表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
早朝の月  作者: 野松彦秋
第2章 友との交流
18/18

月のように

目が覚めて、目元が少し濡れている事に気づく。

自分の願望が見せた夢なのか、それとも亡き友の気遣いなのか

両方だと思えば、納得もするし幸せな気分になるので

私は理由を断定しない事を選択した…。


夢の中でも、人前で泣くなんて何十年ぶりだな。

そんな事を考えながら、ぼんやりと天井を眺めていた。


ふいに時間が気になって頭の横に置いてある時計に目をやる。

朝5:00である。ちょっと早いが、今日は古紙回収の日なので

私は上着をはおり、ゴミを持って外に出た。


暗さは残っているが、風が何時もより暖かく感じられ、

爽快な気分になる。

朝日が昇ってくる方角が、明るくなっていた。

空には未だ月が見えているが、黄色ではなく白色である。

夜の月とはまた一味違う、神秘さを漂わせている。


月は、太陽が出ると太陽の光に隠され身を隠してしまうが

消えていない。夢の中で大山が私に言った言葉が、頭の中で

繰り返される。友が私の人生を見ている、陰ながら応援して

くれている。まるで今見てる月の様な存在である。


一つの事実に辿り着く。

私には月の様に見守ってくれている人達が沢山いる事に。


10日後には、新しい職場での新しい世界が私を待っている。

正直気持ちが憂鬱になる時があった。


しかし、早朝の月を見上げた私の気持ちは、戦国時代の

東北の雄伊達政宗の辞世の句※のような晴れ晴れしい

気持ちになっていた。


※曇りなき心の月を先立てて浮世の闇を照らしてぞ行く


桜が満開になり、風は暖かい、まるで私の追い風に

なってくれているみたいだ。

「さあ、行くぞ!。」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