オリーとティアの初デート(1)
君影草「暫くオリーブとのデートの話になります。」
今日はオリーと2人で下町にお出掛けするの♪ふふふ♪久しぶりの下町。最近は王城ばかりで下町には暫く行けてなかったのです。
「あ。お嬢様動かないでください。」
「あぅ。ごめんなさい。」
「謝らないでいいっすよ~♪ただ動くと歪むっすよ?」
「…ん。動かない…。」
今はマリーが髪を編み込んでくれてるの。リオンは茶色のブーツを履かせてくれてる。リオンは椅子に座る私を見上げて髪を指差す。ん。せっかくマリーが綺麗にあみこんでくれてるんだもん。動かない…動かない…。
「もう少しですよ。リボンは…」
「こちらを。」
「…出来ました。お嬢様可愛いですよ。」
ヘンリーがマリーに渡したのは赤いリボン。サイドに編み込まれた髪は細めの赤いリボンで結ばれた。
鏡の前に立つ。お気に入りの赤いベリーの刺繍がされた白いワンピース。刺繍と同じ色のリボン。下町で良く見る茶色のブーツ。ん~…髪の色のせいか町娘どころか商家の娘としても怪しい気がする。銀の髪と金の瞳って目立つよね…。
「お嬢様。帽子も被りましょう。」
「ん?今日は暑くないし大丈夫だよ?」
「お嬢様は目立ちますからね。少しでもお顔を隠してください。あと、焼けますよ?」
「…被ります。」
はぅ。貴族の女性だし日焼けはダメだよね。私の肌は黒くはならないけど赤くなっちゃうもん。クロードに帽子を被らしてもらって抱き上げられてエントランスへ向かう。「下町で歩くので少しでも…。」っと耳をしゅんとして言われたら断れないよ~…。
エントランスには丁度オリーブが来たところだった。私に気がついたオリーブはこちらを見て眩しい笑顔を向ける。あぅあぅ。眩しいです。綺麗系美少年の眩しい笑顔で目が~…。
「おはようティア。今日も可愛いですね。」
「おはようオリー。オリーもシンプルな服なのに何でそんなに輝いてるのですか?」
「???輝いてますか?」
「うん。」
首を傾げるオリーブは白いシャツに黒いズボン。あ、ブーツも黒い。下町でも良くいる格好…むしろかなりシンプルだよね?なのになんでこんなに格好いいんだろ?
「デルフィニウム様今日はお嬢様をお願いします。」
と、声をかけて私を下ろしてくれたクロードは頭を下げる。
「クロード。君が頭を下げる必要はないよ。大事な婚約者を預かるのだから。デルフィニウム家の護衛も影でかなり付けてますので安心して。私も防御系なら得意でね。今日はティアに悪意を向けられれば発動するように付けさせてもらうから。ティアいいですか?」
「うん。」
オリーは私のおでこ辺りに手を添えると薄い赤色魔力が私を包み込み消えた。消えたけど…いいのかな?
不思議そうに手を見てるティアにクスッと笑い手を差し出すオリーブ。
「結界に変わったので見えませんよ。分かりやすいように魔力を覆うまで結界に変えませんでした。」
「あ。なるほど。」
クロード達から分かりやすく見えるようにしたんだね。オリーブの手に乗せてエスコートされる。
「いってきます♪」
「いってらっしゃいませ。」
馬車に乗り込みもかうのは下町♪久々の下町だー!
