はじめての王城
君影草「ティアラローズにだけではなく、周りにも前世のことを説明しているとみて読んでいただけたら助かります。」
朝ご飯を食べてからはお父様、お母様、お兄様、私でお城に向かっています。あ、クロードとセバスも一緒に来てます。ただ、馬車は4人乗りでセバスに至っては御者をして、クロードは御者の隣に座っています。
着いて馬車を降りると真っ白な綺麗なお城が見えました。えっ?なんでこんなにも真っ白なの?!流石に汚れるよね?!っと思いお兄様にこっそり聞いてみるとどうやら王城の城壁には魔石を使い特殊な魔術を施していてその魔石が壊れない限り綺麗な壁が保たれているらしい。室内は使用人達が掃除をするだけでなく、手が届かない場所等も生活魔法であるクリーンを使ったりして清潔に保っているんだって。すこし用事があるからとお父様とお母様と別れてお兄様と一緒に案内をしてくれてる使用人さんについていきます。
王城の一室に案内され使用人の方がノックをしてくれて部屋に入ると…ふぇ?!
「「「「おはよう。ティア。」」」」
「ふぇ?あ。おはようございます。」
え?!なんでアル達がいるの?!部屋にはアルフレッド、オリーブ、レオナルド、ルーファスがいた。
「んっん。おはようございます殿下方。」
「あぁ、エドワードもおはよう。」
咳払いしたエドワードと皆が挨拶をしているがびっくりしたティアラローズは固まってしまった。
「あぁ、びっくりさせ過ぎちゃたかな?ティア。今日は私達も呼ばれていてね。ティアが魔法を習う前に父上から話があるんだ。」
「…アルのお父様…陛下ですか?!」
えっ?!え?なんで?陛下から話が?ティアラローズはびっくりした後に面識がない陛下からの話と言われ首を傾げる。
そんな混乱中のティアラローズをアルフレッドは流れるような動作でソファーに案内する。部屋には普段見かけるソファーよりも大きなソファーがあり、大人が3人で座っても余裕がありそうなのが向かい合う様に2つ。左右には1人掛けソファーが2つずつあった。…なるほど。お父様が行っていた話し合いとは結構な人数がいそうだね。
大きなソファーに私はお兄様とアルフレッドに挟まれるように座りアルフレッドの隣にはオリーブが座った。それでもソファーにはまだまだ余裕がある。これ…何人掛けソファーなの?!あ。クロードはお兄様の後ろあたりに立っていて、ルーファスとレオナルドは1人掛けソファーに座ってるよ。ふぇ~…お城のソファー凄い。大人でも余裕で転がれちゃうよ…。
「うん。今日は私達にとっても大切な話だからね。」
「?そうなの??」
ニコニコと話すアルフレッドに首を傾げる。この集まりってもしかして魔法には関係ないのかな?なんの話だろ?
アルフレッド達と話しているとノックがされ、皆が立ち上がった。お兄様が礼の体勢をとるのが見えたので、すかさずカーテシーをする。何人かの方が入ってきた音がする。
「ふむ。頭をあげよ。正式な場でないからな。」
ゆっくりと失礼がないように気をつけながら頭をおこすと、目の前のソファーにはサラサラとした金色の髪に青い瞳の美丈夫がいた。隣には茶色の髪を後ろに纏めあげ、茶色の瞳には知性を感じる力強さがある女性がいた。美女と言うわけでもないが滲み出る気品は一級品で、どちらかと言えば仕事ができる雰囲気の女性である。ん~…金髪に青い瞳だから国王である陛下だね。ってことは隣の女性は王妃様ですね。
あ。お父様とお母様の他にも陛下の後ろに黒髪で赤い瞳の男性がいる。
「リチャードの娘にははじめて会うな。私がウィリアム・ダリア。国王をしておる。」
「私はリリア・ダリア。王妃ってことになるわ。」
え?陛下も柔らかい表情と優しい口調だけど王妃様?!どうしたの?めっちゃニコニコしてる…はっ!挨拶っ!
