拷問それは胡麻の油を搾るように
もうちょいねちっこく書けるようになったら差し替えますねー(予定は未定)
ほどほどに生気を取り戻した不確定名:竜人。
目覚めた彼に「おっす、おはよう」とばかりに手を挙げて会釈するレザード。
馬車に単純脚力で追いついた挙句普通に扉からスマートに侵入して、驚きに身を固くする竜人に「貴様を拉致る」と一言宣言有言実行。
で、瞬間的にボコって(忘れられがちであるが、レザードこと外の人の職業は「格闘家」である。 自分も良く忘れる)、今に至ったわけで。
そんな押し込み暴行拉致犯にニコヤカに会釈されても「くっ」と、言葉を詰まらせるしかないのは、まぁ、中身が出来てる証拠かもしれない。
苦も無く自身を拉致した奴の他、得体のしれない連中に囲まれている事を目覚めた瞬間知覚したのであろうからね。
そんな頭の回転の速さと、変にプライド高そうに「殺すがいい」とか言い出さない素敵内面に内心ニヤニヤしつつも、自分は顔を笑顔に歪めて尋問モードに移行。
「さて、服装やら態度やらから、ここら辺の文明圏の支配階級的な方とお見受けしますけど・・・いきなり殺しにかかってくるのはどういう了見ですかブチ殺すぞリザードマン亜種」
と、超友好的に。
まだ無事な片角掴んで逃げられないようにしつつ、目を真直ぐに見据えて「自分等怒ってますぜプンプンッ」と言う可愛らしい意思表示。
喧嘩は最初の一撃が肝心って誰か言ってた。
どうしよう、このままの流れで顔地面に叩き付けてヤスリがけするべき?
「・・・グロ禁止」
実行直前0.02秒の辺りで、ナガさんにのんびり制止される。
おおっと、これだから付き合いの長い連中は。
でもまぁ、ありがとう。
超絶いまさらなんだけど、もうぶっちゃけ余計なお世話レベルだとも思うんだけど。
好き好んで未成年者にグロ画像見せちゃだめだよね!
「今、痴ロリン絶賛気絶中だがな」
「なぁんだ。 ヤスリがけー」
今にも飛びかかって片角さん(仮)を細切れにしそうなマックスの指摘により、ストッパーが無くなったので即時実行。
ザリザリザリザリ、と、いい感じに削れる彼の顔面。
あれれ、鱗装備のお顔も案外気楽に剥けるのね。
使わなくなると退化するっていうアレだろうかね?
そんなペロンと剥けた顔の痛みに悲鳴を上げそうだった彼のデカい口の中に、指を変身させた太い触手ぶち込んで騒音基準もクリア・・・行き場のない呼吸音で牛みたいに鳴いちゃうのは仕方ないよね。
と、同時に、目配せだけで女性陣を馬車方面へと避難させる。
迅速に箒に跨り、ぐったりしたエリスを小脇に抱えて飛び去る仕事の早いデキル女ことナガさんを見送りつつ。
自分は、表皮やら鱗やらをマダラに剥いで血に染めた片角野郎の顔を、再び自分の目の前まで引き上げた。
再び目を見る。
宿るのは、怒り。
口を見れば、モゴモゴと。
「この下等生物がぁー」とか毒づいているんだろうなぁ触手フェラりながら。
うん、素敵だねその反骨精神。
発揮する時を選べば、なのだけど。
自分は再度、片角の顔をヤスリがけ。
若干先ほどより丁寧に、まんべんなく。
うどんを捏ねるように、力強く。
リズミカルに、ワンツーワンツー。
地面がだんだん面白い破片とか謎液体で練られて行く様は・・・小汚いなぁもぅ。
何ビクンビクンしてるんだよこのくらいで自分なんか斬る突く焼く凍る爆ぜるその他諸々喰らって平気で笑ってるんだぞ外の人マジパネェ。
避けそこなったりしたら即時スペるようなのが結構な頻度であるんだぞ畜生自業自得にしたって度が過ぎるおかしいですよカテ○ナさん!
