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Takeda Kingdom!甲斐国は世界を目指す  作者: 登録情報はありません
第9章
110/169

1574年高松城攻略

次回は1574年高松城陥落です。

一方、中国征伐も、いよいよ佳境に入った。

備中(岡山)高松城攻めである。


備中と備前の国境に位置する高松城。

毛利氏に味方する備中の豪族たちの防衛ライン「境目七城」の一つである。


この高松城は土塁で守られた平城であった。

沼地と堀に囲まれ、攻めるに難く,守るに易い天然の堅城だ。


ここでは秀吉は、世にも珍しい水攻めを行った。

高松城もこれまた世にも珍しい沼城であった。


2度攻めたが堅城であり、容易には落ちなかった。

加勢の毛利軍が接近していたため、水攻めに切り替えたのだった。

足守川を堰き止め、蛙ヶ鼻から全長3000m、高さ7mの大堤防を築く。


足軽A「秀吉様はなぜ最新兵器の使用を拒まれるのか?75mm速射砲なら一撃だろうに」

足軽B「これでは莫大な費用と日数が掛かってしまう」

足軽C「見せしめだよ、三木も鳥取の時もそうだったろ?」


足軽大将「はいはい、口より手と足を動かす!」

足軽ABC「へーい」


恐るべきは秀吉。

最新兵器より秀吉の方が遥かに恐ろしい。


最新兵器は使わない。

使わなくても勝てる、


そう敵に思わせる。

策略なのだ。


じっくり弱らせて懲らしめる。

相手が泣きついてきても、突っぱねて懲罰をさらに強く締め上げる。


そうしてこちらから解放するのだ。

こうすれば2度と逆らわない体制が出来上がる。


泣きつく相手を許さないのは甘く見られないようにする為だ。

許せばまた機会があれば反逆する、また泣きつけば許されるからだ。

彼は若い頃の奉公で散々に学んでいた。


こうして秀吉は土木機械を使って12日間で堤防を築いた。

加勢の毛利軍が駆け付けた時はすでに高松城は「湖の孤島」となり果てていた。


ちゃっぽん、ちゃっぽん。

堤防に打ち寄せる風波が呑気な音を立てている。


対岸には毛利輝元、小早川隆景、吉川元春らの陣構えが見て取れる。

秀吉は高松城に降伏条件を利をもって説いたが、無駄足が続いていた。


「利をもって説くも義によって応じず、か」

秀吉は独り言ちた。


高松城主の清水宗治は今時珍しい武士(もののふ)であった。

忠義に厚い武将であり、頑として降伏に応じないのだ。


ザシンッ。


秀吉は立ち上がった。

こうなれば毛利軍側に調略によって動いてもらおうか。


一方、毛利側陣地では……。

「平城のため、城内では床下浸水が始まり、衛生状態が悪化しています」と高松城使者。

「高松城は「境目七城」の内の主城である。落とされる訳にはいかん」と輝元。


「だが、みすみす見殺しにも出来ん」と小早川。

「ふーむむむっ」と吉川。


そこへ安国寺恵瓊(あんこくじ えけい)が陣幕を引き上げて入ってきた。

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