「お初にお目にかかります。私はティアラローズ・アリウムと申します。」
ゆっくりと綺麗に見えるようにカーテシーをし、頭をあげる。
「私はゼノール・デルフィニウムです。宰相をしています。オリーブの父です。よろしくね。」
「ティアラローズ・アリウムです。こちらこそよろしくお願いします。」
にっこり笑顔の宰相さんにもカーテシーをする。
「皆腰をかけてくれ。」
陛下からお声がかかったのでソファーに座ると…。
「ねぇ、ティアラローズ。」
「はい、王妃様。」
「あ。リリアでいいわ。何ならお義母様でも♪私、あなたっ同じ転生者なの♪」
「ふぇ?!」
いきなり爆弾を落とすリリアにティアラローズは固まる。ん?ってことはリリア様ってお呼びすればいい…え?お義母様?!なんで?!ってより転生者?!
「ふふ♪可愛い~♪みてみて固まっちゃったわ♪」
「あらあら♪ティアお口が開いてるわよ。」
クスクス笑うリリア様とお母様…。あ。とりあえず、お口閉じなきゃ。ん。
「リチャード…お前の娘は可愛いな。」
びっくりした陛下がお父様に声をかけてるがお父様はうんうん頷いてる。宰相さんにいたっては私を見たまま何故か固まってる。こてん?っと首を傾げると…うきゃ?!お父様みたいにデロデロのお顔になっちゃった。あ。陛下も。
「これは可愛らしいですね。是非とも娘にほしいですな。」
「だな。アルフレッドには頑張って貰わねばならぬな!ははは!」
「そうですね。」
ニコニコ笑いながら頷いてるけど…あれ?陛下や宰相さんって偉い方だよね?親戚の叔父様とかじゃなかったよね?もう目が前世での親戚のおじさんとかの表情だよね?!あれ?親戚のおじさん…全く覚えてないけどなんでそんな風におもったんだろ?混乱しながらもアルやオリーたちをみるとあれ?目元が赤くなってる。
「????」
「ふふ。ティアラローズ。ティアって呼んでいいかしら。」
「「あ。私も。」」
「…はい。光栄です。」
リリア様の言葉に陛下と宰相さんも同時に喋る。陛下と宰相さん仲良しさんなんだね。
「ティア。私のことはお義父様と呼んでくれないか。」
「うんうん。私もお願いします。難しかったらゼノール様でもいいよ♪」
「陛下っ!ゼノールまでなにを言ってるんだ!」
びっくりしてるとお父様からお怒りか…うんうん。いきなりお義父様ってなんでだよね。陛下をそう呼ぶのなんて無理だよっ!
「ティアのお父様は私だけだっ!」
いや違うよお父様っ!あってるけど、突っ込むところはそこじゃないからね?!
びっくりしてオロオロしはじめるティアラローズ。
「んっん。父上、母上も話が進みません。」
軽く咳払いをしたアルフレッドに陛下達は拗ねたような表情をするが…え。なんでそんな表情?