あ、思い出してたら腹がたって来たので捻り追加。
べ、べつに八つ当たりなんかじゃないんだからねっああ、嘘だとも!
っと、そろそろ頭蓋骨が綺麗に見えて来たかなー。
んー、今度専用器具作っちゃおうかなー。
素直なお話合いが出来るようになる素敵機械「丸剥き頭部君」とかって感じで。
形状は回転式のピーラーでいいか。
枯露柿とか作れる感じのやつ。
「うわぁ、えげつなー」
「ヤバそうな場所に<回復>及び痛みで気絶出来ないように<平静>かけながらの質問無き拷問続行か、流石同士。 <外道スライム>健在なり、だね」
「注意。 このお話にはグロ表現がございます」
「注意遅ぇよ」
マックス、エイジ、シオン、レザードが、地面に穴を掘りつつこちらを見て茶々を入れてきていたけど、くそう、止まるんだ自分の両腕! 暴走が止まらないっ!?
あ、もうちょっとこの平面綺麗に出そう。(職人魂に火がついた)
そんなヤスリがけが数分間続き、彼の手足の痙攣が小さくなった辺りで、三度目のご対面。
やけに平面的なご尊顔になられました竜人様におかれましては、ねぇ今どんな気持ち?
意識を失えず、かつ削られては盛られ、削られては盛られを繰り返したその先。
狂いたくても狂えない、気絶も許されず、常に新鮮な痛みに苛まれ続けたその先に。
純粋に怯えの色が、浮かんでいた。
ふむ。
・・・念のためもう少し、心を折っておこうか。
自分は、再度ヤスリがけを行う事にした。
その後、マックスから「メリっち、もうそこらへんでやめといてやりなよ」と制止されるまで、何度も、何度も、何度も、何度も、自分はヤスリがけし続けたのだった。
・・・良かったね竜の人。
マックスに殺されなくて。
他人の傷口に塩することは出来ない奴だしのぅ・・・ククク、計算通り。
しかし、思ったより根性なかったなぁ。
全身火傷でも根性で生きてたノナさんくらいの精神力の持ち主は居ないものかー。(無茶言わない)
その後。
とても素直になってくれた竜の人から、西の現状を教えていただいた。
ちなみに取り巻き三匹は顔だけだした状態で埋められた。
竜から派生した種族、竜人に統治される王政国家が樹立、その他種族を隷従させて繁栄を極めているとか何とか。
で、今、正座して自分達に事情説明してる方が、ここら辺の領主だそうで。
王都からの帰りに管理区域以外で奴隷的な集団を発見した為、自領地法に基づいた処理を行うつもりだった、と、後悔で塗りつぶされた供述をしております、ザマァ。
運悪く自分たちと絡んだがウヌの不運よ・・・。
スルーしてればこんな羽目には・・・しばらくはならなかったであろうものを。
んでもって。
馬車の御者さん見る限りにおいて、この国奴隷の扱い酷過ぎませんかい? と、尋ねてみれば。
「・・・」
正座トカゲが目を泳がせて言葉少なになりましたので証人に出廷していただきましょう。
金具固定及び薬物使用にてロボット的に改造されていた御者さんです。
癒し既知外のドス白い力により、完全復活を果たしたナイスガイです。
「カクカクシカジカ?」「マルマルウマウマ!」
はい、貴重な証言ありがとうございましたー。
あとはこっちで処理しときますので、あちらで女性陣が作ってる物でもお食べになってお待ちくださいー。
自分はにこやかに証人を遠ざけると、何故か細かく震え出した正座トカゲを見下ろした。
さ て 。
ど う い う こ と か な ー ?
聞いてた情報、嘘じゃないけど意図的に絞って語ったね?
「今の証言についてですが・・・何か異議がありますか?」
「・・・」
「異議なし、と。 で、この国としては奴隷の開放は済んでいて、しかしながら自称真の竜人王の貴方が奴隷は今まで通り扱うべしと強硬に自治領にてハシャイでる、と。 ここまで、何か反論等有りますか?」
「・・・」
「で、その事について奴隷解放した現王・・・息子さんにガッツリ怒られて帰って来た時に、丁度通りがかった竜人以外な自分たちが居たので八つ当たりしようとした、と」
「・・・」
「異議、無しですか?」
「・・・うむ」
うむ、じゃねぇよ糞トカゲ?
