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第23話

あまりの事態に言葉を失った広場と、そして何故かドヤ顔を浮かべるエリーナ。

え、何でこんなカオスな状況に……

私は王妃様と話をしに来ただけですのに……

と、私は思わずエリーナに言いたくなりましたが、何とかその怒りを飲み込んで口を開きました。


「……何故貴女がここにいるのでしょうか、エリーナ。貴女はここへの入り口は許されていないはずですよ」


「ふん!そんなの貴女を裁くために決まっているじゃないですか!」


堂々とそう私に告げたエリーナ。

ですがその言葉の意味は一切私にはわかりませんでした。

いや、本当に何の話なんでしょうか……

それとエリーナは王妃様が貴女をかなり冷たい目で見ているのに気づいているんでしょうか?

いや、気づいていませんよね。


「……一応聞かせていただきますが、私が何をしたと言うんですか?」


「何ですって!お父様とお兄様にしたことを私は忘れていませんわよ!」


「えっ?」


うん、全く話が分かりません。

何の話なんでしょうか……

そして思わず混乱する私にさらに激昂してエリーナは声をあげました。


「覚えていない!貴女はどれだけオートスレイ家を馬鹿にすれば……」


「あっ!」


ですが、そのエリーナの声に私の頭にある記憶が蘇りました。

それは初めてマートラスに渡った時、強引に自分と婚約しろと迫って来た男が来たことを……

断るとストーカに変わって追い回されたことを。

ついでにその男に関してはロミルに命じてその家の弱みを握り、迫ることをやめるように言いましたが、それは意味がありませんでした。


「おい!マートラスの貴族である私達にどんな無礼を働いている!」


オートスレイ家の当主だと、そう名乗った男が乗り込んで来たのです。

それからつべこべ言わずに息子と婚約を結べと怒鳴り散らして来て……


「問答無用で弱みを周囲に公開して、その後オーストレイ家は男爵の身分まで一気に落としたような……」


そうでした。

そういえばそんなことがありまたね。

けれども、オートスレイ家には娘がいるなど聞いていなかったのですが、と一瞬私は思いかけてですが直ぐにその懸念は頭から飛んで行くことになりました。


「弱み?嘘つかないで!卑劣な手段で貴女はお父様を嵌めたんでしょう!私はそう聞いているわ!」


「はぁ……」


そう、エリーナが騒ぎ立てたのです。

……うん、大体わかって来ました。

恐らくエリーナはおかしな勘違いをしているのでしょう。

頭は弱そうだし、思い込みも激しそうです。

まぁ、見るからにその程度の人間ですからね……


「王妃様、この可哀想な子を連れ出してもらっていいですか?」


「っ!人に向かってなんて……」


「……申し訳ありません、シリア様。根は決して悪いわけではないんです。馬鹿で頭が足りなくて、そして馬鹿なので、自分が何を言っているのか分かっていないだけなんです」


「王妃様!?」


「えぇ、わかってますよ。馬鹿なことだけは」


「この……」


私と王妃様の呆れを隠せないやりとり、それにエリーナは面白いほどに動揺しました。

正直、こう翻弄されている間はまだ面白いんですが、暴走し始めると本当にめんどくさいです。


「黙りなさい」


「っ!」


そしてそのことを王妃様も聞いていたのか、酷く冷たい口調でそうエリーナに告げました。

その瞬間、エリーナはまさか自分が怒鳴られるなんて思っていなかったのか、大きく目を見開きました。

私はそのエリーナの態度に、幾ら家族を男爵の身分まで落とされたとしても、恨みが過剰なように感じて首を傾げました。


「そんな!王妃様、本当にこの女は……」


……ですがその考えはエリーナの態度に霧散していきました。

こんなに私に敵意を抱く理由、それはエリーナが馬鹿だからですね。

もうそれでいいです。

あながち外れてもいない気がしますし。


「……エリーナ、それ以上シリア様のことを侮辱するならば貴女を不敬罪で追放しますよ」


それは王妃様も同じ考えだったようで、王妃様は冷たく吐き捨てました。

ですが、未だ当の本人はそのことをわかっていませんでした。


「なっ!なんで分かってくれないんですか王妃様!」


心底何が起きたのか分からないという表情でそう叫ぶエリーナ。

うん、それは私達が貴女に聞きたいことなんですが……

当たり前ですが、そのエリーナの言葉にもう王妃様は反応を返そうとさえ、しませんでした。


「っ!だったら、そこの騎士様!」


ーーー そして、王妃様が味方についてくれないと悟ったエリーナは暴走し始めました。


その瞬間、私の中で何かが切れた音がしました。


「……貴女、なに勝手に私の騎士に声をかけておりますの?」


「ひぃっ!」


今まで私を見下すような態度を取っていたエリーナ、ですが今度ばかりはその態度を保つことはできませんでした。

本当にこの女はどれだけつけ上がればいいのでしょうか?

もう私も我慢の限界です。

ここまで我慢したのだからなにをしてもいいですよね?

そう、私は暗い笑みを浮かべて歩き出して……


「わ、私は負けないわ!この騎士様もかっこいいから貴女に愛人になるように強制されているんでしょう!いつか悪事を暴いてやるわ!そう、どうせ貴女だってこの騎士様に手を出しているんでしょう!


ーーー この場所に婚約しに来た貴女が、この騎士様に手を出すことは許されないんだから!」


「っ!」


……しかし次のエリーナの言葉、それに私は思わず言葉を失うことになりました。

更新昨日遅れてしまい申し訳ありませんでした!

少し話の展開で悩んでおくれてしまいました……

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