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Takeda Kingdom!甲斐国は世界を目指す  作者: 登録情報はありません
第11章
130/169

1583年関ヶ原(2/4)

武田軍団移動指揮所(本陣)

「ううむ、このままでは埒が明かん」と清信。


「俺が正面突破しれやる!」と逍遙軒。

「やめろ、しかも呂律が変だぞ、落ち着け信廉。熱くなるな」


「しかし本当にどうにもならないな」と浅信。

信親、信之も指揮所に馳せ参じていた。

しかし方策があるわけではなく立ち尽くしていた。


織田軍団移動指揮所(本陣)

「忌々しい濃霧だ、それにこの湿気」と信長。

「う~むむぅむむむ、ふしゅるぅふふふ~」と秀吉。


秀吉は変な音を出し始めた。

猛烈に脳の思考回路が活性化する!


ピッキーン!乾いた音が響いた。

「まとまりました、名案です」と秀吉。


 「撤退して、兵10000人を遊撃隊とし、鈴鹿山脈東麓より鞍掛峠を通り垂井に出ます」

「垂井は関ヶ原後方だ、挟撃に出来るか」と信長。

「この秀吉にお任せあれ」


秀吉は山賊紛いの野武士の集団や木曽川の川並衆(川筋の無頼漢)に顔が利く。

荒くれ者の地侍をまるでで飼い犬を慣らすようにして使いこなすのだ。

これは秀吉の超常の力である。


だが彼は気付かない。

自分は人たらしの天才だと思っている。


直ちに全軍が撤退した。再び膠着状態である。

その間に両軍とも、休息と兵站の補給が行われる。

秀吉は近習と共に、各兵団より荒くれ者の足軽を、10000人ほど集めてきた。


「よいか」と秀吉。

「我らは遊撃隊なるぞ。自由に思う存分やってよいぞ」

「だが目標は清信、浅信の首ぞ!恩賞は思いのままだ」


「うおぉ~っ、おもいのままだぁ、おうおおぉお~っ」


10000人の荒くれ者達の唸り声が地響きのように木霊した。


夜を待てという前に我先に駆けだす者、夜を待って刃を研ぐ者など様々である。

戦略戦術も大事だが、時の運も大事だぞ、というのが秀吉の持論である。

 もはや街道を外れて鈴鹿山脈東麓から関ヶ原へショートカットする強者まで現れた。


「それでいい、それで」秀吉はほくそ笑んだ。

命令よりも恩賞よ。

「ふしゅるぅふふふ~」


秀吉は四股(シコ)を踏むように腰を下げると手を思いっきり前へ出してくるくる回した。

「この戦、勝ったぞ!」

これは秀吉の恥ずかしい勝利の踊りであった。


一方ここは武田軍本陣。

武田軍の移動指揮所は超遠距離砲撃を想定したトレーラーハウスのようなものだ。

 以前は特殊装甲車だったが、かえってターゲットにされたため、この仕様に落ち着いた。


特に装甲や兵装があるわけではない。

 カーキ色をしたタイヤ付きの木製のプレハブ住宅である。ただし防弾のため鉄張りである。


窓はない。至近弾の爆風で割れてしまうからだ。

 400人の武田軍親衛隊に十重二十重に守られており踏破不可能な鉄壁の守りである。

そこに10000人の遊撃隊が肉弾土石流の様に襲い掛かったのだ。


最初の2000人は、武田軍親衛隊400人によって、切り伏せられた。

殿(しんがり)の2000人が駆け付けた武田軍に射殺された。


いわゆる逆捨奸(ぎゃくすてがまり)戦法である。

だが6000人がトレーラーハウスに雪崩れ込んだ。


浅信と清信は南蛮渡来の紅茶を楽しんでいた所だった。

ドシンバタンドタンッ。


「何奴!」と清信。

「誰かある、誰かいないか!」と浅信。


浅信が超常の力で捻じ伏せられたのは最初の100人だけだった。

いかんせん多勢に無勢である。


もう逃げられない。

ドカッザクッザクッグキッボキボキッ。


近習が駆け付けた時には、総てが終わっていた。

そこには何もなかった。

ただただ、血の海が広がっているだけだった

次回は158年f関ヶ原(3/4)です。

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