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上陸そしてイベントで

すっかり上げたつもりになってたぜフゥハハハァー(訳:遅れましたゴメンナサイ)

懐かしの元・西海の底から飛び出した先。

「とりあえず世界一周しようぜ!」とかほざき出したマックスを「一応人目を気にしろってかお前だからね最初に人目云々言ったのって!?」と、皆でツッコミ倒し、自分達は徒歩にて東に進んだわけだが。

歩き出して一時間も経たない辺りで、ひょっこりと現れる石畳の街道。

カミソリ一枚入らぬ精密さ、とかのレベルにはないものの、十分に実用に耐える、というか実際に使い込まれている生活道路であった。

おおっ、と、文明の残り香に沸き立つ一同。

見給え、人類はまだ衰退しきっては居なかったのだ・・・等と偉そうなポーズを取っていたりして巫山戯ていたところに、ジャストタイミングで通り掛かる馬車。

「おお、見た感じ凝った作りの馬車だコトッ」「ひとまず脇によけて平伏とかしたほうがいいのでしょうかね?」「いやいや、乗ってるのがモヒカン的なのだったらそのまま轢き潰される流れじゃね、それ?」等など、通りがかる馬車の進路を邪魔しない程度に脇に避ける自分達。

まぁ、そのまま行き過ぎるだろうけどね普通。(異形の衣服に身を包んだ集団・・・かつ、数人が竹箒を装備・・・、関わり合いになりたくない集団であろうことは想像しがたいことではなかろう)

なんて思ってる自分をバカにするかのように。

ピタリ、と。

馬車が、止まる。


あれぇ?




ワリと大人数といえば大人数な自分達集団の前に止まった、その馬車。

御者は微動だにせず、ただ前を向いている。

正確には、微動だにすることができない、が正解なのだろうが。


「酷いですな」

一言、皆の感想を代弁して吐き出すジオ。

この御者を見れば、誰でもそう思うわなぁ。

だってさ、この人・・・御者台に拘束金具で固定されてるんだもの。

動かせるの、ほぼ腕だけじゃね? ってくらいの拘束っぷり。

そして、よくよく見れば。

御者の人の目は・・・死んでる。

アニメ的に言えばハイライト消した感じに。

う わ ぁ 。

どう考えても真っ当じゃねぇわなぁ、乗ってる奴ら。(既に複数人の気配を察知しておりますれば・・・自分等全員)

ってことは、そんなのが乗った馬車が止まるってことは。

中から変なのが出てくる流れ、だよねぇ?


「見慣れぬ格好の奴隷がおるのだが、これはどういうことかね?」

パタッと、窓が開き。

面差し鋭い異形が、視線をコチラに寄越した。

リザードマン、というにはコンパクト過ぎるし、頭に生えてるご立派な角がまるで別の意味を示す感じで。

言って見るなら、竜人、って感じの造形である。

・・・竜って、こんな人に近しい変身とか、したっけ?

あ、まさか、新種族ってやつかね?

などと考えつつ、自分は内心ため息をつく。


この流れは、つまり、ココらへんの国は知性有る魔物の国で。

南とは別な感じで、普通の人間とかが奴隷として使役されてるって感じなのかね?


不確定名:竜人の男 は、フイっと自分達から視線を外すと、窓を閉めた。

密閉された馬車内から聞こえる、小さな小さな声達。

ぶっちゃけモロ聞こえですが、要約すると「奴隷がこんなに逃げているのはどういうことか?」「私達の手落ちでございます」「処理して歩いて帰ってこい」「御意」・・・なんて流れで。

あ、説明し忘れてましたが、使用言語は竜言葉と共通語が混ざった感じのニュアンスでありんす。

要約誤差とか有りそうで怖いので、一息ついたら<翻訳>魔法でも使っておこうかなぁ。


数秒後。

馬車の反対側の扉が開く音、数人の着地音、扉の閉まる音、と続き。

御者が馬にムチを入れ、馬車が走り去る。

馬車スクリーンが無くなったあとに佇む、三名の竜人(仮)達。

手には既に抜き身の剣。

なにげに服飾文化などもあるようで、堅苦しいタキシードと軍服の中間デザインの服装であるところを見ると、案外身分の高い竜な人たちなのかもしれない。

彼らは油断なく・・・とか全く感じない舐めきった速度で自分達に近づいてくる。

表情は初見なのでわかりにくいんだけど、きっとニヤニヤしてるんだろうと思う。

・・・その余裕が何秒もつんだろうなぁ、と、合掌せざるを得ない。

だって、なぁ・・・豪華な装飾かまされてても、連中の持ってる剣って何の変哲もない鉄剣なんだもの・・・使い込んでいるようなので、更にマイナス評価。

自分達の誰が使っても、恐らく一発で「無くなる」武器を使い込めるという非力。

わかりやすく言うと。


二足歩行トカゲ数名が、自信満々に握ったポッキーを武器に、勝てる気でこっちにやってきています。

ゴメン、そろそろ笑いそう。


「で、えーっと、エンカウントイベントはココまででいいですかね?」

イベントとか言わない、と、ジオに突っ込みつつ自分は吹き出さざるをえず。

んじゃ、ココからはバトルイベントかいな?


「で、どうするアッチは?」

走り去る馬車の背を眺めながら、やる気なさそうに言うレザード。

んーー、そーだねぇ、んじゃ、ひとっ走り行って拉致ってきてもらおうか。

なんて自分が言うが早いか「あいよ」と、その場から消えるレザード。

すわ、瞬間移動か? とか思ったら凄い速さで馬車に向かって疾走しておりました。

チーターに狙われた草食獣の悲哀、か。

あと、そのチーターってば「チート野郎」の意味も含まれていましてよ?

