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Takeda Kingdom!甲斐国は世界を目指す  作者: 登録情報はありません
第2章
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1410-1450年錬金術から化学へ001(気体分子)

二酸化炭素、酸素、窒素の発見。

酸素と水素の燃焼から水の合成の予見。

化学の分野に踏み込みます。

1418年。

奇妙寺僧形の莱克(ふら~く)は奇妙なガスを見出した。

炭酸ガス(二酸化炭素)だった。


兵庫県有馬温泉に炭酸泉源というのがあって、天然の炭酸水が飲める。

実際に飲むと微炭酸で硫黄の臭いがする(ドブ臭い)。

これは炭酸ガスが水によく溶ける性質のために出来たものだ。


他にはビールや日本酒等が出来る時に桶の表面に出てくる泡が炭酸ガスだ。

発酵の際にアルコールと炭酸ガスが発生する。

発酵中の液体表面に漂っている目には見えないガスである。

空気より重く、火を近づけると消える性質がある。


莱克(ふら~く)が石灰石を強熱する実験している時だった。

試験管の中の石灰石から霧状のものが発生している。


「ガスだ!」


彼はそう言うと 水上置換法で謎ガスを集気びんに集めてみた。

無味無臭無色透明のガスだった。

それに火を近づけると消えてしまった!


二酸化炭素を発見したのだ。


すぐに多くの僧形が、二酸化炭素の存在を確認した。

石灰水に二酸化炭素を吹き込むと白濁し、炭酸カルシウムが沈殿する。

左官の経験のある僧形がこれに思い当たった。

「これは漆喰が固まる工程と同じだ」

空気中の二酸化炭素を取り込んで、固まる現象と同じだった。


試しに人間が吐き出した空気を石灰水にくぐらせたところ、同じ現象を得た。

医療の経験のある僧形がこれに気付いた。

「人間も酸素を燃焼して二酸化炭素を排出している!」

人間の呼気(吐気)にも僅かながら二酸化炭素が(5%)含まれているのがわかった。


二酸化炭素は白亜(炭酸カルシウム)に薄い塩酸を垂らしても発生する。

 またほぼ純粋な炭素(木炭や骸炭等)を酸化(燃焼)させると空気中の酸素と結合して発生する。

二酸化炭素は身の回りに当たり前にある物質だった。


1418年。

酸素の発見は偶然であった。


約瑟(ゆぇせふ)という僧形がいた。

彼は化学について、とりわけ気体についての研究に没頭していた。


太陽光線を集光する巨大凸レンズで、集光すると焦点は高熱となる。

「実験に使えるかもしれない」と約瑟(ゆぇせふ)


密閉したフラスコに、赤色の酸化第二水銀を入れ、焦点に置いた。

酸化第二水銀は錬金術では水銀を350℃に加熱して得られる。


中国錬丹術では「赤降汞(せきごうこう)」と呼ばれていた。

錬丹術は外丹と内丹にわかれ、もっぱら外丹の事を示す錬金術の一種だ。

西洋が金を求めたのに対し、中国では不老不死を求めた。


その出発点を両者とも硫化水銀や鉛、水銀に求めた。

その為に炉で過熱し、化合物のイオウを加え、練り鍛えた。


葛洪(かっこう)(283-343)は著書「抱朴子」の中でこう述べている。

丹砂を加熱すると水銀となり、水銀を加熱すると丹砂となる。

この永続性に不老不死の妙薬を見出したのだと考えられる。

実際には酸化水銀(II)の加熱による変化と錯誤したようである。


さて、焦点が高熱になった瞬間、「光分解」する性質により酸素と水銀に分解した。

{備考:この水銀化合物に、光反応性がある物性は、将来写真技術に応用される}


「ガスだ!」


彼はそう言うと 水上置換法で謎ガスを集気びんに集めてみた。

無味無臭無色透明のガスだった。


それに火を付けると爆発的に燃え上がった!

炭酸ガスとは逆の性質のようだった。


実験動物でその毒性を調べてみた。ねずみだ。

集気びんの中で元気に跳ね回っている。無毒だ。

彼は「酸素」を発見したのだった。


窒素の発見。

丹尼爾(たんえる)という僧形が発見した。

これは引き算で空気から発見された。


①密閉容器中で紙を燃やす。

②酸素が消費され、燃え尽きる。

③酸素が燃料の炭素と結びつき、炭酸ガスが残る。

④気密容器の中に石灰水の上澄みを入れ、よく振り混ぜる。

⑤そうすると炭酸ガスは石灰水と反応し、白濁する。

これで酸素も燃え尽き、炭酸ガスも石灰水に吸収された。


残った気体が該当するガスだ。


不燃性で致死性のガスだった。

これに窒息するガス、窒素という名がつけられた。



水素の発見。

硫酸が発見されて以来、さっそく金属に硫酸を垂らして反応をみた。

どの金属もシュワシュワと泡を立てて溶けている。

一番溶けたのは亜鉛だったので、その気体を水上置換法で集めてみた。


燃えない。


単独では燃えない。

酸素と混ぜると爆発を伴って燃える。

発見したのは水素だった。


蛇足:水の合成

酸素と水素が爆発して反応すると水蒸気が出来ているのだが最初は気付かない。

だが何年も何千回もやってみるとある事に気付く。


「湿気が多いな」


こうなると焦点が湿気に向いてくる。

 密閉容器に水素と酸素を充填しては反応させ、様子をみると確かに水が合成されてる。

では水を化学反応で酸素と水素に分解する事はできるのか?


これには水素イオン、水酸化イオンと電気分解のほうで触れる事とする。


炭酸ガス(二酸化炭素)の発見。

酸素の発見。

窒素の発見。

水素の発見。

水の合成の発見と分解の可能性の予見。


もはや錬金術の時代ではない。

記録し、他者が再現する化学の時代へ踏み込むのだ。

これらの発見と物性が中世から近世への革新にどうしても必要だ。

次回は「電気分解」です。

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