「すまない。ティア。緊張をといてほしくてつい本音がな。」
え、あ。本音なんですね。
「ティア。あなたに話さなければならないことがあります。私は前世日本で暮らしていました。前世の記憶はハッキリと残っています。ティアはどうですか?」
「え。あ。私も前世は日本で暮らしていました。ですが、私は…私自身のことは本が好きだったこと以外は思い出せません。前世でのことは知識として覚えているかんじです。」
リリア様が少し悲しいお顔をされながら話してくださいました。転生者がこの世界にいることは聞いていましたがまさか王妃様だったなんて…。
「私はこちらの世界に馴染めず、沢山の夫を持つことが受け入れられず悩んでるときにウィリアムに出会いました。この国では一妻多夫で…1人の妻が沢山の夫を持つことを義務付けられてます。それは数が少ない女性を夫となる方が守るという意味も持ちます。ですが、1人だけ一夫一妻でも許されるのが国王です。国王が望めば、一夫一妻だけではなく、国王には側室も認められています。もちろん、側室を持たなくてもいいし、妻にあたる王妃は夫を持つこともできます。」
え?国王ってそうなの?!妻1人でもいいし、複数いてもいい。更には王妃になる方にも夫がいてもいい?!ふわ~…前世とは全く違う…ね。びっくりしてポカーンと口が開いてしまいます。あ。閉めなきゃ…ん。
「もし、ティアが一妻多夫が耐えれないのであればアルフレッドを夫にすれば他に夫を持たなくても大丈夫です。」
「「っ!!!」」
リリア様の言葉にお父様とお兄様がガタリと立ち上がりかけました。が、我慢したみたいです。ちらりと見ると…苦虫を噛み潰したよう顔をしています。
「もちろん、無理にとはいいませんわ。まずはここまでわかりましたか?」
「…はい。」
「では、続けますね。あちらでは結婚は夫1人のみで更には兄弟とは結婚出来ませんでした。ですがこちらでは兄弟であっても結婚ができるのです。子供はあちらのように血で作るのではなく、こちらでは魔力で作るので病気や障害もありません。ですが、妊娠中には沢山の魔力がいるために、沢山の夫から魔力を貰わなければなりません。もし、魔力を貰えなかった場合には流産となります。国王には他のものよりも多くの魔力があるために夫が1人でも可能ですが、他の貴族の場合では不可能なんです。少なくても2人は居なくてはなりません。ここまでわかりましたか?」
「…はい。」
「…もし、ティアはエドワードとクロードがあなたの夫になると考えて受け入れられますか?」
え?お兄様達が??びっくりしてお兄様達を見ると2人とも悲しそうな…苦しそうなお顔をしています。え?なんで?…お兄様達が私に向けていた愛情が親愛以上のものだとしたら…ってか、前世での兄妹から考えたら明らかに好意を持ってくれてるのはただシスコンではなかった?とか?お兄様達を私が受け入れられなかった場合お兄様達は辛いから?…お兄様達が私を本当に好きだったら…結婚でき…る?
ティアラローズの顔はどんどん真っ赤になっていく。その反応をみてリリアは安心したように息を吐いた。
「よかったわ。その様子なら大丈夫そうね。私はそれが受け入れられなくて怖くてよく逃げていたわ。」
「えっと…もし…もしもですよ?私がお兄様達が好きでお兄様達が私を好きな場合はこちらでは結婚できるのですか?」
「ふふ。むしろそれが当たり前なのよ。わざわざ産まれた貴重な女の子を家族が手放したりしないわ。」
…まじですか。なんてファンタジーな…異世界…凄い。
リリアはささっと話を進めるためにあえてすぐに転生者明かしました。更に、王妃の立場では貴族として育ったティアラローズが固くなりすぎて前世の話が聞きにくいこともありあえて初めからフレンドリーに話しかけてます。
もともとこの世界にはいない可愛らしい女の子であるティアラローズとの交流を楽しみにしていたからでもあります。ぶっちゃけ可愛い可愛いティアラローズを愛でたいのであった。
ウィリアムも話からティアラローズの好感度は高かったが会うと想像以上にティアラローズが可愛くて宰相と共にびっくりして国王としてちゃんとしようと思っていたがすぐに娘として欲しくなったので欲望を隠せず愛称呼びに便乗しました。ついでにお義父様と呼んで貰いたくて婚約者候補ではなくアルフレッドも婚約者に…なんて考えちゃってきてます。が、シナリオの強制力から離れるために難しい…だが、リチャードだけではなく私もお義父様と…ぐっ!リチャードめ!こんな可愛らしい娘なんで羨ましいぞっ!婚約者が無理で候補でもお義父様と呼んでくれないかな。なんて考えてます。ついでに宰相も。毎回無自覚にたらし込むティアラローズなのであった。




