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Takeda Kingdom!甲斐国は世界を目指す  作者: 登録情報はありません
第7章
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1544年プラント稼働

駿河国に銑鋼一貫製鉄所、石油精製施設、港湾施設が誕生した。

駿州往還が開通して甲斐信濃-駿河間が鉄路で繋がった。


今川武田プラントのCEO、今川義元氏のスピーチが始まった。

 「今日はこの良き日に、事業開設の為に尽力して下さった方々に感謝を捧げます以下略」


すぐ乾杯の音頭をとって乾杯した。

「乾杯!」


甲斐信濃から清信、晴信、浅信が出席した。

浅信がいれば、ボディガードはいらないのだ。


清信「製鉄所がでかい、でかすぎる」

晴信「石油精製所もでかいといえばでかい」

浅信「敵の素っ破発見、偏向完了」


製鉄所の高炉にコークスと鉄鉱石が入れられ、稼働が始まった。

今までの高炉への送風は、常温圧搾空気であった。


この高炉には熱風炉が付き、蓄熱レンガを利用して、高温で熱風を作る。

2つの熱風炉を交互に稼働し、常に熱風を絶やさないようにした。


「熱風炉が2つでは不足かなあ」


「2つで充分ですよ」

「まかしてくださいよ」


熱風炉の予備施設の増設の話だった。

さらに2つの熱風炉の増設をするか否か。


これは蓄熱レンガの耐久力、交換頻度による。

熱風本管及び熱風環状管の耐久力も関わってくる。

 1200℃、5気圧の熱風に耐えるために、耐熱衝撃性に優れた高アルミナれんがを隙間なく貼ってある。


2人は立ち食いうどんのコーナーで熱弁を振るっていた。


「技術者も燃えてますねえ」と晴信。

「熱血漢のいいヤツらばかりだよ」と清信。


なんか技師の間で揉めてるが、解決したようだ。

邦楽『扇の的』が始まった。


「いり~ひ~、かたむくぅ~う~~」

ペケペ~ン~。


夜半には石油精製施設も稼働し出した。

煙突から余分な石油ガスが燃焼する炎が吹き上がる。

ボッファア~ンドゴゴゴゴッ。


庶民A「煙突が燃えてる!」


庶民B「アレはフレアスタックだよ」

「重油の蒸留過程で出る余剰の石油ガスだよ」


庶民C「ガスを回収してリユースするんじゃないの?」


庶民B「燃やしたほうが安くて安全なんだよ」


庶民AC「……」

庶民AC「貴様!奇妙寺の者だな!」


庶民B「ど、どうしてそのことを」


この工場地帯の夜景が、荘厳な雰囲気を醸し出し、有名になった。

後日、ツアーが組まれて、夜間遊覧船が出されるようになった。


夜間照明に映える煙突や配管、タンク群を愛でるんだそうだ。


駿州往還は富士川沿いに作られた鉄路である。

地質は各種固結堆積物(礫岩、泥岩、粘板岩)である。


富士川は糸魚川~静岡構造線に沿って流下する河川である。

多くの断層群の影響で、富士川流域は崩れやすい環境にある。


1000年で7m動くと言われており10年で7cm動く。

これを考えれば、100年で70cm動き、トンネルなら使えなくなる。


こういった場所は避けて通る事となった。


難工事の末、どうどう開通した鉄路。

これは現代では見延線と呼ばれている。


清水港は、すでに1バースだけ南蛮船接岸設備があった。

それを拡張して10000DWx2に拡張した。


水深15m、長さ700mの港湾施設だ。

南蛮船は全長60m、排水量2300tで喫水8mを想定している。

10000DWで排水量10000tの船が積み降ろしを同時に出来る事を想定している。

つまり10000DWx2、南蛮船(2500t)ならば8隻同時積載可能という事である。


当時の南蛮船の積み降ろしは接岸せず、小舟を使ったものだった。


接岸は長年の夢が叶った格好であった。


今川義元「これで駿河国も万々歳じゃ」

武田清信「駿州往還も完成し、商業、流通の基盤も完成した」


清信「あとは諏訪、北信濃をなんとかしないとなあ……」

義元「堀越氏・井伊氏を抑え、河東もなんとかしないとなあ……」


どちらも隣国の平定、庶兄の反乱と悩みの種は尽きなかった。


素っ破の報告によると、また越後では内乱だそうだ。

弱冠15歳の若輩が反体制派の豪族を一蹴したらしい。


彼の名は虎千代(長尾景虎)。


北信濃平定の暁には、彼と対峙しなければならない。


彼が思慮深く、機知に富む武将ならば、同盟も組めるだろう。

だが、そうでない時は、全力で戦うしかない。


「不毛だ」と清信。

「一体、戦国の世はいつ終わるのか」


「それを終わらせるのは、わしらかもしれんぞ」と義元。

「え?」と清信。


今川義元が西進作戦を開始するのは、16年後の1560年。

桶狭間村・田楽狭間の戦いの年である。


義元の目にはすでに未来の構想が写っていたのかもしれない。

次回は1547年超常の弟・浅信です。

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