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第八話『彼は誰時(かわたれどき)の迷子』

あの、茜色に染まった河原での一件は、オカルト研究会のメンバーたちの心に、消えないインクの染みのように、深く、そして、鮮やかな記憶を刻みつけていた。それは、初めて直面した、救いようのない悲しみの記憶。そして、自分たちの無力さを痛感した、敗北の記憶でもあった。

だが、その経験は、彼らの間に、これまでとは質の違う、静かで、確かな絆を育んでもいた。

以前の部室が、個々の才能と情熱が、それぞれ好き勝手な方向へ発散される、混沌としたエネルギーの実験場だったとすれば、今の部室は、少しだけ違う。その混沌の奥に、互いを思いやる、一つの、しなやかで、温かい芯が通ったような、そんな空気が流れていた。

その変化は、特に、相田和人との接し方に、顕著に現れていた。彼は、あの日以来、魂の奥深くに、あの小さな男の子の、十年分の孤独を宿してしまっていたからだ。

「相田先輩! これ、オフクロが、なんか知んねえけど箱で送ってきたスポーツドリンクっス! クエン酸とか、アミノ酸とか、なんか色々入ってて、疲労回復にめっちゃ効くらしいんスよ! よかったら、どうぞ!」

猛は、あれ以来、何かと理由をつけては、和人に差し入れをするようになった。その行動は、彼の性格らしく、どこまでもストレートで、不器用で、しかし、嘘のない、太陽のような優しさに満ちていた。

「和人君。もし、気が向いたら、読んでみるといい」

蓮は、和人の机の隅に、古びた、しかし、丁寧に扱われてきたことがわかる、一冊の詩集を、そっと置いた。

「これは、僕の好きな詩人の、『魂の休息』という章だ。言葉が、君の心に、優しい雨のように染み渡り、魂の土壌を潤してくれるかもしれない」

亜里沙は、何も言わない。しかし、和人が、ふと、遠い目をして、窓の外の虚空を見つめていると、彼女は、そっと、自分のノートパソコンの画面の輝度を、目に優しいレベルまで落とし、キーボードを叩く指の動きを、いつもより、さらに、忍び足のように、静かにするのだった。

そして麗奈は、以前のように、和人を、新たな謎や事件へと、無邪気に引きずり回すようなことはしなくなった。彼女は、ホワイトボードの前で、腕を組み、難解な理論を構築しながらも、その視線の隅では、常に、ソファに深く沈み込む和人の、呼吸の深さや、瞬きの回数といった、微細な変化を、見逃すまいと、注意深く、そして、心配そうに観察していた。

彼らは、理解したのだ。

和人の力は、便利な魔法ではない。それは、彼の魂そのものを、ろうそくの芯のように、じりじりと燃焼させて放たれる、あまりにも儚く、そして、あまりにも大きな、慈しみの炎であることを。彼は、平気な顔をしている。しかし、その内側では、他者の痛みや悲しみを受け止めるたびに、確実に、すり減り、疲弊している。

だから、守らなければならない。

この、どうしようもなく優しくて、どうしようもなく不器用で、そして、どうしようもなく、放っておけない、彼らの「心臓」を。

和人は、そんな仲間たちの、不器用で、ぎこちない、しかし、本物の優しさに、気づかないふりをしながら、ただ、静かに、文庫本を読んでいた。彼の心に空いた、冷たい風が吹き込む穴は、まだ、塞がってはいない。しかし、仲間たちが、それぞれのやり方で灯してくれる、小さな焚き火のような温もりが、その、寂しい風を、ほんの少しだけ、和らげてくれているのを、彼は、確かに感じていた。

その日、事件は、夏の夕立のように、唐突に、そして、けたたましく部室へと飛び込んできた。

「た、大変だーっ! 緊急事態! 大至急、出動要請だ!」

準備室の引き戸が、もはや破壊に近い勢いで、凄まじい音を立てて開け放たれた。そこに立っていたのは、野球部のユニフォームを、汗と泥でぐっしょりと濡らした、一人の男子生徒だった。猛の後輩で、一年生ながら、その俊足とバッティングセンスで、次期レギュラー候補と目されている、鈴木だった。

しかし、今の彼の姿に、グラウンドで見せるような、溌剌とした面影はない。その顔は、恐怖と、極度の疲労で、土気色になっていた。

「ど、どうしたの、鈴木君!?」

麗奈が驚いて駆け寄る。

「ハア…ハア…。きの、昨日も、今日も、ダメだったんです…。あそこから、どうしても、出られない…!」

鈴木は、壁に手をつき、肩で激しく息をしながら、途切れ途切れに、信じがたい話を語り始めた。

彼が所属する野球部は、夏の大会に向けて、連日、日が暮れるまで、猛練習を続けている。

三日前、彼は、いつものように、練習を終えて、家路についていた。学校の裏門から、駅へと続く、少し寂しい一本道。道の両側を、古びた工場の、錆びたトタンの塀と、人の手が入っていない、鬱蒼とした雑木林に挟まれた、街灯も少ない、薄暗い道だ。

