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婚約者と婚約者候補


君影草「まだまだ話し合い続きます。」



 リリア様の話はびっくりすることばかりだった…。まさか兄弟でも結婚できたなんて…。


「ティア。あなたはこの国では数少ない女の子なだけではなく、貴族としても家柄が良いのです。学園までに婚約者が1人もいないのは非常に危険なのです。学園では婚約者となる男性が女性を守ります。その…この世界では子供は魔力で作りますがその過程…性に関しても放任なところがあるのです。結婚するまで女性が処女でなくてはならないのは国王の妻になる方だけなのです。貴族でも結婚するまでは最後まではしてない方が好ましいのですが婚約者同士ならと…黙認している場合もあります。」


 え…貴族ってその辺厳しいんじゃないの?えぇ~…なにそのエロゲーみたいな…あれ?そういえばあの小説の元のゲームって確か18禁ものも合ったような…。


「ですので…王妃になりたい女性が上級貴族になる女性を王妃にさせないために男性に頼み襲わせる場合もあるのです。」

「え?えっと…それは…アル…アルフレッド殿下の婚約者でなくてもですか?」

「そうです。例えアルフレッドの婚約者が貞操を失っても、次の女性が自分が選ばれるとは限りません。ですのでお互いに蹴落とし合いを…ね。」

「えぇ~…」

「こちらの女性はこれが普通なのですよ。勿論、ばれた場合罰を受けますが罪に問われるのは男性で…それも同意だったなど言われたり、その女性から誘われたなど言われれば証拠がない限り重い罪にもならないのです。王妃になれないだけで他の貴族とは結婚できますので…。」


 そんな…学園って勉強だけではなく貞操を守らなきゃなんて…。ティアラローズは言葉もでなくなり真っ青になる。


「ですので、ティアには学園に入るまでに婚約者を数名決めて貰いたいのです。特に学園にいる婚約者であればティアを守ることが出来ます。そして、ここにいるアルフレッド達は私達があなたの婚約者、又は婚約者候補にと考えているもの達です。」

「え?!」


 びっくりしてキョロキョロ皆を見ると皆目元を赤く染めてます。え?みんなこの話知ってたの?!…あ。知らなきゃここにいない…か…。


「それから…この世界のことに関しても話さなくてはなりません。」


 それから…リリア様から第一王子となる方が学園に入ると必ずヒロインと呼ばれる方が現れるとこ。それは国王になるための試練とされていること。さらには、私が小説と話していたことがこちらでは現実であると確認され、ここが乙女ゲームの世界であるとこ。私は悪役令嬢で、みんなが攻略対象であること。既にストーリーが変わってきていることを教えていただきました…。


「なるほど…では殿下達の婚約者から外れることが出来れば私はその悪役令嬢から外れることができるのですね。」

「そうだと考えれますわ。ですが…アルフレッド達が婚約者又は婚約者候補でなくては守ることも出来ません。それに…例えアルフレッドの婚約者でなくとも貞操は狙われるので、それならば初めからしっかりと守れる方が今までの婚約者の方々みたいに安全なのです。こちらから影をつけることもできますので。」

「…ですが…私を守る…その為だけに殿下達と婚約をすることを私は望みません。」


 部屋がシンと静まる。元々私とリリア様だけが話している感じだったので静かではあったんだけどね。


「…何故だ?」


 悲しそうに黙ってしまわれたリリア様の変わりに陛下に問われます。陛下も眉間にシワを寄せてます。


「今の話からでは私を守るための婚約であって、殿下達が望んだ訳ではない…からです。私は…まだ恋愛感情までは分かりませんが殿下達を大切な友達と思っています。殿下達には私を守るための政略結婚ではなく、殿下達が愛する方と結ばれて欲しいです。貴族ですので難しいのかもしれませんが…今までの話からすれば政略結婚ばかりではないと思ったので…殿下は好きな方を選べるはずです。なら無理に私と婚約しなくても…「私は!」っ!?」


 ガタリと大きな音を立てて殿下が立ち上がります。びっくりして殿下を見ると顔を真っ赤にされています。え?なんで?怒ってる??

 ビックリして固まってると殿下は深呼吸して片膝をつき私の手を取ります。まるで絵本の中の王子様みたい…。


「ティア。私は貴方が好きです。初めて出逢った時から貴方に恋をしています。優しくて可愛らしい貴方と共にいたい。私に貴方を守る事が出来る立場を頂けませんか?」

「っ!!!」

「殿下狡いですよ。ティア。僕もクロードもティアが産まれた時から大好きだよ。ティアを1人の女の子として大好きなんだ。」

「ティア…俺も…ティアが良ければティアと婚約したい。」


 殿下の方を向いていたら後ろからお兄様に抱き締められました。クロードもさっきまでは従者としてちゃんとしていたのに今は私の髪を持ち…ふぇ?髪にちゅってされました。口調も素の口調です。


