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第16話 ツヴァイ


 朝目覚めると隣に天使がいた。


 いや、昨日連れて来た奴隷だった。

 名前はまだない。


 それにしても気持ちよく寝ているな。

 昨日あんな目にあったというに……


 俺は慣れて来たのか気持ち悪さはないな。


 起き上がるとすでにアインスが目覚めていた。

 いつも通りで安心する。


「おはようございますご主人様、少々お待ちください」


 ドンッ!


 アインスは隣で寝ていた天使を叩き落とした。


「いつまで寝ているのです!主人よりも長く寝るとはそれでもご主人様の奴隷ですか!」


 おぉ、これがアインスの奴隷理論の1つか。

 亭主関白の妻みたいだ。

 女性からしたら嫌だと思う者もいるだろうが、俺は悪い気はしない。


「ぁ……、ぇ……え?」


 なんだか状況が分かっていないようだ。


「おいお前、昨日のことは覚えているか?」


 天使はおどおどとしていると急に顔が青ざめていく。


「……あの、なんでもします!……だから、殺さないでください!」


 天使は涙目になって土下座して懇願してくる。

 うん、いい気分だ。


「あいつはお前を手に入れるために殺したんだ。そのお前を殺すはずがないだろ。お前にも言っておくが俺は一度手に入れたものを簡単に手放すつもりはない」


「わたしは、あなたの奴隷になるのですか?」


「そうだ、今までの過去も名前もすべて捨てろ、これからは新しい自分になって生きるんだ」


 俺は奴隷契約スキルを使い、ツヴァイの胸元の奴隷紋に血を垂らした。

 奴隷紋が光りこれで契約は完了だ。


「お前の名前はツヴァイだ。ゼントの奴隷のツヴァイだ」



 名前:ツヴァイ

 レベル:3

 年齢:15歳

 性別:女

 種族:人間

 魔法:なし

 スキル:〈料理LV4〉〈礼儀作法LV2〉

 称号:ゼントの奴隷new



 アインスの次だからツヴァイでいいだろ。


「分かりました。わたしはこれからツヴァイと名乗ります。ゼント様とお呼びすれば良いですか?」


「奴隷の分際でご主人様の名前を呼ぶなど!」


 アインスがまた奴隷理論を語り始めた。


「別にかまわない。アインスも呼びたかったら名前呼びでもいいぞ」


「いいえ、私には重すぎることです」


 重いのはお前だと思ったが、強く思われるのはやはり気持ちがいいな。


 その後はアインスによるツヴァイへの奴隷理論授業が始まった。


 俺が口を出してもいいが、こういうのは自主性に任せるのがいいだろう。

 けっして面倒くさいからではない。


 それに俺にはしないといけないことがある。

 昨日伯爵から貰ったアイテムボックスの中身の確認だ。


 崩れる屋敷の中で急いでアイテムボックスにしまったので、何が入っているか把握してないんだよな。

 高価な物とかはどこかに売りにだして金にしたいが、もしかしたら伯爵の持ち物だと特定されたら困るからな。

 慎重に事を運ばないとだな。


 もし俺だと特定されて衛兵などに追いかけまわされたくはない。

 アインスやツヴァイが狙われたら、あっという間に捕まるか殺されるだろうな。


 騎士1人なら対処出来るかもだが、レベル的に騎士団全部を相手に出来ない。

 アインスもツヴァイも含めてレベルを上げて貰ってくれないと今後が困る。


 なんだか、前世のオンラインゲームが思い出されるな。

 魔王側の配下(新規生)の手助けとかもやってたし、王国の滅亡とか超テンション上がってくる。


 ゲーム感覚で人殺しなどやっている自覚はあるが、これがやめられない。


 すげー楽しい!


 ゲームを現実として体験できるのは素晴らしいな。

 VR技術が発展しないかと期待していたころが懐かしい。


 そんな自分に酔うような事を考えている場合ではないな。


 俺はアイテムボックスの作業を開始した。

 これもステータス画面のような四角い画面でフォルダ分けとかも出来るから時間がかかる。


 でも、ゲームをやるのは楽しい。

 こういうのは何時間でも出来るな。



 1時間後やっとアインスの授業が終わった。

 ツヴァイはぐったりと項垂れていた。


「終わったなら、飯と武器を取りに行くぞ」

「はい!」

「………」


 ツヴァイから返事がない。

 どんだけ疲れたんだよ。


「おい!ご主人様からのお言葉だぞ。ちゃんと返事をしないか!」


「はぃ!……すみません!」


 ツヴァイは急いで立ち上がり頭を下げた。


 あまりやり過ぎるとパワハラになるから、うるさく言うならアインスに釘をささないとな。


 ブラック企業にならないように気をつけよう。


 着替え途中アインスとツヴァイが特に隠しもさずに同じ部屋で行ったが特に語ることもない。

 ただ想像以上だったということだけだ。



 結局、俺を疑うような訪問者はいなかった。

 このまま気付かれずにいてくれることを祈るよ。



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