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宰相の息子…オリーブ視点



君影草「オリーブの過去からティアに出会いオリーブが変わるまでの話です。」



 私は産まれた瞬間から母に嫌われた。その時の私は赤ん坊だった為に記憶に無いが幼い時に使用人達の会話から知ることが出来た。産まれて私の瞳を見た母は気持ち悪がり私を見せようと抱き上げていた使用人ごと突き飛ばしたのである。母が産み終わり入室許可を得た父が部屋に入ろうとした時、丁度その現場を目撃したらしい。更に側に合ったモノまでも投げつけた母に慌てて父は私を守ろうとしたが間に合わなかった。だが、私は無事だった。私は悪意のこもった物理攻撃を弾く結界を産まれながらに張れたのだ。

 デルフィニウム家の魔力を持つものは防御系魔法が得意であり、産まれながらに魔力高くして産まれた私はオッドアイであった。オッドアイは産まれながらに魔力が高いものに出る特性なのである。だが、母は初めはそんなことを知らず私を拒絶した。更には産まれながらに魔法を使えた私を化け物と呼ぶようになった。

 父がオッドアイの特性を話、魔力が高いために無意識に防御魔法を張っている事を説明したが母は私を受け入れることはなかった。母は私を化け物と呼び続けた。屋敷にも滅多に居なかったがたまに出会う母は私に扇子を投げ続けていた。何度か私が寝ている時には刃物で殺そうとすらみたいだが私の結界により阻まれ続け…私が御披露目パーティーの時には私を出席させることを拒み、母にとって化け物を産んだことは一生の恥だと罵り部屋のモノを私に投げ続けながら暴れた母は私が7歳になる前に離婚した。

 この国では離婚は滅多にない。結婚して子を産めば例え滅多に夫に合わなくても問題はないのである。女性は沢山の夫を持つために愛する夫がいればその人の側にいるのが多いのだ。その為、父と母のように利益での政略結婚の場合は滅多に合うことはない。父は子を産むのと引き換えに母の実家に金銭的な支援をしていた。

 せめて2人は子が欲しかった父は母となかなか離婚することが出来なかったのだ。父は私を大切に育ててくれた為に2人目が出来れば支援を続ける代わりに母を私との関わりを無くそうと考えていたが母は2人目を拒絶し続けていたのだ。離婚した際には資金援助がなくなるからである。だが、子作りを拒み、デルフィニウム家の跡取りに害を与え続けた母は国王命令でもある御披露目パーティーへの出席まで拒んだ為に流石に父も離婚することを決意し、今後一切デルフィニウム家に関わらないようにと誓約書もかかせた。


 父は次男だったが黒髪に赤目とデルフィニウム家の魔力を濃く持つものであり、更に学園生活時代に長男は当時の第一王子の試練でヒロインの魅了魔法により廃人となった為に次男である父が公爵家を継いだのだ。更には宰相としても働いている。私はその父の魔力を更に濃く引いたのだ。私は黒髪に赤目と母の水色を持って産まれた。かなり優秀で魔力も高く防御魔法の技術も高い父だが再婚することはない。


 父の…いや、デルフィニウム家の魔力の相性が合う者は少ないのだ。良くて魔力交換をしても普通であり、その中でも比較的相性が良かったのが母なのだ。その母も妊娠するまでかなりの数の実を食べてやっと妊娠したのが私だったのだ。通常魔力の実は相性が良ければ1個食べるだけで妊娠するし、普通であっても5個も食べることはあまりないが、それ以上を食べ続けてやっと身ごもったのが私だったらしい。

 魔力の性質からかデルフィニウムの者は女性に嫌われやすいのだ。ただ、地位も金もあるためそれを狙うものは多い。その魔力は男性には関係ないため仕事には影響はない。


 私は第一王子の側近となり王城に出入りするようになり、デルフィニウム家の魔力が女性との相性の悪さを痛感した。初対面でありながらも女の子達は母と同じような目をする。オッドアイも本来であれはこの国では忌み嫌うモノではない。貴族であり魔力が高いものは希少で魔力制御を早く学ぶ必要があるが私が得意なのは防御魔法の中でも結界であった為に危険性もなかった。だが、デルフィニウム家の魔力と見慣れないオッドアイは知識のない女の子には更に気持ち悪がられた。

