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診察

「私が知っていることはこれで全てです」

「そうですか、本当にありがとうございました」

 ぺこりと頭を下げ、その場を後にしようとした。

「あの、龍ヶ崎さん。本当に魔王を倒す気ですか?」

「そこまでは考えていませんが、今はとりあえず、呪いを解きたいとおもいます」

「そうですか......頑張ってください。どうか、死なないでください」

「はい」

 俺は部屋に戻り、荷物をまとめてロビーに移動した。

「兄貴、遅ーい」

 リブが不機嫌そうな顔で不満を言って来た。

「いやぁ、悪い悪い。ちょっとお腹をくだしてな」

 さっき、ナデシコから聞いた話は四人にはまだ言わなことにした。

「まぁいいや。それじゃ、帰ろう」

 レッドドラゴンに乗り、ペンドリアにある俺たちの家へと向かった。

 天気は晴れていて、街通りには人で賑わっていた。

「今日は人が多いね。家に着いたらちょっくらマジックアイテム屋に行こうかな。兄貴も行くよね?」

 リブが俺にマジックアイテム屋の買い物に誘ってきた。

「悪い。今日は少し遠慮しておく。ちょっと行きたいところがあってな」

「えー、行きたいとこって?」

「アリスさんのとこに今日行こうと思ってな」

「お兄様本気ですか? 正直、アリスさんと会うのはオススメしませんよ」

 グレシアはあまりアリスに対して良い印象を抱いていないのか、俺とアリスが面会することに難色を示した。

「どうしてもアリスさんに聞いておきたいことがあってな」

「そうですか、なら私も一緒に行きましょうか?」

「悪い。今回ばかりは俺一人で行かせてくれ」

「わ、分かりました」

 少し強めに言ったせいか、あっさりとグレシアは食い下がった。

「それよりもさ、今日はどうするの? 修行だっけ? やる?」

 リブが今日の予定についてみんなに訊いた。

「私としてはお昼過ぎあたりからがいいと思うんだけど、お兄さんはどう?」

 フレアが俺の意見を訊いた。

 アリスと会っても、少し話をするだけだし、さすがにお昼過ぎには戻れるだろう。

「分かったそれでいい」

「オッケー! それじゃ、今日は新しい技を作るぞー!」

 フレアが張り切っている。新しい技か。俺も魔法とか教われば頑張れば使えるようになるのだろうか。

やがて、家の前にレッドドラゴンは降り立った。

「着いたー早かったね」

「ちょっと、ギターの練習しよーと」

「エリック、部屋で弾くのやめてよ。うるさくてしょうがないから」

 グレシアを除く三人は到着するとすぐに自分たちの部屋に戻って行った。

「それでは、お兄様お気をつけてください」

「ああ」

 俺は自分の部屋に戻り、着替えた。

 そして、ワープビンを手に取った。この瓶のコルクの蓋を取ると、アリスのところへ移動できる。

俺はワープ瓶のコルクの蓋を抜いた。

 すると、体が光で包ままれると、床に白い魔法陣が発生し、ぐにゃぐにゃとした空間にとばされた。

 すこし吐き気がしてきた。三秒ほどすると知らない部屋にいた。

「あら、随分と大胆ね」

 目の前には着替え中のアリスが立っていた。

 もろ下着姿で、白いパンティとブラを着用しており、大きな胸の谷間が露わになっていた。

「うわぁ! すみませんすみませんすみません!」

 俺は手で目を隠し、慌てて部屋から出て行った。

 およそ一分後、中からアリスが出てきた。

「入って」

 アリスに中に入るように促され、俺は中へと入った。

「失礼します」

 中に入り、椅子と机があるところまで案内された。

「座って」

 今度は座るよう、促され座った。

 アリスは依然会った時と同様に、短いスカートの白いナース服を着ていた。

「それで今日はなんの用かしら? しっかりと武器まで装備してきて」

 俺は今、ダンジョンに潜った時とほとんど同じ服装をしていた。ただ、今回は盾を置いてきている。

「すみません。午後から妹たちと修行するのでこの格好で来ました」

「修行ねぇ......それはそれは随分、面白そうなことするのね。あなたと会ってからまだ少ししか立ってないけど、何かあったのかしら?」

 愉快そうにアリスが微笑んだ。しかし、この人、最初会った時から感じていたが、人喰ったかのような態度で得体のしれない雰囲気があるんだよな。

「アリスさん。俺の......いや、俺と妹たちの身体には呪いが掛けられています。魔王の手先に掛けられた呪いです。このまま放置すればあと一ヶ月もしないうちに死んでしまうらしいんです」

 すると、アリスは興味津々とばかりに顔を近づけて来た。

「なるどほ、それは大変ね。それで、呪いを私に解いて欲しいということかしら?」

「あ、いやそこまで考えてなかったんですが、解けるんですか?」

 アリスさんに解いてもらえるならわざわざ俺たちに呪いを掛けたやつと戦うという危険を犯す必要はなくなる。

「確証はできないけれど、診てあげるわ。呪いを掛けられた時、どこか身体に異常をきたすものなのだけれど、呪いの紋章とか、刻まれてるの?」

「ええ」

「それじゃ、ちょっと呪いの紋章を見せてもらえるかしら?」                       

 俺は今、まずいことに気がついた。俺の呪いの紋章は股間に刻まれている。

 アリスに呪いの刻印を見せる、すなわち、俺の刻印を見せるということになる。


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