表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
馬鹿王子  作者: よもぎ
6/11

馬鹿王子6

6話目。

 もうろうとする意識の中で、声を聞いた気がした。


 ―――――――レオ兄、エルは大丈夫だよな?


 いつもの発作だから大丈夫。


 ―――――――俺の心臓、帰ってくるよな?


 意味が分からない。ああ、馬鹿王子だからか。


 そう思っていると、体がふわりと浮いた。


 ―――――――全く、父上も父上だ。子どもの情操教育まで放棄しやがって。


 えっと、それは私も同感です。


 心の中でつっこんでいるうちに、何か柔らかいものの上に寝かされた。


 ―――――――レオナルド様。

 ―――――――どうした。


 あ、兄様の声。


 ―――――――それが・・・・・。


 ひそめられた会話は、私の耳には聞こえなかった。体を起こしたいのに、私の体は馬鹿みたいに重くて、指一本上がらない。ああ、馬鹿王子と言えない。私の体も馬鹿なのだ。ただ息をすればいいのに、ヒューヒューと風が抜けてしまう。


 ―――――――気管支炎の患者はここか!!


 意気揚々と聞こえてきた声。


 ―――――――何をしている!!まずは服を緩めるのが基本だろ!!


 そういって、首元にかかる手。


 あ、やめて!!ばれる。いくら私が細身でも、服を緩められたらばれる!!


 男しかいない軍に入るには、当然、男装する必要がある。もちろん、私も例外ではない。


 ――――――ローランド、今から見ることは、お前の胸のなかに秘めておけ。


 レオナルド様、さすがです。


 ――――――そのほうが、おもしろいものが見られるからな。


 前言撤回。やはり、この国の王子だ。一癖も二癖もある。


 こうして、私の秘密をしる人間が増えるのだった――――――――。



*********************************************


「ほう、あれは女だったか」


 テントの影、黒ずくめの男がにやりと笑う。


「男装させてそばにおくとは、あの狂王子もなかなかのものだな」


 今回は失敗したが、次こそは―――――――。


「我らは獲物を逃がさない。狂王子、その命、必ずいただく」


 闇の中、男の姿はいつのまにか消えていた――――――――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