7話目
ダディー&マミー(なんとなく気分で)ミー(これも気分で)がお屋敷をお暇したのは3日前。国境について直ぐに盗賊と出会いました。
ええもちろん話し合いをし...暴力的にですがそれが何か? 無事解決。その後隣国の侵略軍と出会いその人たちのテントに連行され、脅されながら納得してもらいました。
そして国王が捕まり、自国に戻っても大丈夫だと教えられていったん戻ることにしました。親切?なことに途中まで乗せてくれるという事で、街の入り口まで馬に乗せてもらいそこで別れるはずだったがなんと! 行き先が一緒でした!! そして現在、再び戻って来ましたこの屋敷。しかも! 街の中には多少なりとも戦った跡があったのにここ、ニーベングル家だけはなんか違う。そう、どう違うかというと、
「うぉ?! 何だこれ?!」
グルッと屋敷の周りを囲むように出来上がっている円を見て馬上の男Bが吃驚する程です。
「これって何でこうなってんの?」
分からないときは素直に聞く。うん、これ大事なことだよね? つーことで教えて、で○じろーせんせー! て、ここにはいないけど。
「これは結界に弾かれた跡だな」
で○じろーせんせーの変わりに、馬から降りた男Aがあたしに近づきながら教えてくれる。
「結界?」
「そうだ。物理攻撃や魔術を弾き返した場合、こんな感じで跡が残る。この屋敷にグルッと結界が張られていたんだろう。それにこの結界、残りの魔力から感じるに魔族のものだな」
「なんで魔族が結界なんて張るんだ?」
首を捻りながら男B。うん、可愛くない。男Bから視線を逸らし中の様子を見ようとしたあたしの耳に、懐かしい声が聞こえた。懐かしさで思わず顔がゆっくりと綻ぶ。そんなあたしの顔を見て驚愕する男たちを無視しながら、
「グエンさーん! ただいまー?」
「もうカナンったら、なんで疑問系になるの?」
くすくすと楽しそうに笑うグエンさん。そんなグエンさんを見て、あぁ、無事だったんだーと安堵の息を漏らす。
グエンさんと感動の再開...じゃなくて再会! そして熱い抱擁! 互いの近況を語り合うべく使用人用の出入り口に体を向けて足を踏み出した。数歩歩いたところで足元に急に影が差し、その影にそって顔を上げる。視界に入ったのは見目麗しき美女。髪は肩までの長さでボブカット。ちなみに髪の色は紫紺。はい、どう見てもこんな髪の色の人間はこの世界と言えどいないと思います。
着ている服はチャイナドレスによく似たデザインで、豊満なバストと括れた腰を強調し、尚且つ、両側の太腿まで深くスリットが入ってる。そして歩くたびにそのスリットから白く陶磁のような素足が現れ、この場にいる男とたちの注意を引く。そう、男たちの視線はその美女に釘付け。特にバストとスリットから覗く素足に。なのにその美女の視線はあたしをロックオンしている。あれ? なんかやな感じがするんですけど...