その道の、ちょうど中間くらいにある、何の変哲もない、三叉路。

そこへたどり着いた時、異変は起きた。

いつもなら、迷わず右へ曲がる。しかし、その日は、何気なく、左へと曲がってみた。だが、五分ほど歩いても、見慣れた住宅街の景色が見えてこない。おかしいな、と思って引き返し、三叉路まで戻って、今度は、まっすぐ進んでみた。しかし、やはり、同じだった。どれだけ歩いても、どれだけ走っても、気づくと、また、同じ三叉路の、古びた電信柱の前に、戻ってきてしまうのだという。

「太陽が、ずっと、沈まないんです…。ずっと、夕方の、あの、薄暗い、気味の悪い色のまま…。昨日も、今日も、野球部の仲間と一緒に帰ったのに、俺だけ、そこに、取り残されて…。声も、届かなくて…」

鈴木は、完全に、怯えきっていた。三日目の今日も、たまたま、新聞配達の教師が、カブのエンジン音を響かせて通りかかった。その、現実世界の音が、まるで、悪夢を覚ます目覚まし時計のように、彼を、その奇妙な空間から、解放してくれたのだという。

「武藤先輩…! 俺、もう、あそこを通って、帰れない…!」

「…大丈夫だ、鈴木!」

猛は、震える後輩の肩を、力強く、しかし、壊れ物を扱うように、優しく叩いた。その顔には、普段の快活な彼とは違う、先輩としての、頼もしい、真剣な表情が浮かんでいる。

「お前が迷ってるその道は、俺たちが、こじ開けてやる。なあ、みんな!」

彼は、オカルト研究会のメンバーを、力強い目で見回した。

麗奈は、真剣な顔で、深く頷く。亜里沙も、蓮も、静かに、しかし、固い決意をその瞳に宿していた。

和人は、読んでいた本を、パタン、と閉じた。その小さな音が、やけに大きく、部室に響いた。

行かなければ、ならない。

今度は、自分のためではない。目の前で怯えている、この後輩と、そして、彼を必死で守ろうとしている、不器用で、温かい、仲間たちのために。

その日の、夕暮れ時。

太陽が、西の稜線へと、その身を沈めようとしている、まさに、その時間。

五人は、問題の三叉路へと、向かっていた。

世界が、一日のうちで、最も、表情を豊かにする時間。空は、燃えるようなオレンジ色から、深い、悲しげな紫色へと、刻一刻と、その色彩を変えていく。あらゆるものの輪郭が、光の中に溶け出し、曖昧になる。

「…彼は誰時かわたれどき、ね」

蓮が、ぽつりと呟いた。

「黄昏時。『あなたは誰ですか』と問わなければ、相手の顔も見分けられない、不確かな時間。世界の境界線が、最も、薄くなる時間でもある。昼と夜、現実と幻、そして、この世と、あの世の…」

彼の言う通りだった。

弱くなった光の中で、遠くに見える人影は、親しい友人なのか、見知らぬ他人なのか、判別がつかない。建物の影は、まるで、意思を持った生き物のように、長く、黒く、地面をゆっくりと這っている。空気は、昼間の熱気を完全に失い、ひんやりとした、そして、どこか、息を潜めたような、静けさに満ちていた。

まさに、怪異が、そのベールを脱ぐには、うってつけの舞台だった。

彼らは、恐怖に顔を強張らせる鈴木を、まるで、大事な宝物を守る騎士のように、中心に囲むようにして、問題の三叉路へとたどり着いた。

古びて、傾きかけた電信柱が、低い唸り音を立てている。その根元には、誰が供えたのか、首の取れた、小さな地蔵が、半分土に埋もれて、静かに佇んでいた。

その、何の変哲もない場所。

しかし、その三叉路の中心に、全員の足が、同時に踏み入れた、まさに、その瞬間。

ふっ、と、世界から、音が消えた。

それまで聞こえていた、遠くの町の喧騒や、虫の声、風の音が、まるで、分厚い、防音ガラスの向こう側へと、一瞬にして追いやられたかのように、遠のいていく。空気を満たすのは、耳の奥で、キーンと鳴り響く、高周波のような、低く、重い、完全な沈黙。

