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終点そこは崩れた希望

正気に戻った自分たち空戦組が追い付くのを「おや、気が済みましたか?」的な保護者的上から目線で出迎えたジオやナガさんと共に、当初目的であった世界の亀裂を追いかけ続けた結果。

あ、ちなみに先行組のもう一人、エリスは鼻血垂れ流しながら「抉るようにっ。 そーしーてー、抉るようにっ」とか呟きながらガックンガックン体を揺らすハイテンションで執筆活動に余念がなく。

追いついた連中が背後からその内容を覗き見て、青を通り越した白い顔色を示していたことをエリス当人は知らない。

さらに言うならば奴のスケッチブックが、野郎連中共通の「事故に見せかけて焼くリスト」最上位にランクイン。

時に、抉るようにって言いながら反って胸を張ったのは痴ロリン自身の胸がエグれ「露骨な肋骨っ」「エリスさん、あたってます」「当ててんのよ!」「・・・肋骨を?」おや珍しい、ヤンデレVS痴ロリンの持つもの持たざるもの対決。


っと、閑話休題。(と言いつつ、自分の目はキャットファイトから離れないが)

実に、たった数日の空の旅の結果。(おっ、痴ロリンが、ついに常時女性化したナガさんの背後を取ってそのπr2を揉みしだきだしたぁー)

自分たちは、世界の亀裂の終端、その一つにたどり着くこととなった。(おおっと、背後の痴ロリン捕まったぁー! この体勢は・・・伝説の「御尻ペンペン」だぁー!)


「途切れた、ね」

天井の亀裂が終わる場所、剣でも打ち込んだ後のような鋭角な、世界の切れ目。(パァン、パァン、といい音が連続するーっ、これは恥ずかしいっ。 痴ロリンの顔も苦痛と恥辱に朱に染まるぅー。 衆人環視の元、いとも容易く行われるエゲツナイ行為だぁー・・・な、なにぃ!?)

その終点を見据えて呟くエイジに、野郎共は頷いた。(なんと・・・痴ロリン・・・まさか、まさかの尻パン続行中にもかかわらず執筆開始だぁーーっ! 我々は彼女に対する認識を改めねばならない時期に差し掛かったのやもしれませんっ・・・実体験すらリアルタイムでネタとする、か。 エリス、怖い子ッ)


「上に行ったら、どこら辺に出るんだろうな?」

旧地表突入場所から真直ぐ東に飛び続けたんだし、東の方の海に出る辺りか?とはレザードの言で。(違和感に気づいたナガさんが後ろを振り返り痴ロリンの執筆に気づいたぁー・・・おおっ、珍しくドン引いてエリスを・・・投げ捨てたぁー!?)

ふぅむ、数日間睡眠時間も短めに飛び続けたし・・・その範囲で収まってれば、まぁ・・・とも思える考察である。(・・・あ、痴ロリン捨てられたことに気づかず執筆続行中なう)


「・・・行けばわかるさ。 ありがとぅー」

キャットファイトを棄権してこちらに戻ってきたナガさんが、ワザとらしく震えてレザードを背後から抱きしめに行く。

背丈の問題で「後頭部に当たってるんだが」「埋めてんのよ」とか言ってるけどアレなんだろうこの砂糖吐きたい気分は。


「見せつけやがるねぇ・・・く、悔しくなんてないん・・・お願い変わってレザード」

初志貫徹できなかったマックスがバクシーシバクシーシ言い出し。


「同士、ちょうどいいから腐りものとバカップルはこのまま置き去りにして行こう」

色々諦めた感じのエイジが、もうすでに宙に浮いていたりもする。

・・・まぁ、見た感じレザードは冷静だし、任せて先に行くかー。


「じゃ、レザード、あとよろしく」

そんなこんなで。

衆人環視の中、背後からパフパフを仕掛けてくる上級者嫁と。

地面転がって鼻血まみれのトリップ状態でのたうちながら執筆快調の痴ロリン先生の。

集団内全女性を任されたレザードの明日はどっちだ?

ひゅぅ、両手に花って奴ですかぃ!

あやかりた・・・くない。 不思議!


自分たちは、逃げ出した。




しかし、まわりこまれてしまった・・・自分だけ。

首に絡まるサンドカッターっ・・・て懐かしいなこれまだ持ってたのかよ。


「いや、ひとまず痴ロリンはお前が持って行け保護者」

ってか、後ろの大きいのだけで俺のキャパは満杯です、と、巨乳肩叩き状態からヌルリと分身で逃げ出した挙句に鋼糸でナガさん拘束したレザード。

縛りプレイ? 上級者め。

ってか、お前どうやってコレ縛った?

