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Takeda Kingdom!甲斐国は世界を目指す  作者: 登録情報はありません
第9章
104/169

1573年清洲城要塞

清州城は要塞化していた。

南蛮からサルベージされた砲塔群。


コンクリートを駆使して建てられた強化鉄筋トーチカ。

進軍阻止のための鉄条網と塹壕。


そして築城は稜堡式城郭(星形要塞)である。

星形要塞は死角がなく、さらに十字砲火が可能だ。


昔の天守閣は砲撃戦の的になるから取り壊し、強化ブンカーとなった。


天井の厚みは7mもあり、240mm列車砲弾の直撃にも耐えられる。

鉄壁要塞「キヨス」(織田側の呼称)の誕生だった。


だが武田軍が一枚1も二枚も上手(うわて)だった。

負傷した武田軍司令官・武田清信はもう容赦しなかった。


浅信は反対だった。

「まだ早すぎます」

「実証実験も済んでいない実物大模型ですぞ」


清信はもう決めていた。

「だがしかし」

「実物と同じに作ってはある」


開発途中、実験段階、机上の空論。

あらゆる兵器を投入した。


「全軍撤退せよ」と清信。

清信は地上軍に撤退を命じた。


そのかわり。


1571年に比叡山救出に使用した航空機。


これが2年後の今。

さらにさらに超強力になって現れた。


成層圏空母「甲斐」。

片翼が前進翼で、片翼が後退翼の先進的実験翼を持つ空飛ぶ空母。

挿絵(By みてみん)

3機の爆撃機を搭載する航続距離11000kmの化け物である。

これは机上の空論で実物大試作模型があっただけだが、強引に1機だけ製作した。

全翼爆撃機「ヤツガ」。

爆撃機は二重反転プロペラを持つ過給機(スーパーチャージャー)付きだ。

プロペラ機はプロペラ先端がマッハ1に近づくと揚抗比が低下する。


つまりいくら出力を上げても推力が増さない現象が出てしまう。

だが「ヤツガ」はマッハ0.88まで可能だった(実験測定値)。

挿絵(By みてみん)

実物大試作模型段階だったが、強引に1機だけ製作した。

地中貫通(バンカーバスター)爆弾。

ロケットブースター加速爆弾。

重量による自由落下+ブースター加速による強化ブンカー貫通爆弾である。

試作した実験用コンクリ弾頭弾を実弾装備に転用した。

超大型爆弾。

重さ9000kg、全長8m。

成層圏空母「甲斐」とて1発しか搭載できない超大型爆弾。

地中貫通爆弾で敵ブンカーに穴を空け、超大型爆弾で粉砕する手順である。

机上の空論だったが製作した。


本当は新兵器の連続投入はしたくなかった。

全世界が見ているのだ。


すぐにでも模倣が始まり、あっという間に同型兵器が登場する。

特に南蛮世界の欧州は高度な技術があり、危険である。


しかし西上作戦で織田軍を撃破し、上洛を達成する。

一刻も早く、日本国の統一政府を立ち上げねばならない。


戦国時代を終わらせるのだ。


3か月後。


1573年の夏のある暑い日。

キヨス要塞の成層圏上空を白い航跡が近づいてくる。

無音だった。高度1万mでは爆音は聞こえない。


そして。


ヒュ~ウルルルルゥッッ。

ズガドウゥ~ン、ビリビリビリッ。


さらに。


ドッカアアア~ンッ。


キヨス要塞ブンカーの天井は7mの強化鉄筋コンクリートである。

地中貫通爆弾の最大貫通板厚は6.7m、30cm足りない。

そこに超大型爆弾を投下してケジメをつけたのだ。


哀れ、織田四天王の柴田勝家らは布陣配置の軍議の真っ最中であった。

一瞬で四天王は消えてしまった。


信長と秀吉はブンカーにいなかった。

自分達が清信を傷つけた方法で、相手も返してくると踏んだからだ。


絶対安全を過信しない、信長の生来のカンだった。


だが総司令部バンカーの作戦司令部に詰めていた近習は消えてしまった。

炎上するキヨス要塞。


2発の新兵器で戦闘は終わった。

作戦も戦略も全てはキヨス要塞の炎上とともに消失した。


織田信忠は自刄しようとしたが、蜂須賀正勝に止められていた。

蜂須賀正勝は秀吉の股肱の家臣である。


信忠は何かを感じ取ったのだろう。

「わかった」


一言だけいうと、武田軍に投降した。

織田信忠、死んでない。

次は1573年清州城要塞陥落です。

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