生の理それは休日開始
あ・・・れ? なんか一年くらい経ってる・・・? 天狗じゃ! 天狗の仕業じゃ!(※天狗:ミレニアムの少女→逆転裁判5→MH4→PSO2(糞ゲ)→艦これ(大和は出ない)→とびだせどうぶつの森←イマココ)
流石に自分達屈強な冒険者(もしかして:強盗)でも、纏った休日は必要である。
毎日規則正しく集団行動(迷宮潜る、血がドバー、肉べチャー、金品強奪の後、はじめに戻る)。
週休2日の9時~5時。
元世界にいた頃より絶対的に健康的な生活サイクル(刑務所生活に似ている)。
体は健康そのものでも、コレの繰り返しでは流石に心が死んでいくのは仕方なく。
・・・そんな日々を送り続けてたら、そりゃ心が渇くわ。
戦いは飽きたのさ・・・。
つくづく「人はパンのみで生きるにあらず」というのを実感する。
・・・自分的にはやること多くて(能力と技能数の兼ね合い的な)、逆に休日あっても普段の日々と大差ないのだが。
さて、ワープポータル修理完了で行くも帰るも自由自在な現在。
本来なら黒竜さんのお住まいな最下層のみをグルグルと虱潰しにして効率最優先の押し込み強盗畜生働きをするだけの簡単な作業が始まるはずだったのが。
件のお手紙のお陰でそれを封じられたのが地味に痛い。
差出人不明(笑うところ)の、その手紙。
バラバラな筆跡で書き綴られた、八つのメッセージ。
文言違えど内容同じ、な、それらを要約するなら。
「私たちのことも、どうか忘れないでやってください」
どう考えてもコレ、二~九層の主達からの嘆願書じゃねぇか。
チクリチクリと「千年も待ったんだから、待つのには慣れていますが」とか書いてあるのがイヤラシイ事この上ない(具体的には最後のメッセージ。 順番的には薄幸の人か。 血を吸う系の)。
そんなん言われたら、ねぇ?
あ、ちなみに一番達筆だったの、四番目の人だった・・・順番考えると、魔王スライムさん・・・?
「んな訳で、たまには観光とか買い物とか散策とか飲む打つ買うとか。 旅行者なことをしたいのです具体的には一週間ぐらい」
いつもの酒場のいつものテーブル。
ひと風呂浴びてからの夕餉の時間。
自分の酒蔵(酒用無限袋)から好き勝手に持っていったアルコール達で喉を潤し、更には色々貪り食う欠食児童達に、そんなことを提案してみた。
なんだかんだで、その、なんだ、そろそろ女性陣のゴニョゴニョ周期も来るっぽいしな!
「・・・ズバッと生理と言えばいいんじゃない?」
今更ボカす必要なかろう、とばかりに異性の親友が呆れ顔。
そだね、ではお勧めに従って女子連中の生理休暇の側面も加味して、と自分は声高らかに叫んでみよう。
「この場に集った関係ない皆も、聞いてくれ! コイツラそろそろ生「「ヤメテッ」」」
なんだよぅー、言えと言ったり止めてと言ったり。
あ、それは、その、アレか。
押すなよ! 絶対に押すなよ! ってアレか。
よぅし、それじゃ早速オペラ調にデッチ上げて格調高く謳い上げてやろう!
「とりあえず飯食ってる時に生理生理と連呼すんなー」
そう言いつつレザードが、高らかに(生理を)叫ぼうとしていた自分の喉を無造作かつ瞬間的に摘んで捻る。
変な感じに呼吸を散らされ(「かっひゅ」とか口から漏れました)、自分は物理的に黙らされてしまった。
なんという手慣れた手つき・・・ま、まさか、夜の大人プロレスでリョナに目覚めてしまった末に編み出した技術とかかっ! 恐ろしい子ッ。
自分は大いなる恐怖とともにレザードとナガ吉に視線を移し。
「このアブノーマラー共めっ」
と、吐き捨てるのだった。
「・・・?? ん、確かにワタシには生えてないけど、何をそんな当たり前なことを?」
「えっ?」「・・・えっ?」
ナガ吉が自分のセリフの何を拾ったかわからず、首を傾げざるをえない。
生えてない・・・。
なにが・・・ナニが?
・・・あ。
まさか。
「アブノーマルな連中って意味でアブノーマラー言っただけで、決して アブ NO 魔羅 って言ったんじゃねぇよ!」
NO 魔羅。
ち○こ はえてない。
その発想はなかったわ。
流石ナガ吉、お前もしかして天才じゃね?