 その中でも魔力の相性が悪いものは目すら合わせないし、魔力の相性が普通の者だろう女の子でも私の家の権力と利益を求めて「あなたのような気持ち悪い目の人と婚約する人はいないわ。私がしてあげるわ。」「顔は綺麗なのに本当気持ち悪い目だこと。家柄はいいのに残念な人。私で良ければ妻になってあげるよ?」などと、伯爵以下の地位の低いものですら私の目を口に出して貶し見下すのだ。

 女の子は男の子より甘やかされる為知識も低く、男に好かれて当然と思う傾向にあるが…流石に公爵家である私を見下しあからさまに軽んじる姿は醜かった。見た目も正直私よりも悪い。父も美形であるが、私の見た目は先祖の魔力が濃いためか先祖の中でもかなりの美形の顔をしていると父が言っていた。女性に嫌われる魔力でなければ大変な事になるほどらしく、この魔力で相性が良いものがいないはずなのに父が学生の時には夫に望むものが多かったが魔力の相性が良くない為に結婚は難しいらしい。父がいうには私も学生になるころには女の子達が私の魅力に気づくだろうと笑っていた。目に対しての知識を持てば更に私の価値に気づくとも。


 デルフィニウムの魔力は人間の女性には合わないがエルフの女性とは相性が良いらしく先祖の中には何人かエルフの女性と結婚しているのだ。ただ、エルフの国はこの国からは遥か遠く、今では国同士の交流はない。冒険者のものも数は少なくこの国にいる冒険者のエルフは滅多に見かけないらしい。やはり国との距離があるからだろう。先祖もそんな数少ない冒険者のエルフと結婚したらしい。「女性のエルフの冒険者は滅多に見かけないが男性はたまに見かけるからね。デルフィニウムの女の子は見た目もいいからもてるんだよね~。」っと話す父が言うにはデルフィニウムに産まれた女の子の場合異性から嫌われることはないが、女性から好かれにくい為にデルフィニウムの魔力は女性との相性が悪いだけらしい。相性が悪くとも過ごしていけば性格の良し悪し等から好意に思えるようになる為女の子の場合女性の友が出来ないとかはない。ただ、第一印象は良く持たれない為苦労はするし、見た目が美形な為に男性に持てるため良く思わない女性は多いらしい。私から見るに普通の女の子達が私より可愛いとか綺麗と感じる容姿はいなかった。


 王子の側近になり女の子とも出会うようになってからは私は母のような女性だけでなく女の子達に対しても良い感情は持たなくなった。正直…大嫌いである。

 きっと私は魔力からだけでなくこの目もあり、女性から好かれることはないし、初めから好意的に見られることはないと思い過ごしていた。流石に8歳になる頃にはそれが普通だと感じるようになっていたが、ティアに…ティアラローズ・アリウムに出会って私の世界は変わった。


 エドワードからティアの話を聞いても会うまでは信じていなかった。なのにアリウム家で見たティアは今まで出会った女の子とは違った。まず、女の子が自ら手作りの菓子を作ることはないし、使用人にも優しく話すティアを皆で覗き見た後からは私はティアに会うのが怖くなった。あんな優しい女の子にまで見た目を嫌悪されるば立ち直れないと感じた。好きでオッドアイに産まれたわけではない。父に愛されていても母から受けていた傷は女の子達に出会う度に広がっていっていたのだ。諦めていたのに…女の子に会うことに…嫌われる事にここまで恐怖に感じたのはこの時だけだった。


