表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
早朝の月  作者: 野松彦秋
第1章 祖父との交流
8/18

質屋巡り

私の見に行った映画は、期待以上に面白く満足だった。

但し、質屋周りはその映画以上に面白かった。

私が時計を持ち込んだのは、3店でありどの店もチェーン店であった。


3店とも、同じ品を査定したのだが、金額の違いには大変驚かされた。

一番安く査定した店と、一番高く査定してくれた店の金額の差は

26倍だったのである。2番目に高い価格を提示した店と比べても

3倍以上の差が有った。

可笑しく思えたのが、一番高い査定をしてくれた店以外の

2店の店は、大きく高額査定を謳っており、一番高く査定したとこだけは

特に高額査定と謳っていなかった皮肉な結果であった。


もう一つの悲しい事実は、いくら有名ブランドの時計でも、人気商品以外は

何の価値も無く、二束三文であるという事。

私が持って行った時計の中に、たまたま金時計が一つ有り、

昨今の近隣の国の戦争情勢や円安という外的要因が重なり現状、金の取引価格が

上がっており、その為高い金額を提示されたらしい。

時計としてではなく、金として購入したいという事を言われた。

最後に訪れた質屋の方が、一番高く査定してくれて、又色々な事を教えてくれた。

その店、いやその鑑定の方に対して、私が持った信頼感の大きさはどう表現しても

他の人には通じないと思う程であった。

それとは、逆に低く査定した店もあり、3店を回る選択をした自分を誇らしく

感じさせてくれる体験であり、また人を簡単に信じる危うさを痛感した。


モノに対する評価が3者3様であれば、人に対する評価もそうなのだろうと

一度や二度の失敗であきらめず、3度目をトライする事の大切さも思いださせて

くれた日にもなった。


可笑しなもので、二束三文と査定された時計は、捨てずに私が使いたいと

思うようになった。現金な私もいるが、矛盾しているかもしれないが

捨てるには惜しい祖父の大事な形見なのである。


母では、自分で売るという決心ができないと思った私は、金時計だけを

母の意思を確認せず、その場で信頼できる鑑定士に売る事にした。

親孝行であり、現金で不義理な自分を自覚して・・・・。


母は、怒るかな?いや絶対に喜ぶはずだ!

祖父にはごめんなさいと心の中で呟いた。















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