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Takeda Kingdom!甲斐国は世界を目指す  作者: 登録情報はありません
第11章
131/169

1583年関ヶ原(3/4)

織田軍団移動指揮所(本陣)


続々と足軽たちが帰ってきた。


10000人の遊撃隊の生存者は100人に届かなかった。

「まあ、こんなもんだ」と秀吉。

さっそく首検分が始まった。


だが……。


「浅信の首を持ってきました」足軽が槍の先に首を刺して持ってきた。

「浅信の胴体です」胴体を持ってきた者もいる。


「浅信の首を検分。浅信本人と確認致しました」と秀吉。

「うむ」と信長。


「清信の耳です」「清信の眼です」「清信の頭の上半分です」

清信の首は現場で取り合いになったらしい、バラバラになってしまったのだ。


「清信の首の部品を検分。清信本人と確認致しました」と秀吉。

「うむ」と信長。


その時、武田の陣地に動きがあった。


「武田軍団が退却を始めました!」と斥候。

「武田軍野戦陣地に砲撃の閃光を確認!着弾は12秒後」


「各自散開して自分の身を守れ」と信長。


ズッガアァア~ン、ビリビリビリッ。

ガンッガアァ~ン、バラバラバラッ。


「やれやれ倍返しというわけか」

「御館様、お急ぎください」

「指揮所移動開始せよ」


「どうやら野砲を捨てコマにして撤退する気です」と秀吉。

「この機を逃すな、野砲陣地に集中砲火!全軍突撃せよ!」と信長。


遂に信長の軍団は動き出した。

織田軍の120mm自走砲群が一斉に火を噴き、武田軍の殿軍に着弾する。

武田軍も105mm野戦砲で撃ち返すが、いかんせん威力が違い過ぎた。


武田軍野戦砲陣地は粉々に吹き飛んでしまった。沈黙である。


「進軍ドラム隊、前進!」

ダンダカダンッダンダカダンッ。

進軍ドラム隊の不気味なリズムが戦場に鳴り響く。


それに合わせて、戦列歩兵が横一列に並び、歩を揃えて前進してくる。

以前は突撃していたが7割が逃げてしまい、今のこの形に落ち着いたのだ。

逃げれば銃殺である、前進し敵を撃破しなければ、この先生きのこる道はない。


算を乱して逃げ惑う武田連合軍の殿(しんがり)に追い付いた!

120mm自走砲の着弾と同時に、織田軍突撃歩兵が、武田軍団を蹂躙し始めた。


大谷吉継「勝機は我らにあり!」

「鉄砲足軽は銃剣を装着せよ!」


大谷吉継「斬って斬って斬りまくれ!」

「武士団は抜刀せよ!」


大谷吉継は武勇に秀でた槍の名手だ。

だが近接戦だ、釣鐘切国行を抜刀した。


古き良き時代の肉弾戦も乱戦では有効だ。

逃げながら銃を構えて狙いを定めるのは至難の業である。


おまけに120mm自走砲の着弾の轟音と噴煙で、あたりは大混乱だ。

釣鐘切国行は存分にその威力を発揮した。


武田軍も、あわてて戦闘を開始するも、時すでに遅し。

逃げ戦は、実は武田軍は苦手である。


こうなると戦闘は一方的である。

逃げる武田軍団、追いすがる織田軍団。


敗走する武田軍団の中に逍遙軒、勝頼、信親、信之の姿があった。


「もうだめだ、おしまいだあ」と逍遙軒。

「信親、信之も覚悟は出来ておるか」と勝頼。

「はい、私たちも武士の子です」と2人。


敗走は関ヶ原を出て大垣に達した。

北条軍、今川軍は脱出に成功している。


三河の家康軍と甲斐武田軍がまだ残っていた。

「なんでワシはいつもこうなんだ?」と家康。


「ダイジョウブ、シンパイハイラナイヨ」と本多忠勝。

ズッシィィ~ンッ、バビュ~ンッ。


バックパックのメインエンジンが火を噴く。

巨躯を深く沈め、重装甲の本多忠勝は高く高く跳躍した。


「ジェットエルボー!」名槍「蜻蛉切」で敵突撃歩兵を一閃する。

ズガッドガッバキッ。

「はうあっ」「うほうっ」「はがっ」

一挙に3人の敵突撃歩兵を葬った。

さらに返す刀で3人をなぎ倒した。


本多忠勝の強さは異常値である。

徳川軍はなんとか脱出に成功した。


問題は甲斐武田軍である。


信繁は殿軍で奮戦していた。

信繁軍の将兵は500人、追いすがる織田軍突撃歩兵は2000人。

1人で4人を相手にする計算である。

前後左右から一斉に攻撃され、次々と切り伏せられていく。


「一歩も退くな、ここが肝心だ」と信繁。

「今日は死ぬには良い日だ」

「ここが破れたら本隊ぞ、踏ん張れ踏ん張るん……うぐう」


信繁の脇腹を銃弾が貫いた。

「こ、こ…こま…で……」

敵兵がワッとたかって首級を上げた。


殿(しんがり)を破られた武田軍団はもはや虫の息であった。

次回は1583年関ヶ原(4/4)です。

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