でもその両拳をYの字に掲げたガッツポーズは流行らない。
「・・・ちなみにアブを腹筋って読むと、腹筋は おニンニンでは ありません みたいになるね」
むふー、と、無意味にデカイ胸を張り(「チッ」と痴ロリンが舌打ちした)お馬鹿なことをほざき出す異性の親友。
あと、おにんにんとか言わない。
「・・・じゃあ、ティンボゥ! とか? あ。 ティンポゥ!にするとマイケルジャクソ○みたいだよね。 ポゥ!」
「うるせぇ」
思い出したように乗ってくるから油断できんなコヤツ。
「流れで俺がリョナスキーにされてるのは突っ込んでいいのか?」
「ナガ吉にいつもサードフット突っ込んでる人が何言っておわアブね無言で心臓盗みしようとすんなやめてください死んでしまいます」
そしていい加減「えっ、お前、心臓抜いたくらいで死ねるの?」みたいな顔はおやめください。
そんな感じの脱線話が途切れるのを待っていたのか、タイミングを見計らったように声がかかる。
「最近黒竜の旦那を虐めすぎてる気もするし、休み、いいんじゃね?」
一番の対黒竜さん虐めっ子であるところのシオンが、真っ先に賛同してくれた。
彼自身も、流石に血生臭いことには飽きてき「ワチキは、やることも思いつかないんでタイムアタック続行するかなぁ」黒竜さん逃げてー。
「んー、いきなり休みといわれてもなぁ」
俺もシオンに付き合ってタイムアタックくらいかなぁ、と、つぶやくレザード。
・・・おい小僧。 お前さんは、やることがあるだろうに・・・。
回りくどい言葉はレザードに認識されないため(直接的に言っても聞いてない時があるので侮れないが)、自分はストレートに言い放つ。
彼のイスをかって出てる、もう一人の友人に向けて。
「ナガ吉。 明日以降、その脳筋と、がっつりデートしておいでー」
「・・・その言葉が聞きたかった!」
要は、夜な夜なエロっちいことばかりしてるだけじゃ物足りなかろう、ということなのです。
たまにゃ健全にイチャツくべきなのです。
そして、自分達はそれに巻き込まれるのはまっぴらごめんなのです。
リア充の砂糖に巻き込まれて死にたくない、死にたくなーい! なのです。
と、いうわけで二人きりにさせてやりたいのです。
隔離。
こっちみんな。
「あー、俺の意志は?」
「行きたくないとかほざくなら、自分はお前に酷いことをする。 とても酷いことをする」
てーか、少しは嫁孝行してあげてください。
別段、ナガ吉だって血に飢えた脳禁じゃないのよー。
それほど好き好んで押し入り強盗に協力してるんじゃないのは知ってるでしょうに。
主に寝物語り的な対話でさ。
「なんか気ぃ使わせちまったかな。 ありがたくイチャつかせてもらうわ」
「・・・YES!」
歓喜の肉椅子に背後から全力拘束される色男に祝福を。
具体的には。
死ななきゃいいね、今まさに物理的な意味合いで。
何か悲鳴のようなものが聞こえたが、きっと気のせい。
ってか、貴様らがイチャついていなかった記憶が無いんだが。
「ふむ、たまには骨休めというのも悪くないですな」
ウチは何しましょうかねぇ、と、ジオも休日に賛成の様子で。
で、なにするん?
お前さんの好きな古本屋巡りとか?
・・・あるのかね、そもそも、本屋という概念・・・。
そういうのも含めた町探検と言うことで、いいのかも知れないけど。
「オレなんかは、まんまシオンの旦那と同じようにやること思いつかんのだが」
寝て食って飲んで終わる休日ってのも、なんだか味気ないしなぁ、と、マックス。
まぁ、かといって剣士二人のタイムアタックっていうのも味気ないといえば味気ないけど。
そもそも。
まだお前等二人とも、回復魔法とってないじゃねーか・・・。
ポータル復活で最下層だけアタックできたとしたって、一部屋二部屋で息切れして終わるんじゃね?
「回復は最後でよくね? ワチキは特殊技能系取るのがロマンなのだが・・・魔眼とかこう、その、なんだ、良いだろ?」
「オレ的に、飛行が第一のロマン。 強化系が第二のロマン。 そして最後にチート臭い回復」
「ロマンを語るんじゃなくて反省を述べろと言いたいのだがな、自分は」
ンモー。
どうしてくれようこの脳筋ども。
<黒粘体>が効果絶大すぎて危機感が薄いんだよなぁ・・・。
おい同士エイジ、ちょいとコイツラに心の肺腑を抉る諫言をばひとつくれてやってくれないかー、生死は問わんから・・・っと、おやや?