「ふふ。ティアモテモテね♪」

「私の可愛い天使だからな!当たり前だ。」


 えぇ~…お母様ニコニコしてなくて助けてください。お父様も親バカ発揮してる場合じゃないよ~…。


「あら?アルフレッドあなたは婚約できても候補までよ?シナリオでは貴方はティアを陥れる立場なんですから。出来ても、こ・う・ほ。」

「ちっ。分かってますよ。事前に聞いていましたから。今の私はそもそもティアにそんなことしません。」


 ニコニコ?ニヤニヤ?しながらリリア様がアルに…え?いまアル舌打ちしなかった?気のせい??なにやらマンガであるような感じでリリア様と視線をバチバチさせてます。


「ねぇ?ティア。」

「ん?」


 お兄様に頭に頬擦りをされてたのでそっと振り返り首を傾げる。


「ティアは僕とクロードのこと嫌い?」

「え?大好きですよ?」

「ん~…じゃぁ、僕らがティアを1人の女の子として見てるのは嫌かな?」

「女の子として?ですか?」

「うん。僕らはティアとずっと一緒にいたいんだ。ティアと結婚したいし、ティアと…ここにキスしたいとも思ってる。」


 お兄様が私の唇を指でフニフニ触ります。うぇ?!お兄様いま9歳ですよね?え?なんで色気でてるの?!…もしかして私がお兄様と結婚出来るって知ったから今まで見えてたお兄様と違って見えるの?!ふぇぇぇえええ?!あ。だめ。私真っ赤になってるわ。お兄様達とキス?お兄様達と…キス…あれ?嫌じゃないぞ?


「お兄様とクロードとならキス嫌じゃありません?」

「ふふ。なんで疑問系なの?ふふふ。」


 肩を揺らしながらニコニコ笑うお兄様がちゅっと唇にキスを…ふぇぇぇえええ?!


「なっ!なんでここでするんですかっ!」

「ここじゃなきゃいいの?」


 きょとんっとした顔で可愛らしく首を傾げてますがなに言ってるんですか!


「当たり前ですっ!ここには人が沢山いるんですよ?!恥ずかしいではないですかっ!めっ!ですっ!めっ!」


 プンプン怒りながらエドワードを叱るティアラローズだが全く怖くないし寧ろ可愛らしい。そんなティアラローズの反応にエドワードはニコニコ笑ってる。


「なぁ。ティア俺は?」

「ひぇ!クロードもめっですよ!ここではダメですっ!人前ではダメですっ!」


 耳元で小声で聞くクロードにも耳を片手で隠しながらプンプン叱りつけるティアラローズにクロードは安心したような表情を見せた後ニヤリと笑うがすぐに表情を隠した。何故なら人前ではなく、この場でなければキスしてもいいってことだからだ。


「じゃぁ、僕とクロードが他の女性とキスするのは?」

「え?」


 お兄様達が他の女性と…キス?

 そう考えたとたん目を見開いて固まっていたティアラローズの瞳からポロポロと涙が溢れた。


「…いやです…そんなの…いやです…。」

「…そっか。ごめんね。嫌なこと聞いちゃったね。僕もクロードもティアと以外なんで嫌だよ。だからね。僕らと婚約してくれないかな?」

「…そしたら私以外とキスしませんか?」

「うん。ティアだけだよ。ずっとティアの側にいさせて?」

「っ!はいっ!お兄様達と婚約したいです。」

「ふふ。決まりだね。」

「ティアありがとう。」


 ポロポロ涙を流してるとお兄様がちゅちゅしながら涙を拭いてくれてクロードには頭をナデナデされてます。


「よしっ!では、エドワードとクロードは婚約決定だなっ!!!」


 ガタリと立ち上がったお父様にびっくりしました。…あ。途中からみんながいるの忘れてた…。ぶぁ!っと赤面する私の背中を優しく撫でるお兄様を見て、はたと思い出し、アルをみると苦笑いを浮かべてた。


「あぁ~…うん。完全に私を忘れていたね。」

「…すみません。」


 しゅんっとなっちゃいます。スミマセン。


「ふっくくくく。うけるわ。」


 あ。リリア様笑いを堪えようとしてるけど笑ってますね。扇子で顔を隠していますがプルプルしてます。


「あぁ~…おかしっ♪ティア。アルフレッドだけではなく、他の方達もティアを好意的に思っていますわ。」


 え?っとオリー達を見ると少し恥ずかしげにしています。


「私は既にティアを大好きですよ?」


 ふんわりと恥ずかしげに微笑むオリーブ。え?っと首を傾げる。


「私はあなたに救われました。ティアは自覚なしでしょうが、私にとっては凄く救われたんです。なので、他の誰でもなくあなたと共に居たい。」

「え?!」

「ティアの気持ちが私に向くまでは候補でも構いません。ですが、私を少しでも好ましく思っていただけたら嬉しく思います。攻略対象である以上卒業までは婚約者候補でも構いませんし、もしティアが婚約者として見て貰えるようになれば候補ではなく正式に婚約していただければ嬉しいですね。」