「…始まったわ」

麗奈が、声を潜めて言った。彼女が、ポケットから取り出した、方位磁石の針が、まるで、故障した機械のように、狂った速度で、ぐるぐると回転し続けている。

「よし、作戦通り、まずは、まっすぐ進んでみよう! みんな、俺から離れるなよ!」

猛が、自分と、仲間たちを鼓舞するように、大声を張り上げた。彼らは、鈴木を真ん中に、一つの塊となって、まっすぐの道を進み始めた。

道は、どこまでも、どこまでも、同じ景色だった。右側には、錆びて、赤茶けたトタンの塀。左側には、暗く、口を開けた、雑木林。十分ほど、歩いただろうか。道の先に、見慣れた電信柱と、地蔵が見えてきた。

「…嘘だろ」

猛が、呻いた。

彼らは、円を描くように歩き、元の場所へと、寸分違わず、戻ってきてしまっていた。

「…ダメだ! ラチがあかねえ! こうなったら、力ずくだ!」

猛は、吠えた。

「俺が、先頭を走る! この、わけのわかんねえ、堂々巡りの空間を、俺の足で、ぶち破ってやる! 鈴木、俺にしっかり捕まってろ! 舌、噛むなよ!」

彼は、鈴木の手を、引退するキャプテンが、後輩に何かを託すように、強く握ると、陸上選手の、クラウチングスタートのような、爆発的な勢いで、走り出した。

「うおおおおおおっ!」

猛の、魂の叫びが、静まり返った、歪んだ空間に響き渡る。彼は、ただ、まっすぐに、前だけを見て、全力で疾走した。その背中は、どんな逆境にも屈しない、不屈の闘志に燃えていた。

しかし、その、あまりにも人間的な試みは、この、非人間的な現象の前では、無惨に終わった。

どれだけ走っても、どれだけ、肺が張り裂けそうになっても、景色は、まるで、無限に続く、悪夢のルームランナーのように、変わらない。やがて、体力の限界が来た猛と鈴木は、膝に手をつき、荒い息を吐きながら、再び、あの三叉路の真ん中に、崩れるように、立っていた。

「…なんて、悲しい、無限の持久走なんだ…」

蓮が、深いため息をついた。

「この空間は、物理的な力では、決して、突破できない。それは、まるで、深い絶望に囚われた、親友の心を、無理やり、力ずくでこじ開けようとするようなもの。反発を招き、より、頑なになるだけさ」

彼は、そう言うと、今度は、自らが、ゆっくりと、別の、左へと続く道へと、歩き始めた。

「ならば、僕は、この空間の、深い悲しみと、調和しよう。この、終わらない黄昏の、憂鬱で、美しいリズムに、我が魂の、鎮魂の詩を、重ね合わせることで…」

彼は、まるで、水の上を滑るかのように、美しい、音のしない所作で、ゆっくりと、舞うように、歩を進めていく。

しかし、彼の、あまりにも耽美的な試みもまた、失敗に終わった。

この空間に満ちているのは、蓮が愛するような、物語性のある、詩的な憂鬱ではなかったからだ。もっと、ずっと、救いのない、のっぺりとした、色も、匂いも、味もない、純粋な、虚無としての、絶望そのものだったのだ。彼の魂の詩は、その、あまりにも重く、底なしの絶望の沈黙に、あっけなく、一滴のインクが、海に落ちるように、飲み込まれてしまった。

やはり、蓮も、数分後には、魂を吸い取られたかのように、疲れ果てた、青白い顔で、三叉路へと、戻ってきた。

「…万策、尽きたわね…」

麗奈が、悔しそうに、唇を噛む。彼女の持つ、科学的な知識も、論理的な思考も、この、理屈の通じない現象の前では、何の役にも立たなかった。

全員の視線が、自然と、これまで、ずっと、目を閉じて、黙っていた、一人の男へと、集まった。

相田和人。

彼は、この空間に満ちる、感情の、希薄で、しかし、巨大な残滓に、ただ、ひたすらに、耳を澄ませていた。

彼が感じていたのは、特定の、個人の、強い怨念ではなかった。

それは、もっと、捉えどころのない、この場所の空気全体に、春先の霧のように、深く、広く、溶け込んでいる、誰かの、深い、深い、絶望のため息のようなものだった。

(怖いんだな…)

和人は、その感情の正体を、静かに、そして、痛いほどに、受け止めていた。それは、つい、この間まで、彼自身の心を覆っていた感情と、よく似ていたからだ。

彼は、ゆっくりと、目を開けた。

そして、誰に言うでもなく、この、歪んで、閉ざされた、小さな世界そのものに向かって、語りかけた。

彼の声は、凪いだ水面のように、どこまでも、穏やかだった。

「怖いよな。三叉路の前に、一人で、立つのは」

その言葉に、重く、淀んでいた空気が、ほんの少しだけ、水面が波紋を描くように、揺れた気がした。

「右へ行けば、何があるのか。左へ行れば、どうなるのか。まっすぐ進んだ先に、何が待っているのか。何も、わからない。自分の選んだ道が、今よりも、もっと、暗くて、辛くて、苦しい場所へ、繋がっているのかもしれないって、思ってしまう」

