第27話:忘れてしまいたい。
「え?じゃないよ。思ったんだ。俺・・・・・・痲緒梨が好きだ。」
「何言って・・・・・・そうだよ!彼女いたじゃん!」
「元カノとわかれた。気づいたんだ俺、痲緒梨と彼女を比べてた。」
「はぁ?」
「昔の俺、ちっちゃい男だったよな。今もそれはもしかしたら変わらないのかもしれない。だけど、もう一度俺のこと考えてくれないか?」
「え?何言ってるの?」
あたしの頭は錯乱状態だった。
「痲緒梨のこと、出来る限り泣かせないようにする。俺なら、絶対こんなところで泣いてる痲緒梨を一人ぼっちになんかしない。」
「え・・・・・・え?」
「だから考えてくれないか?」
「・・・・・・分かった・・・・・・いいよ。もう一度、付き合ってみようか?」
このまま悟夢を好きでいるのは辛い。
もうこんな思いはしたくない。
あたしは簡単な方向ににげた。
純太はあたしのこと大切に思ってくれてた。
だけど、束縛が多すぎて嫌になって別れた相手だった。
なのにあたしはそれにすがりついた。
辛かった。
ミヨナに言われたことも、追い討ちをかけるように悟夢があたしの前から消えたことも。
みんな全部全部辛かった。
忘れてしまいたかった。
それから数週間がたった。
なんか、本当に純太・・・・・・かわった。
少し、大人っぽくなったのもあるかもしれない。
それになんだか、すっごく気さくになって、まるで友達・・・・・・みたいな・・・・・・。
ある日、あたしの校門の前で純太がまっていた。
「純太!!え?なんで?学校は?」
「今日はちょっとね。」
「さぼったの?」
周りの目がいたい。
「また男替えたよ・・・・・・。」
「ヤリマン女ならぬヤリマオリ?」
「ぎゃははは!!それ、冗談キッツーイ!!」
あたしは思わず黙り込んで下を向いた。
すると、純太はあたしを抱きしめた。
「うわぁ!!」
「勝手なこと言ってんじゃねぇよ!てめぇらに痲緒梨の何が分かるんだ!」
「なにアイツ。」
「頭おかしいんじゃん?」
「いこいこ。」
え・・・・・・今の言葉・・・・・・純太が言ったの?
前は頼りない感じの本当、草食男子って感じだったのに・・・・・・。
「じゅ・・・・・・純太・・・・・・?」
「ったくあいつら・・・・・・て、あ、悪い。痛かったか?」
あたしをぱっと放す。
「ち、違うの・・・・・・その、驚いたし、それに・・・・・・あ・・・・・・りがと・・・・・・ね・・・・・・。」
ぎこちなく右手で左腕を持った。
純太にしてはなれないことをされ、顔が赤くなる。
「ぶっ・・・・・・なにそれ、ツンデレ?」
「人がお礼言ってるのに、わ、わらうとかひどいし!」
そういってこぶしを握り締め、高くかざすと純太の顔を見た。
思わす、手が下に下りた。
「・・・・・・純太の顔、まっかぁ・・・・・・。」
「そ、そうだよ!わりぃか!!」
そういいながら片手で顔を隠す純太。
なんだろ・・・・・・純太なのに。
終わった相手なのに、どきどきする。
なんかかわいいや。
「純太、変わったね。」
あたしのいきなりの言葉に少々純太は驚いたらしかった。
「そうかな。」
「うん。元カノさんが純太をそこまで変えたんだね。」
「・・・・・・は?いや、アイツが俺を変えたんじゃないよ?俺の意思だし。」
「どうかな?」
そしてタタタタッと歩き始めてピタッととまった。
「っ・・・・・・。」
「痲緒梨?」
どうしているの?
どうしてあたしの目の前に立ってるの?
どうしてまたあの時と同じ顔で立ってるの?
あたしはあなたを忘れたいのに。
病院の出来事もすべて消し去ってしまいたいのに・・・・・・。