「そういや、エイジと博士が見あたらないけど、どっか連れション?」
話の通じない脳筋共はもう放っておくことにして。
残りの研究親子に休日どうでしょうの意見を聞きたかったのだが。
おかしい、見あたらぬ。
「はーい。 あの二人なら、メリっさんが休日云々言う前に肩並べて出て行きましたー」
骨付き肉を片手に、もっしゃもっしゃと良い食いつきのエリスが行方不明者の行方を知っていた模様。
でかした痴ロリン、サイダーのオカワリをやろう。
「わぁい」
自分は、痴ロリンを適当に甘やかすと。
どうせくだらないことで親子喧嘩してるのであろう困った二人を捜しに、席を立つ。
そして。
・・・。
酒場の外。
道から少し離れた、路地の入り口あたりで。
クロスカウンターで壮絶に相討ったであろうダメな義親子を、発見。
力の博士、技のエイジ。
双方相打つ、升の字みたいな惨状に。
自分は呆れ顔で声をかけた。
「明日から一週間ほど、迷宮入り休みねー。 生理休暇」
「「了解・・・」」
「一応聞くけど、治す?」
「「いや、お気遣いなく・・・」」
「はーい」
風邪引かないように程々にねー。
自分は即時、その場を撤収。
酒場に戻ると、サイダーの空き瓶を残してエリスの姿はなく。
まぁ、あの子はあの子で好きに過ごすかねぇ。
と、飲み足りずにテーブルに残るのんべぇ連中に別れを告げ、自室に向かうのであった。
いつものごとく起床。
習慣付いた早朝トレーニングをこなして、いつものテーブルに朝食を運び、いつものごとくに皆と食事である。
普段と同じくバカなことをホザいてはツッコミを食らい。
そしていつもと異なり、皆思い思いの方向へと散っていく。
さぁ、久しぶりにのんびり過ごしますかねぇ。
・・・欲を言うなら、可愛い彼女でもいれば最高だったんですがなぁ。
どこかそこら辺に転がってないもんかなぁ、そういうの。
なんて。
そんなくだらないことを口走ってたら。
「こ、ころりん」
可愛らしい? のが、地べたに転がっていた。
トリプルアクセルからの五点着地とか、無駄な技能の高さを見せつけよるわ。
全く無駄のない洗練された無駄な動きであった。
ぶっちゃけ、痴ロリンが転がってきた。
「・・・身銭切って笑い取りに来なくても、いいんだよ?」
休日だしな!
と、恥ずかしそうに赤面した妹分の手を取って引き起こし。
服に付いた埃をハタいて、さぁ完成。
腐臭が漏れなければどこに出しても恥ずかしくない素敵型妹分の完成である。
「おっ、今日の服可愛いね。 いつ作ったん?」
朝食の時とは違う、見慣れぬ服装。
エリスの外の人的には、若干高めの年齢を思わせる。
子供子供していない、しかしフリル多めな感じ。
・・・なんで、この服で五点着地とかしたのさ・・・。
芸人魂を育ててしまった自分にも責任がある気がしてきた。
反省。
「え、あ、はい。 ここに来る前に、その、西の子供達の服作ったときに、一緒に」
えへへ、似合ってますかー、と、はにかむエリス。
なにこの可愛い生き物。
いやぁ、休日開始早々いいモン見たわー。
「似合う似合う。 元がハイスペックだから当たり前だがなー。 おじさんはこの子が誘拐されないか心配です」
まぁ、危険など無いだろうけど。
ゴロツキどころか、軍隊相手でも勝ちますわよ、この子。
ヲホホ。
っと。
んじゃ、自分も休日満喫しに行きますかねぇ。
エリスも余り羽目外しすぎないようにねー。
「はいー、って待てやー!」
自分の脊椎に突き刺さる一本拳。
ぐああ、なんばしよっとですか、と振り返ってみると。
自分を恨めしげに見上げる痴ロリンの姿が。
「Q:可愛い女の子が転がっていました。 彼女が転がっていないかなぁと言っていた貴方は、どうしたいですか?」
「A:10年後に気が変わってなかったらオイデ?」
その後。
ガチの殴り合いの末、恥ロリンのお供をすることになりました。




