第1話 自由気ままな優斗登場
好評であれば続きを書きます。
「優斗ー、待ちなさーい!!」
「待てと言われて待つ奴が居るわけ無いだろ!」
俺は自転車を漕ぎながら後ろを見る。
「げっ、ヤバい!!」
自転車のペダルを全力で漕いでいるのにも関わらず、全速力で走って距離をものすごい勢いで詰めてくる幼馴染みの真奈美。
「マー、サー、トー!!」
「ひぇっー!!」
これは相当ご立腹のようだ。
「神妙にお縄につけーい!」
俺はギアを数段階上げて、ペダルを漕ぐ速さを限界まで引き上げる。
「うおぉぉぉおおお!!」
自転車のペダルがミシミシと音が鳴り始めるが俺は気にしない。
ここで真奈美との距離を引き離す。
「ふぅ、危なかったー」
真奈美が見えなくなったのを確認して前を向く。
すると、左の壁から髪の毛が白い少女が出てくる。
「どー、ど、どどど、どいてくれー!」
俺は咄嗟にブレーキを掛ける。
「う、うそーん!?」
自転車のスピードが速すぎて、ブレーキが壊れた。
「……こうなったら」
俺は瞬時にハンドルを切って少女との衝突を回避する。
ドンガラガッシャーーン
俺は自転車ごと電柱がある壁に突っ込み、近くにあったゴミの山に逆さまの状態で倒れた。
「あ、あの〜、お怪我はありませんか?」
「あっ、大丈夫大丈夫。あはは」
ガシッ!!
あっ、この感覚は──
「マー、サー、トー♡」
ハハハ、どうやら真奈美に追い付かれたようだ。
真奈美は右手で俺の頭を持ち上げながら「覚悟しなさーい?」っと言ってくる姿はもはや鬼だった。
「最後に言い残すことはないね?」
「あ、あのえっと。す゛、す゛み゛ま゛せ゛ん゛で゛じ゛だ゛ーー!!」
「謝るなら──警察は要らねぇんだよー!!」
「あ〜れ〜!!」
俺は宇宙の彼方へと投げ飛ばされ、流れ星になるのだった。