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執行部署第二課
コツコツコツ
硬い床と革靴の底が乾いた音を立てる。
足音はある部屋の前で止まった。
ガチャリと音がすると302号室とだけ書かれた個室のドアが開いた。
「仕事だ」
感情のない、無機質な女性の声がした。その声を聞いた湊ユリカは頭だけ女の方へ向けると
「わかった」
とだけ返し、ゆっくり立ち上がった。
ユリカが女についていくと見慣れた顔が揃っていた。
「よお」
「昨日ぶりだねユリカちゃん」
「・・・」
「おはよう」
とだけユリカは返した。
ここは、管理庁直属の機関 「執行機関」四国支部 執行部署第二課の会議室
ユリカは見慣れた顔と見慣れた部屋に辟易としながらも重い足を動かして自分の席についた。