第一王子…アルフレッド視点
君影草「アルフレッドの小さい頃の話があります。」
私は産まれた時はから物凄くワガママだった。今ではその時の私がワガママでどうしようもない奴だったと分かるがあの頃は急に厳しくなったことが何故なのかよく分からなかった。
幼い頃の私は朝も酷い時には昼近くまで寝ていたし、食事のマナーもなっていなかった。父上や母上と食事する時も母上からの小言が嫌でその場ではあまり食べずに部屋に戻ってから食事をしていた。父上は特に何も言わず「まぁ、まだ子供だから。」っと母上に言っていたが私はその事もあり「なんだ、今のままでいいんだな。」っとすら思っていた。
周りにいた使用人達も私を「王族なのですから殿下は偉いのですよ。」「美しい殿下は何をしてもいいのですよ。」っと言っていたのを真に受けていた。気に入らない食事を食べなくてもいいし、イライラして物を壊しても何も言われなかった。勉強だって嫌で逃げても教師は困ってるのを見て楽しかったし、使用人達も連れ戻したりもなく私の遊びに付き合ってくれた。
いつしか私は私自身が偉くて何をしても許されると思うようになってきた私は気に入らない時は私付きですらない使用人にも偉そうにするようになった。
その頃には父上も「少しは王族としてきちんとマナーを学び勉強をしろよ。」っと苦笑いを浮かべるようになった。それでも勉強をせず、したいことをして少していた。だからか、会うたびに母上は厳しいことを言うようになり私が話を聞かないことに悲しそうな顔をしたり呆れた顔をするようになった。
そんな日々が続いていたある日いつものように勉強から逃げていたら父上に出会い捕まった。
「今は勉強の時間ではないのか?」
普段私や母上の前で見せる優しい父上の姿ではなく、その姿は国王としての姿だったと私はのち知ることになったが、この時はいつもと違う父上の姿にびっくりした。父上の周りには父上と同い年ぐらいの人が何人もいた。ふむ、父上の補佐をしているものや護衛だろうと呑気に考えていたら…。
「聞いておるのか?」
優しい父上の声はいつもと違い固く力強い声な改めてびっくりしていたら父上がちらりと一人の男性に視線を送ると父上の隣に並んだ。
「アルフレッド。この者は私の側近でありながらもアリウム公爵家の当主としても優秀な者だ。私が臣下でもあるが最も信頼する友でもある。」
「失礼します。私はリチャード・アリウムと申します。私には殿下と同い年の息子がいるんです。」
父上が紹介していた者は無情て冷ややかな視線を私に向けてきた。王族である私にである。この頃の私は自分のことを俺と言ってか。
「お前名はリチャードと言ったな!俺は王子だと不敬だぞ!お前なんかいつでも首にできるんだからな!王族を敬え!俺にはこの国で最も高貴な魔力が流れているのだぞ!」
キッと睨み、胸をはる。いつも私の周りにいた者達が言っていたことを私はそのまま口にしたのであった。すると何故か父上にまで冷たい視線を向ける。父上もきっとその者に罰を与えるだろうと思ったが父上は何も言わず私の手を引き、近くの空いている部屋に連れていかれた。部屋には父上と共にいた他の者まで入ってきた。なんなんだと思い父上を見ると父上は顔を真っ赤にしていた。
「まさかここまでとは。甘えてるのは親の前だけかと思っていたがリリアの言った通り只の愚か者だったのか!私はリチャードを最も信頼しておると言ったであろう。臣下でもあるが友でもあると。」
怒鳴りながら怒る父上にリチャード・アリウムと名乗ったものは「少し落ち着け。」など言ってる。
「だが、こやつはその意味すら分からぬのだぞ!…息子がこんなにもバカだとは…もう五歳なのにまともな挨拶すら出来ぬなど流石の私も恥ずかしいぞ。」
顔を隠しながら深いため息をはく父上の顔の赤さは怒りだけではなく私を恥じてのものでもあった。
それから周りにいた父上の側近や護衛達から一般的な貴族から平民の五歳がどのようなものかを聞いた。話が始まる頃にはニコニコと笑っている母上もいつの間にか参加していた。ただ、いま思えば母上の目は笑っていなかったことがいまではわかる。その時から私は如何に自分が愚かでバカなワガママなだけな子供なのかを知った。
まず、貴族の者を使用人同様に名前で呼び捨てにしてはならないこともこの時初めて知った。そして、挨拶すら出来なかった自分を今でも思い出しては恥ずかしくなる。母上曰く、黒歴史というらしい。
それからは私の周りの使用人達は変わり厳しくなったが、まぁそれが当たり前なことで今までが可笑しかったのを今ではわかる。その後、父上や母上とも交流をしっかりするようにもなり、勉強も逃げなくなった。まぁ、はじめの頃は逃げたかったが逃げれなくなったと言った方が正しいかな。