対単騎でアイツに勝てるのは・・・えーっと、誰かいたっけ?

ま、ひとまず合掌。

ウフフッ、レザードってば、残酷でしてよ?


「で、ひとまず武装解除して手足の関節外して無力化したんだけど、どうしようかねこれ?」

「バトルイベント終わるの早いな!」

自分が馬車方面に視線をやってる間に戦闘は終わっていたらしく(ってか、音らしい音もなかった気がするけど)関節外された痛みにのたうつことで更に痛みに苛まれてるマゾ竜芋虫が三匹出来上がっていた。

これやったのジオ?


「いや、珍しくワチキ。 ワリと暇だったし地獄移動時間で教わってたのを試したんだけどね」

手をワキワキさせつつそう言うのは、灰剣士シオン。

シオンが関節系とは新しいな!

空中講義、地味に暇だった移動のいい暇つぶしだったしなぁ。

自分もエイジとかと色々ヤラカシタ・・・。

っと、閑話休題。


「まぁ、殺す気なら誰でも一振りだしなぁ」

ワリと剣呑な口調で言うのはマックス。

さっきの御者の目を見た辺りから殺気まき散らしてるのは痛いほど分かった。

寧ろ、感知系が敏感な自分やキン肉マンレディの肌センサーにチクチクくるので、そろそろそのひと睨み十殺レベルの殺気を収めてつかーさい。


「・・・エリス、ひとまず地面に転がってるのは見ないようにね?」

「地面どころか何も見えませぬ・・・」

モザイク掛かりそうな芋虫の視覚的暴力から痴ロリンを守ってくれたナガさんに感謝。

方法はパフパフ。

エリス窒息殺人未遂まで、あと二分というところか。


「ただいまー」

そうこうしてる間に、放ったチーターが帰ってきていた。

お前らやることが早くて実況が追いつかないんだけどどうよ?


「しらんがな。 あ、これおみやげ」

そう言いながらレザードが引きずってきたそれをコチラに投げ捨てる。

瞬間、ポキンとへし折れた長い角・・・あれれ、結構脆いんだね。

ビチャァ、とかベチャァ、という擬音が付きそうなカラフルセルフ体液垂れ流しのトカゲ一匹虫の息。

・・・えーっと、その、なんというか。


「もうちょっと、どうにかならなかったのかな、これ?」

そろそろ死ぬ勢いに見えるんだけど・・・ひとまず<回復>を・・・あ、ジオさんが即時実行ですか、お疲れ様です。


「え? 拉致るって言ったじゃん?」

「いや、これは暴行致傷じゃね?」

「差は?」

「心持ち被害者が痛くない?」

「んー、治せるから良いじゃん、任せた!」

「その考えは危ういので、出来れば改めるよーに」

「はーい」

うむ、聞き分けの良いやつで助かる。

出来るかどうかは別として。


「で、五月蝿いから気絶させといたけど芋虫どうするー?」

顔面にローキックという何か矛盾した行為で騒音公害を処理していたシオンに、好きにしとけばいいと思うよー、と、答えておく。

結果、芋虫は海老反り状態で手と足の親指を針金で固定されて放置されることに。

まぁ、なんという愉快オブジェ。

未成年にお見せできない出来なのが残念です。


「あ、そういや馬車はどうなった?」

と、今更に思い出してレザードに尋ねると。


「ん? ひとまず止まってるよー」

あそこらへんあそこらへん、と、数百メートル先を指さすレザード。


「そか、んじゃちょっくら自分が・・・」

行って、御者さん治してくるかね、と言いかけた辺りで。

ジオに肩を叩かれる。

振り返ると、ジオ自身を指さす、彼の親指。


「せっかくの獲も・・・げふふん、難度の高そうな方の治療ですよね?」

ウチが行かずに誰が行くと! 行くと!

と、獲物を狙う猛禽の迫力で迫られると、上手におしゃべりできない。

自分は無言で、どうぞ、とばかりに馬車方面への道を譲り。


「フゥーハハハぁー、待っておれよ子羊めがぁー。 瞬く間に癒してしんぜよぉほーぅ!」

世紀末モヒカンみたいな台詞を吐きつつ飛んで行く坊さん。

うん、アッチは万全だ。

きっと、心以外は。


「で、メリっち、この片角野郎はまだ殺しちゃダメなんか?」

なんとか殺意を「振りまくの」をやめたマックスが、愛刀片手に臨戦態勢。

まだ、ちょっと待ってー。

せっかくの情報源なんだから・・・ね?


最後の「ね?」の意味を悟り、自分と同じく薄ら笑いを浮かべるマックス。

「二人共ー、教育に悪い顔してるからね?」

おおっといけねぇイケねぇ、エイジ先生に注意されちゃったぜハハハー。

「思っても顔に出すなってだけの注意なんだけどね?」

黒すぎるぜ同士エイジ・・・。



「イケナイ顔をしたメリッさんとリーダー・・・アリだと思います」

「・・・口から漏れてるけど、いいの?」

「はっ!?」

「・・・イケナイ子は、しまっちゃおうねー」

「パフパフ圧が上がった・・・だと・・・」

痴ロリン、窒息。


つまり。

ここまでで、トカゲ三匹がモザイクかける状態になってから、大体二分経過。

はええよ。


今回、自分何もやってないなぁ・・・。

よぅし、次回の拷問編、描写頑張っちゃうぞぅー。

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