などシンプルなモノよりはこの店のように髪用である場合には刺繍やレースがついてあるし、端の処理もされてるものもあり、その場合さらに高くなる。ティアラローズが買ったものは細かな刺繍がリボン全体にされており、生地も綿ではなくサテンの為に貴族が使っても大丈夫なものを選んだ。この店のはシンプルなリボンでも生地が良く銅貨1枚からある。サテン生地のリボンも無地で銅貨5枚であり平民でもお手頃な買える値段である。この世界ではサテン生地は高い。なのに、刺繍が綺麗にされており、端も処理済みのものを購入したのだがリボン一枚あたり大銅貨一枚であった。貴族の店で買えば倍はしそうなほど丁寧な刺繍がされていた。私が買ったのは2cm…はないぐらいの幅のものである。
ついでに私が普段つかってあるリボンはもっとする。生地の幅も増えると更に高いのだ。ドレス用など小さな宝石が付いていたり、バレッタになるとリボンに大きな宝石とか、金細工に宝石とか…うん。値段を知りたくない。無くしたら怖くて歩けなくなるよ。この考えは前世からの名残なのかな…はぁ。なので、普段の生活ではリボンで結ぶことが多いのだ。私が持っているバレッタやピンは大体宝石がついてるからね。
「お嬢さん。どうぞ。」
「あ。ありがとうございます。」
「っ!こちらこそありがとうございます。…天使だ。」
にぱっと笑いお兄さんから受けとるとお兄さんの目元は赤くなる。ん?最後なんていったの??
「ティア。」
「ん?」
聞き取れずに首を傾げているとオリーブに手をひかれる。手は支払いが終わってすぐに繋がれてる。
「その、ティアは何色が好きですか?」
「??特にないですよ?」
「そうなのですか?いつも淡い色が多いですよね?」
「えっと…服は家族みんなが選んでくれてます。見た目からのイメージなのか淡い色は多いですね。」
「あぁ。なるほど。普段髪飾りよりリボンが多いのは…」
「えっと。リボンのが好きなのです。その…宝石はなくすのが怖くて…」
「ふふ。ティアは変わってますね。ちょっと待っててください。」
恥ずかしげに小声で伝えたティアラローズにオリーブは破顔し、リボンをおじさんに包むように話してる。恥ずかしくて頬に両手をあてる目を閉じているティアラローズをお兄さんはビックリした後うっとりと眺めていた。
ついでにティアラローズは「はぅ。やっぱり貴族なのに変なのかな?でもでも無くしたら怖いし、リボンのが重くないし、あぁ、でも正直にいいすぎたかな?はぅ、恥ずかしい…。」などと考えていた。
商品を受け取ったオリーブに再び手を繋がれて、ティアラローズはお兄さんにバイバイっと手を振り、時間までデートを楽しんだ。
ついでに帰りの馬車の中で無事リボンも渡せて、オリーブからもリボンを頂いた。屋敷に着き無事デートも終わり、下町を楽しんだティアラローズはルンルンで部屋に戻るのであった。
ついでにケーキなどのフォークなども一緒に使えるのも貴族では婚約者や婚約者候補のみであり、平民でも恋人や伴侶のみである。
オリーブはティアラローズとのデートで側に護衛を付けなかったのは魔法により悪意があれば触れられない結界があるからだけでなく、実はオリーブ自体もティアラローズを膝に乗せたり食べさせたりとする予定でありはじめて女の子にそんなことをするので近くで見られるのが恥ずかしくて護衛を側に付けていませんでした。あと、二人っきりでデートをしたかったのもある。




