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合体そして出来ちゃった♡

題名でエロい妄想した人は、時計の分数回腹筋な。


のんびりのんびり徒歩の道行き日も暮れて。(村到着(夕刻) →魔物討伐(同左) →バカ死亡(同左) →生き返り玉潰しエクソシスト →一晩明けて →掃除とか(夕方まで) →イマココ、な時間経過である)

夕闇染まる平野の景を郷愁混じりに見て和み。

さて、このまま飛んでいくのも無粋極まりなしって感じだし、ここらで野営しようかと、他三名に声をかけてみた。


「ほいほい、それも中々オツですな」

結構ノリ良くジオが応じてくる。

あー、キャンプとか好きだったもんね確か。


「やったー、ようやく休めるー!」

エリスが大喜びで地べたに大の字・・・おいぃ、もうちょっとどうにか・・・まぁいいか。

今まで休憩なしで歩きづめだったしねぇ、色々設営はやっとくからそこで休んでなー。


「別段急ぐ旅でなし、か」

出来れば村に兵士何人か寄越して欲しかったけど、と、心配性のエイジが苦笑いする。

そして、足元に寝転ぶエリスを見て苦笑いが深くなったりする。


「んじゃ、サクっとテント・結界・食事準備しちゃうわさー」

手伝うよ、というエイジとジオを制して。

血の池トラウマのお詫びに、と、大人げなく色々駆使する自分。

テントと簡易キッチンをゾルゾルと袋から取り出して即時設置、及びその周囲に結構な威力で魔法壁貼ってっと。

ハイ完成。


「夕食出来るまでのんびりしててー」

キャンプといえばあれ、な、カレーでも作ろうと思う。

コメ・・・コメがっ・・・欲しいっ・・・

けど悔しい、無いからナンにしちゃう!


「ほいほい、では手が足りなかったら声かけてくだされー」

即時靴を脱いでテント内に移動するジオ。

設置したテントが、魔族(仮)さん達との遭遇時にレシピに落としたものだったので、その広いこと。

・・・だからと言ってロンダートからの月面宙返りとかしないでください縊るぞ糞坊主。


「ほら、エリス。 寝るならテントの方にしなさい」

地面に大の字な、たれエリスさん。

エイジに連れられテント上。

いやぁ、正直助かるわ・・・地味に彼女がフリーダムなので。


「あーいー、あ、ちょ、襟首掴んで持って行かないデー・・・あー、楽だからいいかぁ・・・」

すっかり休憩モードのエリスが、すでにダメ人間になっていた。

でもまぁ、大いに働いてもらったし大目に見るべきか。

さてさて、んではちゃっちゃと飯作りますかねぇ。




肉々しいベヒモス肉カレーを胃に収めた四人は、ひとまず合流後のお楽しみ。

情報交換と相成るわけで。

カクカクシカジカー、マルマルウマウマァー。


「と、言う訳で、この<英雄>様を売り渡せば、自分達は一生楽して生きて行けることと相成ったわけだ」

ひとまず嘘は言ってない感じにエイジに情報を流してみる。


「ははは、ぶっちゃけ売り渡してもこちらに来るリターン低そうだけどねぇ、国力的に」

ですよねー、と素で納得する自分。


「で、ウチが売り渡されるのが既定路線っぽく聞こえてますけど、そこら辺どうよ?」

ジオはすっかり酔っ払って横になりつつ、適当な文句を言ってくる。


「「え?」」

真顔で驚いてみせるエイジと自分。


「え?」

ちょいと顔が固まるジオ。


なんとも微妙に空間が凝固する中響く寝息。


「Zzzzzz」

静かだと思ったら、痴ロリンはすっかり寝入っていたりした。

寝る子は育つ。

・・・本当に?


