隠れ鬼。
「じゃあ数えるよー…」
明るく朗らかなソプラノ。後ろを向いてしまって、少しくぐもってはいるけれど、大好きな華子の声だ。
わたしたちはセーラー服がやっと着こなせるくらいの年齢。
今からやるのは小学校で卒業したと思ってた隠れ鬼。
ことの始まりは華子のすきな人がこの遊びをやろうとしていたから。
「なにやってんのーー?」
華子は橋の上から、草のたくさん生えた土手に向かって大きな声でこんなふうに叫んだのだ。
「隠れ鬼ーーー!」
あちらからはこんなふうに返って来て、華子は「わたしたちもやりたい!」と返したのだった。
じゃんけんの結果、華子はやりたかった逃げ役にはなれず鬼役になってしまった。
華子はセミロングの黒髪の毛先を指に絡めて少しすねた顔をしていたけれど、すぐに明るい笑顔になって大きな声で数え始めた。
さあ、どこに隠れよう?
なんとなく、幼なじみが自分以外の子を一番最初に見つけるのは癪だった(この気持ちは嫉妬と知っていたけれど)。
幼なじみだもの、華子が一番先に探すところくらい把握している。
華子はいつも草むらの陰とか、石の陰とか、日陰を探すんだ。
さあ、華子、わたしを一番先に見つけてね。
わたしの大好きな人。
久々に書いたらグダグダでした。
難しいですね。こんなんでも見てくれる方がいてくれたら嬉しいです。