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★☆約束の彼方に 10
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苦し紛れに出したパスがカットされる。
敵の四番と七番がそのまま走り出す。自陣には危険を察知した吉本先輩がいち早く戻っていた。しかし二対一だ。吉本先輩の必死の守りも空しく、ゴールを奪われてしまう。
デジタルタイマーに浮かぶ赤い数字は、残り八分を切っている。点差は十二点差まで開いた。
ベンチに控えている誠と剣持先輩が、声を枯らして叫ぶ。
「透、集中してくれ!」
「お前はそんなものなのか」
生き恥をさらし続ける俺は、ベンチにいる木室さんに助けを求める。そこにあえるのは無表情だ。視線が合う。だがその瞳はなにも語らない。
俺はついに立ち止まってしまう。もう走れなかった。こんな惨めになるのは、もう止めにしたかった。