アリウム公も交えて父上達と話すこともある。いつも無表情だが、家族のことを話す時は表情が柔らかくなることも知った。そして、私と同い年の息子と娘がおり、どちらも大袈裟に言ってるだろうと思う程優秀だった。父上曰く、私がちゃんと聞いていなかっただけで今までに何度かアリウム公の息子達の話をしたことはあったらしい。全く覚えていない。
同い年の息子は勉学も通常よりは大分進んでおり6歳になる頃には魔力循環と魔力操作すぐに初めてすぐに出来るようになるし、剣術の鍛練も妹が産まれたときから体作りを初めて習っていると。
娘の方も私が五歳の時には既に絵本だけでなく、魔物図鑑からこの国の歴史の本まで幅広く読んでる。まぁ、その頃は2歳だったから読み聞かせだったらしいが、3歳になる頃には普通に読めるようになりあらゆる本を読んでると聞いた。その時には私がまだ読んだことすらない本も読み、マナーも習いはじめ、使用人にも優しく、見た目も天使の様に可愛いと聞いたがアリウム公は親バカなんだなと思っていた。
だが、王族でありながらも臣下にあたるものよりもバカな…知識がない上、マナーもダメとはヤバイと焦り、かなり勉学に力をいれるようになった。私は一方的にだが父上やアリウム公から聞く、アリウム公の息子エドワードをライバルと考えて頑張った。そして、父上とアリウム公の様な友になりたかったのだ。
7歳になり御披露目パーティーの日にはやっとエドワードに会えると楽しみにしていたのだがエドワードは私の事は王子としか知らず、私は腹が立った。側近候補となり共に過ごす時間が増えるとエドワードが周りのものよりも優秀でアリウム公が言っていた事は大袈裟ではないこともわかった。いや、寧ろそれよりも優秀ではないか?
私がダメなところは教えるように伝えるとズバズバと指摘され…正直私に付いていたマナーの教師並みに厳しかった。プライドをへし折られまくり話し方も変わり出したのはこの頃だった。一度に妹に会いたいと伝えればそれから更に厳しくなった。やっとエドワードから妹に合う許可が出た時には喜んだものだ。
だって、あのアリウム公だけでなくエドワードすらべた褒めする娘である。気にならない方がおかしいが、流石に女の子が二人が話すような可愛らしいとは思えなかった。私が見たことある女の子は傲慢で高飛車、しかも私の妻になるのは当たり前だといわんばかりな態度や言葉が嫌いだった。昔の私を見てるみたいで嫌な気持ちになる。甘やかされると皆あんな風になるんだなと感じたよね。
そしてエドワードの妹ティアラローズにあった日のことは今でも忘れない。私が8歳でティアが5歳の時だった。
キラキラと光るストレートの長い銀髪に輝くような金色の瞳。くっきりとした二重に大きな目。ちょんっとある愛らしい鼻に、小ぶりでぷにっとしたピンクの唇。淡い紫色のプリンセスラインでスカートや肩にはチュールでふんわりとした可愛らしい印象を与えるドレス。何よりエドワードと話ながら微笑んでる姿にドキドキする。エドワードなにかを伝え私達の方に視線を向けたティアは最高に可愛かった。見た目は天使の様に可愛らしい上、マナーもちゃんと出来ていた。アリウム公とエドワードが溺愛しているのも納得がいった。
更にはいつも無表情(まぁたまに呆れた顔は良くあったが)のエドワードがずっとニコニコしていたのが驚きだった。数回あって分かったがエドワードはティアの前ではいつも自然と笑ってるようだ。それからはティア本人がいなくてもティアの話を聞くときにはエドワードの表情が無表情ながらにも目は柔らかくなることにも気がついた。アリウム家は家族以外の前では表情が死ぬのか?っとも考えたが、ティアに会いにアリウム家に行き共に過ごすようになると私達にもエドワードの表情が無表情でなくなるようにもなってきたので、心が許せるようになるまで無表情なのだということがわかった。
あとオリーブもティアと出会ってから変わった。いつもどこかトゲがあり、女性に関しては厳しい…ってか口が悪いオリーブだったがティアと出会ってからは表情が優しくなった。ティアの側ではいつも和やかで穏やかなオリーブに驚いたものだ。まぁ、ティア以外の女性の前ではあまり変わらなかったがな。
ティアに惚れたのは私やオリーブだけではなく、レオナルドやルーファスも私達ほどではないがティアに好意的である。
ティアの側は本当に居心地が良いのだ。可愛いしドキドキもするが、ずっと側にいたくなるような安心感もある。
それから更に月日がたち、私が9歳になる頃には色々あった。優しくて大好きだったフレデリック叔父上はまさかの国家反逆者だった。私を利用し、母上には魔道具と薬草入りの茶で魔力を乱し子供ができないようにまでしていたのには驚いた。父上に頼み、叔父上にあったが今まで私が見ていた叔父上とは違い、醜く歪み私を見下す姿は本当に叔父上かと疑う程だった。父上も暫く顔色悪く過ごされていた。父は叔父上が大好きで大切にしていたのを知っていたのできっと私以上にショックだったのだろう。