 なのに、私を見たティアは女の子達が見せた嫌悪の眼差しでもなく、男の子達が見せたオッドアイに対する好奇な眼差しでもなかった。


「キレイな瞳…あ。光が…澄んだルビーとアクアマリンがキラキラしてる…はぅ。キレイ。」


 と、うっとりしながら私を見るティアは私の顔でもなく、ただただ瞳だけをみて呟いていた。ティアのように澄んだ綺麗な瞳で見られたことがない私は顔が赤くなるのを自覚した。しかも、口に出した自覚もなく、それに気がつき恥ずかしそうに頬を染めるティアは可愛かった。

 遠くからこちらに来るときもティアは天使の様に美しく可愛らしく儚い姿に引き寄せられるように側に寄ってしまったのにちゃんと人間らしく頬を染めるティアを見て私は一目惚れをしたのであった。

 私の瞳を見て綺麗だと言われたことは初めてだった。父でさえ綺麗とは言われたことはない。顔に対してなら家系的綺麗な顔をしてるとは言われたが瞳のことはオッドアイで人とは違い変わってるが魔力が強く優秀な証だと言われたぐらいだった。その為、私の瞳を宝石に例えるティアは本当に私を気味悪がることはなかった。寧ろ、好意的に接してくれた。


 エドワードがティアを膝に乗せるとティアの小ささが際立ち、可愛らしくモグモグとお菓子を食べるティアは庇護欲を誘う。ティアの反応を見るに魔力の相性も悪くないのではないかと感じた。だが、殿下達みたいにティアに触れることには躊躇いがあった。

 私は…無意識に結界を張ってしまうのだ。女性に少しでも悪意や嫌悪の感情があれば女性と触れ合うことすら出来ないのだ。私は母にも一度も抱きしめてもらえたことすらない。使用人の女性すら私の目や魔力のせいで嫌悪の感情が産まれるために触れることすら出来なかった。父の話では悪意や嫌悪がなければ発動しないことは男性では検証の結果わかったが…女性の場合は魔力制御を頑張っていけばいつかは解除する意識を持てば結界は発動しないのでは?っと言われている。まだまだ未熟な私はそれが出来ないのだった。だから、私はティアに触れられないと思っていた。私の瞳が大丈夫でも魔力の影響から嫌悪の感情が全くないなどあり得ないと思ったから。


 なのにある時ティアが私に触れたのだ。アリウム家の園庭で皆で遊んでる時に皆がティアに触れられるのに私は触れられないことに凹んでいたのだ。私ほどティアを好いていないレオナルドやルーファスですらティアに触れられるのに…私は見てるだけが辛くて悲しくて…ティアから視線を外して少しボーッとしていた。急に手を引かれて意識を戻すと心配そうに私を見上げるティアが居た。何が起きたのか分からず固まっていると「大丈夫?今日のオリー元気がないです。体調が悪いの?」と心配そうに見上げるティアから私の手に視線を向けるとティアが私の手を握り軽くツンツンと引っ張っていたのだ。え?なにこれ可愛い。しばらく衝撃から戻れなかった。頭が真っ白になり、ただただ繋がれた手にだけ意識が集中していた。意識が戻った時にはティアは泣きそうになりながら「オリーが動かないの。病気かも。お医者さん。」っと皆に訴えていた。

 殿下達も慌てて心配しているが…スミマセン。それどころではないんです。っと心の中で謝り、ティアにばれない程度の魔力を少し流してみる。魔力の練習で男性の教師とはしたことがあるが女性では初めてだ。男性同士の場合でも私の魔力は普通ぐらいの相性なのである。だが、ティアに流した魔力は少しだったのに温かく心地よい魔力だった。私を心配して慌ててるティアは気がついていない。私とティアの魔力の相性は凄く良かった。普通ではない。一方からの魔力が温かく心地よいのは魔力交換をすればかなり良いと習った。私は歓喜した。あまりの嬉しさから立っていられず膝をつき、溢れる涙を隠すためにティアの手を離し顔を隠す。手を離すことは嫌だったが泣く姿を見られたくなかった。そんな私をティアは残念がる隙も与えず私を抱き締めてくれた。喋ることが出来ず立てない私をカッコ悪いがエドワードに支えられて客室のベッドに案内され寝かしつけられた。その時にはもう顔を隠してはいなくて涙の止まらない私の目をティアが拭いてくれた。エドワードにベッドに寝るように言われた時に小さな声で「ティアに魔力を流したんです。」っと伝えるとエドワードは驚いたが状況を察したのかティアに医師は必要ないことを離してくれて医師を呼ぶことはなかった。ティアは訳が分からず私とエドワードをキョロキョロ見ていたが涙が止まった私を見て不安そうな顔のまま手を繋いでくれた。