「ふむ、んじゃそろそろ真面目にいきますか」

丁度エリスも寝てるようだし、と、彼女と少々距離を取り。

ん?、と、自分の態度に違和感をもったのか、エイジとジオがこちらへとやって来る。

うん、呼ぼうと思ってたから手間が省ける。

野郎三人、面突き合わせ。

ひとまず口火を、自分が切った。


「さてさて、ひとまず。 弱音でも吐こうか。 自分ら、元いた場所に帰れると思うかい?」

無限袋の中から一升瓶を取り出して、キューッと行きつつ、友人二人に問いかけた。

無論、答えなど決まっているが。


「分からない、だね。 なんにせよ情報もない、状況が理解出来ない、そもそも元いた場所さえ本当にあったのかと疑い始める始末だよ、僕は」

一息にそう言うと、自分の差し出した瓶を掻っ攫い乱暴に喉へ中身を流しこむ。

ゴクゴクゴクコポォ。

げほげほっ。

エイジ、慌てすぎ。

ひとまず言おう、 落 ち 着 け 。


「平気ですか、エイジさんや?」

咳き込むエイジの背中をさすりつつ、ジオが雑巾で飛び散ったブツを拭きとった。

涙目で謝るエイジに、気にせずに、と手を振って、瓶を片手に元いた位置に寝そべるジオ。

そのまま瓶の中身を一口あおり。


「今現在分かっている繋がりっぽいのが、死んだら元の場所に戻る、というメリウ臨死情報だけですしね」

しかも体は動かない、しかし周囲は見渡せる、なんて状況なんでしたっけ、と、瓶をこちらに寄越しつつ言うジオ。

それを受け取り、キュキューっと、ごっくん。


「そうなんだよねぇ。 すわ、魂状態? 的な視点だったのかなぁ、と、振り返ってみると思ったりしてる」

時の止まったようなモノクロの世界、明かりもないようなはずの密室を見通す目なんて、中の人的自分は持っていないはずだし。

あとは、もしかしたら自分以外にも死んでたら、あそこで鉢合わせになったのかなぁ、なんて思うけど。


「流石に、ジオと一緒に死んで確かめてくる、なんて言えないしねぇ」

<蘇生>使い二人が手に手を取って退場なんて、正直目も当てられない。

かと言って、あの時一緒にいた残り二人と出会ったとして「やぁ貴様等、どっちかもしくは両方、試しに死なない?」とは言いたくない。


「現状だと、本当に今を生きる、しか無いね」

咳き込みから回復したエイジが、自分の手渡した瓶を口にし、静かに傾けた。

今度はゆっくりと、飲み込めたようだ。


「ひとまずは他に迷い込んでる連中がいないかどうかの探索重視で行く、程度ですかね」

残り少なになった瓶の中身を一気に飲み干すと、ジオはムクリと上半身を起こして胡坐をかいた。

空瓶がこちらに転がってきたのを、ぬるりと袋に詰め込む。


「んじゃ、ここらで弱音さん終了ということで。 ひき続いて、なにか気づいたこととかあったらどうぞ」

どんな事でもいいんで話していこうか、と、自分は新しく中身の詰まった一升瓶を取り出して開栓。


寝くたれる痴ロリンを少し遠間に、野郎三人のブレーンストーミングじみた一升瓶バトンリレーが、続いた。




「で、大学時代にロトの紋章流行らせようとして研究室に全巻寄付したんだよ」

プチ流行で終わったけどねぇ、と、語る自分。

色々と話しているうちにどうでもいいような方向へと流れた野郎飲み会、現在の議題は昔流行った漫画。


「ロト紋いいよね。 僕も全巻持ってました」

青年誌っぽいのでやってた続きのやつは読んでもないんだけどね、とエイジ。


「実際問題、アレとダイ大は鉄板でしたな」

ドラクエ世代的に、とジオ。

確かにねぇ、同意。


「そういや、その両方共合体魔法あったねぇ」

未だにバギラの衝撃が忘れられない。


「あったあった。 メドローアとか強すぎないか、と、当時の少年時代な僕も流石に突っ込まざるを得なかった」

そんなことを言うエイジに「ってかいつも突っ込んでばかりじゃねぇか同士は」とツッコんでみる。


「ツッコみにツッコむ・・・でゅふふ」

!?

なにか不穏当な戯言が聞こえたが・・・ん、寝てるな、呼吸からすると。

ふぅ、野郎どものバカ話で起こしてしまったら申し訳ないな的に思ってたので、ひとまず胸を撫で下ろす。


「で、今ふと思ったが。 できないかね、合体魔法」

例えばこんな感じでー、と、自分は何気なく左右の掌に別々の魔法を思い浮かべて発動させてみる。

右の<全究回復>、左の<白銀癒手>。

ボゥ、ボゥ、と、淡い光を湛えて現れる、それぞれの魔法。


「「「!?」」」

なん・・・だと・・・と、三人が固まった。

出てる・・・出てるぞ・・・?

驚きに目を丸くした周囲及び自分。

OKOK、落ち着け落ち着け。

深呼吸ー、吸ってー、吸ってー、吸う。

よし、肺がはちきれそう。


「勢いで行ってしまえ合体!」

別々の魔法が載った掌を、ヤケ気味に叩きつけ。

力任せに押し付けて、握りつぶす。


合わせた掌の内側から、覚えなき手応えが帰ってきた。


自分はそっと、掌を開く。

瞬間的に広がり、テント内に降り注ぐ、白銀色の雨。

「「おおっ」」と、二人が驚きを露わにし。

外の人補正でいろんなモノの見えるようになった素敵自分アイが捉えたその光の雨粒は。

極小の、手のような造形を、していた。


まさかの合体魔法、できちゃった・・・♡

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