この縛り方知らないわ自分。

暇なときに教えて。


「あー、んじゃ今やるか? ちょうど縛る対象もいるみたいだし、実地で」

鮮やかな手つきで簀巻状態の嫁を箒に括り付け終わったレザードが、こちらに来て足元を指差し。

・・・指す先には・・・なんという、腐気・・・な、痴ロリン先生っ。


「あー。 んじゃお願いするかねレザード先生のドキドキ! 実地研修っ・・・<縛り>編」

ドンドンヒューヒューパフパフ・・・「は、気持ちよかったかね?」「ちょっとね」「畜生、モゲればいいのにっ」「「ハハッ」」

と、元居た場所でのテンプレ会話をしつつ。

自分は妹的存在型腐敗女王を、芋虫に変えるのであった。


・・・「この技、いつ作ったのよ?」「ん? さっき。 適当にやったらできた」「天才めっ」




数日ぶりの日光は、実に心地よく。

亀裂の先からこぼれてくる青色が、体に染み入るようじゃわい。


「おおぅぃ、結局どこだったー?」

この亀裂を抜ければ、皆が見える・・・とばかりに痴ロリン芋虫背負って飛び出した、その先。

陽光に照らされる、岩場。

ざっと見た限りでは、皆周囲に散って散策中の様子。

あ、考えてみれば見覚えあるところに出るって方が有り得ないよね。

世界って広大だわっ。


「あれ、ここって、どこかで見たことあるような気がしないか?」

箒の上に直立した姿勢で地獄から帰還したレザードが、岩場に芋虫嫁を転がしながら首をかしげ。

はははまさかっ、そんな都合よく見覚えのあるものが見つかったりは・・・


「あちらの方に、ひしゃげた金属扉・・・だったものがありましたよ」

目ざとく帰還した自分たちを見つけたジオが、小走りにこちらにやってきて、自身の背後方向を指差し。

・・・見つかったりは・・・


「あー、流石に<繭>とかも残ってないかー」

少し離れた場所ではシオンやエイジが、やる気ない天使の残滓を捜索し。

・・・見つかったり・・・


「上空から見て来たけど、周囲にいくらか湖ーってか水たまりー的に残ってるだけだわー、この、西の海」

高空から箒に跨り降りてきたマックス(親方! 空から魔女・・・魔男が!)が、あっちとこっちと・・・と、海水の分布状況を指差し。

・・・みつ・・・かっ・・・


「・・・・・直線距離にすれば案外近かった、って事かよぅ。 大陸の東端と西端って」

言いつつ、自分は時折思い出したようにビクン、ビクンと身じろぎする背中の芋虫を地面に転がすと。

昔懐かし<西方の希望>クエスト跡地に、降り立った。

東方向には、高い高い岩棚の姿。

<塔>のメンツを引き連れて集団入水したのは良い思い出。

あー、水抜くとこんな感じになるのか。

元海底ってのを思いしらされるのぅ・・・あれを登れば西の国かぁ、東みたいに草臥れてないといいなぁ。


「しかしなぁ、消えた分の海水はどこに行ったのかね?」

地獄じゃ見かけなかったしなぁ、と、続けるマックス。

ギアナ高地の滝には滝壺がない、高度がありすぎて空中に散ってしまう為だー、なんて話を思い出したりもしたけど・・・当てはまるのかこのスケールで?


「有り得なくもない、と思うけどね。 星レベルで見たらこんな亀裂なんてそれこそ誤差みたいな小ささだろうし」

シオンと共にこちらへ合流したエイジが、自分たちの会話を拾ったのかそんな事を言い出し。


「いや、でもなぁ。 ギアナ云々言うなら、あれって滝壺ないけど滝の下から川出来てるって話じゃなかったっけ?」

霧になっても結局水分が降りるのは変わらないはず、と、シオンがツッコみを入れ。


「相対的に落下距離が違い過ぎるってのもあるだろうし、かといって水分が少ないってレベルの話でもないし」

ぶっちゃけ、決定打がないんじゃないかいその議論?

水の話だけに。「水掛け論とでも言いたいのかい?」「ドヤ顔されてもなぁ」うるさいやい。

事実関係だけ追っていくと、海の水がどこかに消えたってのしかないし。

単に旧地表で蒸発して湿気として循環してるだけかもしれんし。

もしくは旧地表の地下水として第二の海を形成してるのかもしれないし。

・・・海の水も、地味に<消え失せた地表>的な物質で出来ていた、とかも・・・無いとは言い切れず。


「結局は謎が上乗せされましてよって事でしょうかね」

何故かお嬢言葉で、ジオが〆た。




芋虫二匹が皆に思い出されるまで、あと1時間14分。

・・・羽化しても蝶にはならなそうだな、とはレザードあたりの談。


変身して大型の蝶・・・と言うよりモスマン「妖精」「そんなキモい妖精がいてたまるか」・・・になって出てきたナガさんに、そのレザードが襲われるのは・・・まぁ、蛇足である。


鼻血が固まって変なマスクかぶったみたいになってた痴ロリンは・・・しばらく「キン肉マンレディ」呼ばわりされることとなった。

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