ギルティ・・・圧倒的ギルティ・・・。
こりゃもうチョイお話しないといけないかなぁ、いやぁ自分もご年配の方に狼藉を働くのは心が痛むんですけどひとまずはソフトに逆剥ぎからでよろしいでしょうか?
「おーいメリウー、子供が泣きそうな笑顔でペンチ的工具カチカチやるのはやめれー、超こええー」
似非法廷を見物していたシオンが、ポップコーン齧りながら適当にツッコんでくる。
同時、食べきってしまったのか空になった紙容器を逆さにして、この場からフェードアウトしていく。
歩き去る方向からすると、御者さんと一緒にガッツリ腹に何か入れる気のようだ。
ちょっとしたグロ光景だったけど、あの野郎眉一つ動かさずにいたのは内緒だ。
正直、我らメンツのリーダー殿がこのトカゲの拷も・・・お話し相手だったらどんな光景が展開されていたのか想像できない辺り流石である。
予感的には、自分でも吐くかもしれない。
「俺もあっち行くわー、時間かかる・・・かけるだろ?」
見てて楽しいものでもないしなー、と、レザードがシオンの背に続く。
確かにお子様にはお見せできない骨肉空間になります。(確定的に明らか)
後、別に言い直さなくてもいいのよ?
まったくもってその通りだけど。
「じゃ、やろうか同士」
あれ、エイジは席外さないでいいの?
腑わ・・・お話聞くのは自分一人で平気よ?
「まぁまぁ。 たまには僕にもヨゴレ役やらせてよ。 後、ぶっちゃけ僕、人格者の御老人は敬うべきと思うけど老害は大嫌いでね?」
あっちの糞爺も早く穴と言う穴から血とか腐汁撒き散らして苦しみぬいてから死なないかなー、あ、同僚の教授の事なんだけどね? と、続けるエイジ。
なんという実感に満ちた言霊を吐きやがる・・・。
でもまぁ、了解。
んじゃ、同士にも存分に汚れて貰おうか。
「・・・また、削る気か?」
正座トカゲ爺が、先ほどまでのフレッシュ苦痛エンドレスを思い出してか、力なく言葉を絞り出す。
いやだなぁ、ははは。
そんなソフトなもので済むわけないじゃない?
仲間内から「敵に回すと何されるか考えたくないレベルで酷い事する(断言)」とご好評いただいている我ら自由石工たちは。
「「お気の毒ですが、貴方は死ねません」」
四方を土壁(レシピ作成、外から見るともはや鋼○錬金術師的な何か)で囲いつつ、エイジと自分の台詞がハモる。
・・・「脱皮完了」「なかなか尻尾抜けないね」「ヘッドの部分だけ二股に切り分けようか」「肋骨無いとこんなになるんだね」「ちょっと胃に穴開けるねー」「脾臓って取ってもいいんだったっけ?」「皮膚全体を覆って痛い痒い気持ちいいの刺激をランダムに与えてみるね」・・・
声なき声が、土壁の密室に木霊した。
彼の救いの神には届かない声が。
数時間後。 途中参加のジオも含めて、自分たちは竜人の身体構造を熟知するに至った。
個人的なお勧めは肩関節周りのギミック。
羽があったときの名残か、若干変形しそうな構造をしていたんだよねカッコいい。
ああ、あと色々なお話をお聞きする事が出来ました。(とってつけたように)
この後、正座トカゲ引きずって息子さんと対面した際に引き出した情報全てお伝えしたら、西の国各所、水面下にてクーデター目論んでた連中に対し血の粛清が断行されたそうですが、それはまぁ、権力移譲期のファンタジー国政にはつきものと言う事で。
かくして世は事も無し。
めでたしめでたし。
あ、言い忘れてたけど今回微グロかもしれませんのでご注意を。(「だから遅いって」)
人間って、残酷でしてよ?