「ふぇ~…えっと…それっていいの?」

「元々、私達は貴族ですからね。愛がない結婚をするようになると思っていましたが私はティアを好きですのでこちらからすれば候補でも嬉しいんですよ?まだティアは私を好きではなくても私は出来ればティアと結婚したいですからね。なので私にもティアを守らせてください。」


 ふんわりと笑うオリーブにティアラローズは魅了されるように固まる。何故そこまで私を?っという気持ちも強いけど…優しくふんわりと笑うオリーブが綺麗だった。

 ちらりとレオナルドとルーファスを見ると少し苦笑いを浮かべてる。


「僕もティアを可愛いって思ってるよ?でも、僕はみんなみたいに好きってのはまだよく分からないかな…可愛いし、ちょっとドキドキしたりもするけど…それが好きって気持ちなのかは分かんないかな。でも、今は他に好きな子はいないし、候補としてティアを守れるのは嬉しいかな。」

「俺も…正直よくわかんない。ティアは見た目も可愛いし、性格も可愛い。家柄は俺からしたら勿体ないぐらい…だしさ…。親父に…あ~…ティア以外の誰かと婚約したいか?って聞かれたらそれはないなって思ったけど、好きとかってのはよくわかんないんだよね。でも、ティアを守れるのは助かるかな?友達だしさ。」


 ほっ。レオやルーまで私を好きってわけではないんだね。ちょっと安心した~。


「ふふ。私達からすれば(悪役令嬢として)重要人物でもあり、可愛いティアを守ってくれる立場のものが多いのは助かります。」


 リリア様ニコニコしてるけど楽しんでますよね?


「えっと…じゃぁ、婚約者候補となったとしてもレオやルー…あ~…もちろん、アルもオリーもね?好きな人が出来たら私との婚約者候補はなくしてその子と婚約出来るように候補はすぐに解消しましょう。そうすれば小説のように悪役令嬢が攻略対象の好意に思っているヒロインを虐めた。なんてことになりません。もちろん、お互いに婚約者候補でいるのが嫌になっても解消しましょう。こうすればシナリオから更に外れるのではないでしょうか?」


 アル達の顔を見ながら話します。アルとオリーは少し悲しげな顔をしましたが、レオやルーはうんうん頷いてます。最後のあたりは確認を込めてリリア様に話しかけました。正直…もうアル達の呼び方を気にしてる余裕はありません。


「あら?そうね♪それがいいわ♪」

「母上…息子がすんなり解消されそうなのを嬉しそうにしないでください。」


 ニコニコ楽しそうなリリア様をみてアルはガックリと肩を落としています。うん。なんかごめんね。


「あら?だって、ティアは危ない未来が分かっているのよ?愚かなアルフレッドのせいでね。」

「ぐっ!それは小説の話ではないですか!私ではありませんっ!」

「でも念の為よ。昔のあなたを叱ってちゃんとしたのは私達よ。また、強制力が働いて愚かな王子になるとも限らないわ。ティアと離れるのが嫌ならちゃんとした王子になり、しっかりと国を支えれる国王になれるようになりなさい。」

「~っ!!!わかっています。ティア。私のことは今は友達としてでもいいです。ですが、これからは私の事を少しは見てください。ティアに見て貰えるように頑張りますっ!」


 普段は毅然とした王子様って感じだったのに今日のアルはなにやら必死で…可愛いです。


「はい。私も悪役令嬢になんてならないようにします。勉強も魔法も沢山頑張ります♪」


 うん。とりあえず、もしこの世界が小説ならこれでシナリオから外れて私が娼館行きなんてなりませんように。


 …あれ?魔法があるってことは…。


「あの…すみません。確認したいことが…。」


 おずおずと小さな手をあげるティアラローズをみて大人達は目尻を下げる。


「なんだ?」

「あの。こちらでは魔法がありますが、それに魅了魔法はないのですか?」

「…あるが…ちょっときっかけを作る程度だな。」


 顎に手を当て思い出すように話すウィリアムにヒロインの特性を知っているもの達はため息をつく。






 あ。これなんかあるんだね。あぁ~…だよね。だってこの話じゃなくてもこういうのの悪役令嬢に転生しちゃった系だとヒロインが魅了魔法の使い手って定番ですよね。うん。










 あぁ~…ウィリアムのポンコツ具合を隠せなかった…。すまん。国王よ。

 

 そして、まだ後書き書き途中でまちがえてこの話を投稿してしましました。読んでいて気がついた方も居ると思いますが、まだティアラローズは相性をみる魔力交換をしていませんが、理由は何話後かで書くのでわかります。お待ちいただけると助かります。

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