再会
気が付くと私は、再び薄明かりの街を歩いていた。
但し、今回の街は私の知る街並みでは無かった。
自分がどこにいるかもわからない私は、知らない道を
やみくもに曲がらず、唯ひたすら真っすぐ歩いた。
どうせ夢なのである。
あるいていると神社が見えてきた。
薄明かりの中でみる神社は薄気味悪い場所である。
その日質屋から、家に帰り時計を売って得た報酬が入った
封筒を私は何も言わずそのまま母に渡した。
夕食の準備をしていた
最初、母は封筒の中身さえも分からず、何よこれと
言う顔をしていたが、中身がお金であるという事が
分り驚く母、一瞬で事態を把握した母は封筒から出して
お札の多さに更に驚き満面の笑みになった母の顔は、
私の期待を裏切らなかった。
母は、ビールでも買ってらっしゃいと気前よく私に500円くれた。
心の中で千円じゃないのと突っ込んだ私だが、夕食に2本の缶ビールと
母の陽気な笑い声はその日の夕食を御馳走に変えてくれたのである。
缶ビール2本も飲むと、直ぐに眠くなってしまうから情けない。
情けない私は洗い物も母に任せて寝てしまい、気が付くと再び
薄明かりの街に舞い戻ったのである。
神社の境内には、私を待っていたかのように彼が座っていた。
あの四角い顔の男だった。
「また、会いましたね!。」と私は気軽に呼びかけた。
彼は、私の呼び掛けに応えるように軽く会釈をしてくれた。
「もう、会えないと思っておりましたが、会えてよかったです。」
前回、彼と会った時も、彼の雰囲気は暗かったが、再会した彼の様子は
この前よりも芳しくないらしい…。
「この前、言ってた娘さんの面接行けたのかな?」
共通話題が皆無に等しいので、担当直入に私は前回の話題の結果を聞いた。
「………行きました。私の父も、最後は分かってくれて…。」
元気の無い声で彼はそう答えた。
「よかったじゃん、何はともわれだよ。」
「……娘は、受験に落ちました…私のせいで。」
男は、苦しい胸の内を明かすかのように詳細を語り始めた。