馬車を降りてからオリーと手を繋ぐ。オリーはエスコートもだけど手を繋ぐといつも凄く嬉しそうな顔をするの。ただ手を繋いだだけなのにその瞬間いつも蕩けそうな程の笑顔にドキドキする。美形の自覚あるのかな?そんな笑顔を見せてたら危ないと思う。少しするといつものオリーに戻るんだけど…オリーは手を繋ぐのが好きなのかな?オリーって初めてあった時から基本笑顔なんだよ?成長すると女の子達から凄くモテそう。今でもモテてそうだけど。そんなことを考えながら歩いてると屋台からいい匂いが…。はぅ。
「ふふ。何かたべますか?」
「…ん。あれ…好きなの。」
私が指差したのは一口カステラとかかれた屋台だ。乙女ゲームの中の世界だからか前世であった食べ物は結構あるの。一口カステラは前世でいうベビーカステラで、私の記憶に残ってる好きなもの1つである。
この世界では食べ歩きは平民では普通だし、貴族でもお忍びの際には食べ歩きをする。王都の下町はお店はかなり多いが、食べ物の出店があるあたりには長椅子は結構あるし、小さなテーブルもある。皆使った後には生活魔法のクリーンをするからいつも綺麗なの。クリーンは魔力をあまり使わないから日常の生活には欠かせない魔法でこの国では衛生面などから日常生活で頻繁に使用するし、街全体の衛生面を考慮して使用するようにと、今では当たり前なマナーとされている。平民の家にはお風呂がないため通常クリーンで体も綺麗にするぐらい便利な魔法なの。まだ魔法が使えない子供達もいるのでそんな子達には周りが気をつけて使ってあげたりするのも当たり前なのである。そのお陰で疫病等が蔓延することが防げる率が高まり他国よりも病気で死ぬようなこともこの国ではすくないのである。
「1袋もらえないかな?」
「はいよ!お?デートか?…えっらい…可愛い彼女だな。あれ?この子…」
出店のお兄さんは商品を渡すときに私の顔を見るとビックリして固まる。ティアラローズがにっこりと笑うとボッ!っと顔を赤くしてワタワタと紙袋にカステラを入れてオリーブに差し出す。そんなお兄さんからオリーはささっと受け取りお金を渡す。
「そ。デートなんです。彼女はこの一口カステラが好きなんです。」
「お、おぉ。そう…なんですか。ありがと…う…ございます。」
何故か深々と頭をさげるお兄さんに首を傾げる。にっこりと話すオリーブは受けとるとすぐにティアラローズの手をひき移動する。気になりお店を振り返るとお店には瞬く間に客の列が出来ていた。お兄さんはワタワタとしながら対応してる。
「あれ?あのお店人気なのですね?」
「ん?あぁ、そうですね。人気店になると思いますよ。」
クスクス笑いながら私の手をひくオリーの言葉に首を傾げる。なるとおもいます?ん?あんなにお客さんがいたらもう人気店だよね?ん~…。
「飲み物もいりますね。何か飲みたいものはありますか?」
「あ!それならこっち♪美味しいレモネードがあるの♪」
今度はティアラローズがオリーブの手をひき下町に来たときに良くいく屋台へとルンルンと歩きだす。
「ここ♪」
にぱっと無邪気に笑いながら列に並ぶのは果実水専門の屋台である。屋台には大きめな瓶があり、色とりどりのフルーツが浸けられたシロップがあった。
「ここね!いつ来ても数人は並んでるんだよ♪今日は暖かいしいつもより人が多いけどここのレモネード美味しいの♪季節限定のフルーツとかもあるよ♪」
「そうなんですね。」
「久しぶりなので今は何があるか分からないのですがどれも美味しいの♪」
「ん~…まだ時間がかかりそうですね。ティア、あーん。」
「あむ♪(モグモグ)」
「美味しい?」
「ん♪」
私達の前には10人以上のお客さんがいて待ってる間オリーは繋いでいた手を離して食べさせてくれる。この一口カステラ蜂蜜が入っていて美味しい。この国では蜂蜜も砂糖もあるが、砂糖よりも蜂蜜のが高いのだ。砂糖も質などにもよるが平民でも普通に買える。蜂蜜の養殖はされておらず森に入らないと手に入らないのである。森には魔物がおり、蜂蜜を入手するのは冒険者なのだ。ハニービーと呼ばれる全長60センチほどの魔物で、ハニークイーンにまでなれば人程のサイズになるのだ。数はいるが討伐は火の魔法が得意なものであればハニービーの討伐は簡単だが数がいるために討伐隊が組まれる。ハニークイーンはハニービーの数が減ると数匹のハニービーを連れて逃げる習性があり、ハニークイーン本体を傷つけない限りはハニークイーンが襲ってくることはない。移動してまた巣を作るのである。ただ、ハニービーは温厚な魔物で滅多に人を襲うことが無いために数が増えてから冒険者ギルドで討伐隊が組まれて討伐して蜂蜜を確保するのがこの世界の常識なのである。なので、巣が見つかれば冒険者ギルドに連絡するだけで報酬がでる。で、冒険者ギルドで巣に近寄らないようにと指示がでるらしい。ハニークイーンではなくハニービー事態は巣に近寄ると威嚇音をだす為巣から離れれば襲ってこない。がだ、近寄ると集団で襲ってくるために単体パーティーなどでは勝てないのだ。一体一体は弱くとも数がやばいのである。
その為、蜂蜜は高級品なのだ。平民でも買えないわけではないが高く、蜂蜜の確保が難しい場合には価格が更に高くなるなど変動もある。ただ、味は前世の記憶よりも濃厚で癖もなくかなり…かなり美味しいのだ!