「間違えるのが、怖いんだ。失敗するのが、怖いんだ。だから、どの道も、選べない。選ばずに、この、夜が来る直前の、何も決まらない、曖昧な時間の中に、ずっと、ずっと、留まっている方が、楽なんだよな」

和人の言葉は、まるで、鏡に映った、自分自身に語りかけているかのようでもあった。

彼の声に、呼応するように、三叉路の中央の空間が、陽炎のように、ぼんやりと、歪み始めた。

そこに、おぼろげながら、一人の、古い、黒い学ランを着た、男子生徒の姿が、浮かび上がる。その顔は、のっぺらぼうのように、判然としない。ただ、底なしの、不安と、絶望だけを、その、頼りなげな全身から、霧のように、放っていた。

「でもさ」

和人は、その、形にならない絶望の塊に向かって、続けた。

「未来がわかる奴なんて、この世界の、どこにもいないんだよ。俺も、こいつらも、誰も、完璧な地図なんて持っていない。みんな、同じなんだ。みんな、迷子なんだよ」

「道を選ぶっていうのは、明るくて、安全な、ゴールテープが見えてる道を、選ぶことじゃない。それは、ただの、答え合わせだ。人生は、クイズじゃない」

「本当の意味で、道を選ぶっていうのは」

和人は、そこで、一度、言葉を切った。そして、確信を持って、祈るように、言った。

「この、先の見えない、冷たい、暗闇の中へ、それでも、自分の意志で、震える足で、最初の一歩を、踏み出すっていう、覚悟のことなんだ」

「道の終わりが見えなくたっていい。ゴールがどこにあるかなんて、わからなくたっていい。ただ、その、最初の一歩を踏み出すこと。多分、生きるっていうのは、それの、果てしない、繰り返しのことなんだよ」

和人の言葉が、静まり返った、歪んだ空間に、ゆっくりと、深く、染み渡っていく。

永遠に続くかと思われた、気味の悪い、黄昏の光が、ゆっくりと、その色を、深い、星の瞬く、夜の藍色へと、変え始めた。空に、一番星が、力強く、一つ、瞬いた。

目の前にいた、男子生徒の、おぼろげな姿が、ゆっくりと、顔を上げた。

彼は、自分の足元を見つめ、それから、三つに分かれた道の、その先にある、深い、深い、闇を見つめた。

そして、まるで、和人の言葉に応えるかのように。

深い、絶望のため息ではなく、一つの、小さな、しかし、確かな、覚悟のため息をついた。

彼は、意を決して、三つの道のうちの一つへ、確かに、その一歩を、踏み出した。

その、足が、地面に着いた、まさに、その瞬間。

彼の姿は、まるで、夜の闇に、一滴のインクが溶け込むように、すうっと、掻き消えていった。彼は、もう、この場所に、留まることをやめたのだ。自らの意志で、夜の中へ、歩き出すことを、選んだのだ。

ふっ、と、全身を、そして、世界を縛り付けていた、重い空気が、消え失せた。

耳を塞いでいた、不自然な沈黙が破れ、遠くの町の、車の走る音や、虫の声、風の音が、再び、彼らの耳に、鮮やかに、届き始める。

目の前の道は、もう、ループしてはいない。ただ、駅へと続く、見慣れた、アスファルトの道が、静かに、続いているだけだった。

「…終わった…のか?」

鈴木が、呆然と呟く。彼の目からは、安堵の涙が、こぼれ落ちていた。

猛が、その肩を、力強く、何度も、何度も、優しく叩いている。その彼の目もまた、少しだけ、潤んでいた。

「…ありがとう、相田先輩。あんたのおかげだ。俺の後輩を、救ってくれて…本当に、ありがとう」

猛は、和人に向かって、深々と、頭を下げた。

その声には、もう、ただの年上への敬意だけではない。同じチームの、絶対的な、そして、かけがえのない仲間に対する、心からの、信頼と、尊敬の念が、込められていた。

「…別に。俺だけの力じゃない。みんなが、時間を稼いでくれたからだ」

和人は、少し照れくさそうに、そう言った。

彼の心に、仲間たちの、温かい気持ちが、じんわりと、染み込んでくる。河原で感じた、あの、どうしようもないほどの孤独感や、無力感が、ほんの少しだけ、癒されていくのを、彼は確かに感じていた。

自分は、一人ではない。

この、頼りになる仲間たちが、自分の、震える背中を、確かに、支えてくれている。

その事実が、彼に、再び、前を向くための、小さな、しかし、確かな力を、与えてくれていた。

夜の闇の中を、五人は、駅へと向かって歩き始める。その足取りは、来た時よりも、ずっと、軽く、そして、確かだった。


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