この後から私達は第一王子の試練と呼ばれるヒロインの事やティアの前世の記憶がある転生者であり、悪役令嬢という役割を与えられたもので、私だけでなく私の側近達が攻略対象と呼ばれる役割があることを知った。それは試練の内容にある役名であり、この試練を乗り切らねば国王になれないことを教えられた。父上達も似たようなことを試練の時に経験し、どうやら転生者は未来を変えることができるみたいである。母上も転生者であり、父上の時にもヒロインが言う未来とは違い良い方に変わったらしい。
ティアはその試練の内容の記憶があり、前世で小説として読んでおり、知っているのは一部の未来だけだったが、既にその未来は変わっていた。
私の未来はあの日(父上達に叱られた日)から良い方に変わり、叔父上も既に幽閉された。もし、未来が変わらなかった時のことを考えるとゾッとする。
私は愚かなまま成長し、叔父上を疑わず頼り、父上から国を乗っ取り私はお飾りな国王で叔父上が国を動かす未来である。話を聞くに悪役令嬢と呼ばれるティアラローズはこの国の女性の中ではかなり全うであると思う。そのティアラローズも私の婚約者になったことで感情を殺し、笑顔を奪っていったに過ぎない被害者でもある。どこが悪役令嬢なんだ!?ティアは転生者でなくても十分に素晴らしい女性でありそれを歪めたのは私ではないか。それなのにそのティアを自宅謹慎からのどのルートを通っても娼館に落とすなど私は愚か以上のクズではないか!!!
その未来の愚かなクズ王子のせいで私はティアの婚約者には慣れなかった。あくまで候補でありいつでも解消できる契約である。とりあえず、学園にはいり強制力とやらがないか分かってからで、更にはティアが私を好きなり私を婚約者としてくれるまではダメだと母上から言われた。
母上は同じ転生者であり、更には可愛く優しいティアをはじめから好意的であり、今では息子の私よりも仲が良い。母上をとられたとは感じないが出来れば私も母上のようにティアとの時間を増やしたいものだ。父上もはじめからティアに好意的だった。いつもなら貴族の女の子を呼ぶ時なら父上はティアラローズ嬢と呼ぶところをティアラローズと呼び、母上が愛称呼びの確認をとっている時などちゃっかり便乗していた。国王としての威厳を見せようと頑張っていたがソワソワしてたし父上もティアを可愛がりたいのがわかった。ティアは可愛いからその気持ちが凄くわかる。私は父上と母上との会話も更に増えた。主にティアの話だけどね。
父上は私の希望通りティアを婚約者にしたかったみたいだが母上から危険性を聞き渋々と諦めて今では私の応援もしてくれる。ていうか…「頑張れアル。ティアのような娘はまずいない。私もあの様な可愛らしい娘が欲しいんだ!」っと、私の妻にというよりもティアを娘に欲しいだけな気がする。…父上は国王としての姿は格好いいが人としては少し残念な人な気がする。まぁ、話を聞くに王族事態が代々何かしら問題がありその為に第一王子の試練がありより良い未来にかわるようになっているのではないかと聞いたが私も納得してしまった。母上もティアを娘に欲しいみたいだがティアの無理強いはしたくないらしいが私の応援は積極的にしてくれている。私をどうティアにアピールすれば良いかなど真剣に考えてくれている。今の私は父上の姿をみて昔のような喋り方だが威厳が損なわれないようにと口調の指導を受けたが、ティアには普通に優しく喋る方がいいとか、好感度の高い優しい接し方なども詳しく教えてくれる母上はこの国の女性とは違いすこし面白いとも思う。
婚約者候補となってからは今までとは違い、各自ティアと二人で過ごす時間を作るようにも配慮してくれるように話もしてくれた。
いつもエドワードが居たのではエドワードはティアにべったりで私達も満足にティアと交流できないからだ。婚約者候補となってからはエドワードも私達からティアを守ろうとするよりも私達にもティアを守るようにとティアの婚約者候補として以上に考えてることを教えてくれた。ティアを守るためには私達は有力な婚約者でもあるからだろう。最近では私達にも笑顔を見せるようになってきたのは私達も認めてくれてるからではないかとおもう。
ただ、婚約者候補でしかない私達はせっかくのティアラローズの御披露目パーティーの際にエスコート出来ないのはショックである。はぁ、私もティアをエスコートしたかった…。
しかも、私達の求婚はどうやらあの日色々あったことから忘れられてるみたいだ。私を男性として意識して貰うためにも積極的に攻めねばダメだろう。ティアはどうも鈍い気がするしな。
とりあえず簡単にアルフレッドの心情を書きました。御披露目パーティーの話までの間に暫くティアとアル達の話が続きます。