「オリー。これ蜂蜜入っていて美味しいです♪」
「そうですね。価格も他の店よりは少し割高でしたが味はこちらのが美味しいですね。」
「うん。前にお兄様が下町に行った時にお土産で貰ったのよりも美味しいです。私は今まで見たこと無い屋台だったのですが、新しいお店だったのかな?」
「ふふ。明日には人気店の仲間入りですね。」
「?もうお客さん沢山でした。きっと既に人気店だったんですよ♪たまたま空いてる時に買えて良かったですね♪」
「ふふ。そうですね。…ティアは可愛いですね。」
最後にオリーブが呟いた言葉はティアラローズには聞こえなかった。その時、ティアラローズはニコニコとオリーブからカステラを口に入れて貰っていた。ティアラローズは昔からだがお菓子を食べる時にはついお菓子に集中してしまう為意識して聞かなければ頭に入ってこないほどのお菓子好きなのである。
「お?!いらっしゃい♪お嬢ちゃん久しぶりですね♪お嬢ちゃんが好きなレモネードまだありますよ!あと、季節限定なのは梅ですね。」
ニコニコと話しかけてきたのは果実水の店員のお兄さん。小さい時から下町に来る度に私が寄るので顔見知りなのです。なんと梅シロップですと?!この世界にも梅あったのですね!目をキラキラさせるティアラローズ。
「梅?ですか?」
「あれ?いつもと違う方ですね。」
「今日は初デートなので、これからはお邪魔すると思いますよ。」
「なるほど。お嬢ちゃんを守るナイトが増えたんですね♪おめでとうございます!梅は他国から輸入されだしたみたいなんですがそのままだと味はあんまりなんです。ただ、シロップにすると美味しいって聞いたんでやってみたんですが美味しいですよ。他国では暑い日に良く飲むらしいです。」
「へぇ~。ではそちらとレモネードを1つずつください。」
「ありがとうございます!!!」
いそいそとジュースを準備するお兄さん。私はオリーを見上げるとにっこり笑顔のオリーと目があった。
「この2種類で迷ってましたよね?私と一緒に飲むのは嫌ですか?」
「っ!…ありがとうございます。」
「はい♪」
オリーブは確認を取りながらしゅんと悲しげな表情をする。ティアラローズは慌てて首をふり、恥ずかしげに小さくお礼をいうとオリーブは嬉しそうな笑顔に戻る。
この世界で回しのみは普通にあるが女性とする場合には恋人や伴侶に限定される。ティアラローズは今まで下町に来た際にエドワードとクロードとしかしたことはなく、恋人や伴侶のみに許された行為とは知らない。知っているオリーブは明らかに更に機嫌が良くなった。
「おまたせ!お嬢ちゃんっ!またいらしてくださいっ!!ありがとうございましたっ!!」
「うん。またね♪」
バイバイって手を振れば、お兄さんも手を振ってくれる。うん。この街のお兄さん達って礼儀正しいけどフレンドリーだし嬉しい♪明らかに髪の色から私は平民には見れないと思うから皆初めは結構深々と頭を下げられちゃうんだけど慣れてくれば今みたいに手を振ってくれたりもするの♪
「あちらに座りましょう。」
「はいっ♪」
近くにあったテーブルに向かう。コップやお菓子を置くとオリーブは私を膝に乗せる。
「ふぇ?!」
「…嫌ですか?」
「あぅ…嫌じゃないけど恥ずかしいです…。」
顔が赤くなるのがわかり俯くとオリーブはティアラローズの口元あたりにカステラ持っていくとティアラローズはついついぱくりと食べてしまうのであった。そんなティアラローズを見てオリーブは笑う。
「くすくす。本当にティアは可愛いですね。大丈夫ですよ。」
モグモグ口を動かしてるティアラローズの耳元にオリーブは口を近付ける。
「…今まで下町で女の子達をあまり見たことがないんですよね?」
頷くティアをみてオリーブも頷く。
「エドワードから聞きました。下町にいく際には出来るだけ会わないように誘導してくれてたんです。ですが、これからは私達と下町に行くようになると分かることなので今日はそれを教えにも来たんです。もちろんアリウム家からも許可は降りてます。少しずつこの世界を知っていきましょう。」
意味が分からず首を傾げるティアラローズだがオリーブは説明を続ける。
「向かい側の屋台3件隣にデーブルがありますが見えますか?見えにくい位置なのですが…。そちらに平民の女の子がいますよ。」
オリーブに言われた方を見て見るとそこには10歳ぐらいの女の子がいた。ただ、その女の子の周りには女の子と同い年から少し年上かな?あたりの男性達が5人ほどいた。ビックリなのは女の子は私の様に男性の膝の上に座っていたのだ。え?これって…この世界では普通なの?!あまりの衝撃にティアラローズは固まってしまったのであった。
ティアラローズがオリーブの魔力が女性と相性が悪いことやオッドアイであることで気持ち悪がられてることを知りません。王城でも使用人達や護衛やらと陛下や王妃の指示により人と合わない様に配慮されています。陛下達からすればティアラローズに悪い虫が付くのを出来るだけ避けたい為である。




