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Takeda Kingdom!甲斐国は世界を目指す  作者: 登録情報はありません
第11章
129/169

1583年関ヶ原(1/4)

■織田軍団

島津35000人、龍造寺10000人、大友10000人、他10000人、合計65000人。

秀吉信忠九州駐留軍が20000人加わるので合計は85000人。


■武田軍団

武田30000人、家康15000人、今川20000人、北条15000人、合計80000人。

畿内は様子をうかがっており、中立を守っていた。


秘匿兵器は無い。どちらも最新近代兵器で武装している。

兵站も充分でどちらにも遜色はない。


本陣は近代戦なのでどこにあるかわからない。

移動指揮所であり、常に移動している。


決戦の朝、濃い霧が関ヶ原に立ち込め始めた。

桃色の霧だ。


斥候「煙幕だよ、それ!」

紫、黄色、緑、もうわけがわからないよ!


「うぉおりゃあぁあ~っ」

武田軍で突き抜けた叫び声を上げながら突進して行く赤備えの軍団がある。


「先陣は福島正則だろ?誰だよアレ」と清信。

福島正則と池田輝政が先陣争いをしていたのは有名だ。


測距儀を覗いていた測的員が答える。

「はっ……、井伊直政にて(そうろう)


七色の霧の中で乱戦である。

85000人と80000人が関ヶ原で大乱闘(バトルロワイヤル)だ。


「なにぃ~っ、全員突撃で出払って誰もいないだと」と清信。

「はっ」と近習。

「どうすんだよ~戦術」「どうやんだよ~戦略」


これはどっちの軍団も同じだった。


「島津軍団はどうした」「先陣は誰が行ったのか」と信長。

「はっ、大谷吉継ですが、乱戦にて所在は不明でござりまする」と秀吉。


「勢力図が掴めねば戦術も戦略もない」

「ただちに伝令を向かわせ配置を徹底せよ」


大谷吉継は秀吉と1歳違いの盟友だ。

九州征伐でも功績があり、今回も先陣を任されている。


一時期業病に冒され、難渋していた。

白装束に白いマスクは皮膚に現れた糜爛(びらん)が感染症にやられたのを隠すためだった。


しかし、リファマイシン(ハンセン病治療)とペニシリン(梅毒)で快癒している。

1回500mlを1日3回4週投与する。

1回2時間として6時間拘束だから、けっこう大変である。

快癒しても白装束なのは、単に気に入ったからだった。


「まったく奇妙寺には頭が上がらんな」と吉継。

「だが戦では全力で叩かせていただく!」


すさまじい煙幕での銃撃は同士討ちを招く。

双方とも長槍隊を先頭に、小競り合いが続いた。


もくもく。もくもく。

煙幕は本当の霧を読んだようだ。濃霧である。


一寸先もホワイトアウトしている状態である。

大谷吉継も井伊直政も、睨み合ってはいるのだが、如何せん、顔が見えない。


とうとう痺れを切らした鉄砲足軽がライフル銃をぶっ放した。

もちろん盲撃ちだ、後ろや前を勝手に向いての発砲である。


ダーンダダーンッ。

ダンダンダーンッ。


「うぐっ」「はええっ」「ひぇっ」

「味方に当たってるぞ!」「銃撃やめ」


ダーンダダーンッ。

ダンダンダーンッ。


「中止だ」「撃つのをやめんか」

だがしかし、その命令はどっちの指揮官が出しているのかさえ分からなかった。

銃撃は双方とも止んだ。


「銃剣を装着せよ!」指揮官が叫ぶ。

すると敵も味方も一斉に銃剣を装着した。

この霧だ、どっちの士官かは分からなかった。


一瞬、敵味方の動きが静止した。

カチャカチャッ。

カチャカチャッ。

銃剣を取り付ける音だけがする。


し~ん。

静寂があたりを包んだ。


「お~い」

「なんだ~」


「敵か味方かどっちだ~い」

「そういうお前はどっちだ~い」


こんな調子である。本当に見えないのだ。


武田軍の符丁は「クリケットを2回鳴らす」が合図だった。

これが織田軍のライフルのコッキングの音に似ていて、全然役に立たなかった。

1583年関ヶ原(2/4)です。

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