 今度はゆっくりと魔力を流しティアに笑いかけるとティアはホッとした表情になり「オリーと瞳が溶けて無くなっちゃうかとおもったよ。」っと笑った。


 そんなティアはまだ幼いのに慈愛に満ちた姿は聖母の様に眩しく見えた。ティアは本当に人間なのかな?本当は天使で人間の姿になって生活してるって言われてもティアなら納得してしまいそうです。


 私はきっともうティアの側を離れることは出来ない。ティアの夫になりたい。ティアに好かれたい。ティア以外を愛するなんてあり得ない。例え、試練の時にヒロインが現れようとも私が愛するのはティアだけです。私の魔力が防御系に特化して魔力を強くもって産まれたのをティアと出会い、ティアを守るためだったのではないでしょうか。デルフィニウム家の男性で魔力の相性が良かった者は今までにないと父から聞いた。魔力の相性の良い私とティアは運命だと思う。


 ティア。どうか私にティアを守らせてください。そして、私を愛してください。私を救ってくれたあなたに私の全てをかけて…私オリーブ・デルフィニウムがティアラローズ・アリウムを生涯守ります。そんな願いを込めて私は帰りの馬車が来るまでティアに魔力を流し続けたのだった。



 




 声に出すとまた泣いてしまいそうだった為に時間ギリギリまでオリーブはティアに魔力を流し続けました。オリーブの魔力量は多いために迎えの馬車が来るまで尽きることはなく流し続けられたのであった。その為、ティアも馬車が来る頃には安心感に包まれてニコニコ笑っていたのであった。

 

 オリーブルートでは悪役令嬢であったティアラローズとの相性は普通の中でも良いかな?位でした。ただ、女性嫌いだったオリーブと出会ったのはまだ先でその頃にはオリーブは心を閉ざしてしまっていました。その為、ティアラローズが目に対する嫌悪感を見せなくてもオリーブはティアラローズをしっかりと見ていなかった為に気がつかず、婚約ではなく婚約候補止まりだった。学園に入り魔力の相性の良いヒロインに出会いヒロインに興味を持つようになったのであった。


 ついでに、ティアに出会う迄は言い寄ってきた上から目線の女の子に対して「鏡をみたことありますか?」とか「あぁ、醜い見た目な人とは中身まで醜いんですね。」とか「その程度の爵位で私が興味を持つとでも?見た目も私よりも美しくありませんのにあなたに価値などどこにあるんでしょうね?」など返して居ました。ティアに出会わなければ成長すると共に更にズバズバ言うようになりましたが、ティアに出会った為にティアにそんな自分を知られたくない、見られたくない為に今では「私には愛する天使がいるんです。」てか「私は私より美しいものしか好きになれないんです。私の好きな方は見た目だけでなく中身まで美しく綺麗なんですよ?」だと言うようになった。見られてもティアだけが恥ずかしいのであった。オリーブは性格的に思ったことが口にでるタイプであり正直に話すことに恥ずかしさなどなかったのである。…それもそれでどうかと思う作者であった。

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[良い点] オリー最推し可愛いすぎる〜(*´꒳`*) しあわせになって欲しい〜♡ [一言] 更新たのしみに毎日過ごしてます! 全員大好きです(*≧∀≦*)
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