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覚悟
「君の覚悟を聞かせてくれないか」
タカシはまっすぐに答えた。
「……不自由な体でも、彼女を幸せにしたい気持ちは誰にも負けません。
時間がかかってもちゃんと自分の足で立って、胸を張って迎えに行きます」
父は長い沈黙の後、ゆっくりと頷いた。
「……立てなかったとしても、彼女の隣にいられる男であれ。私はそれでいい」
——
そしてその数ヶ月後。
タカシは凛花の大好きな桜並木の下でそっと彼女の手を取った。
「結婚しよう。どんな未来でも、一緒に越えていこう」
凛花は泣きながらうなずいた。
「うん。一緒に歩いていこう、タカシ」
——
そして数ヶ月後、支え合って交際を続けていた二人の結婚式。
純白のドレスをまとった凛花は少しだけ緊張した面持ちでバージンロードの先に立つタカシの元へ歩いていく。
車椅子に座った彼が優しく微笑む。
その表情はどこか緊張しているように見えた。