表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/41

バーニングドラゴン

「させない! 『フリーズ』!」

 これはグレシアの声だ。ディンゴの立っている場所から青の魔法陣が生まれ、一瞬にして、ディンゴは氷漬けになった。

 これは......やったのか?

「まだよ、お兄様! 早くトドメを!」

 そう言われ、俺はハッとした。剣のもつ手に力を入れる。斬りかかろうと思った時、氷の破片が飛んできた。

「うわ!」

 いくつかの破片が頰をかすめた。ディンゴがグレシアのフリーズから脱出したようである。

「まだまだ! 『サンダーレストレイント』!」

 ディンゴの上空から黄色い魔法陣が生まれると、魔法陣から雷がディンゴに降り注いだ。これはエリックの魔法か。いいタイミングである。

「ぐわあ! 痺れて動けねぇ!」

「お兄ちゃん! 今のうちに!」

 エリックはギターを激しく弾きながら俺にトドメを刺すようにいった。

「無駄だ......オラ!」

 ディンゴはさらに黒いオーラを大きくさせると、ゆっくりと俺の方に歩きだした。エリックが作り出した雷の攻撃を今もなお喰らっているのだが、あまり効いていないようである。

「こんなもので俺を抑えられるものか。バカめ!」

 今更ながらあの黒いオーラが防御になっているのだと気がついた。あれでは有効な攻撃ができない。

 すると、リブが俺の近くで走り出してくると、

「自由を奪え神樹よ! 魔力の礎となりて緑の力、『ミストル』!」

 リブは魔法を唱え、手から蔓を出し、両腕を縛った。蔓からエリックの電撃が伝わるようで辛そうな顔をしている。

「リブ、お前......」

「兄貴のキプトベンプみたいにこれで魔力を奪えるんだよ! 魔力を吸い取って相手を弱らせてやる! それにしても、痺れるなぁ」

 リブはあがががと苦しそうな声を出している。

こいつ、飄々としているように見えて、中々根性あるじゃないか。

 俺も負けてられないな。

『アクティベイト』

 再びキプトベンプでディンゴを縛った。

「な......貴様! それ、まだ使えたのか?」

「まあな! それにしても、ああ、痺れるぅ! けど、気持ちいい! うん!」

 俺はやけくそになっていた。キプトベンプはたとえ引きちぎられても伸縮自由なので特に問題はないのである。

 俺とリブ、そしてエリックの同時攻撃が効いたようで、ディンゴは地面に手を置き、身動きが取れなくなっている。

「くそ! これくらいで!」

 ディンゴはゆっくりと起き上がった。やばい、そろそろトドメを刺さないとこっちもやばそうだ。

「おい! エリック。あと、どれくらいその魔法持つんだ?」

「あ、あと三十秒くらい!」

「分かった! おい、グレシア、フレア。トドメはお前らに任せた!」

「はい!」

「分かった!」

 グレシアとフレアが返答をした。

 正直、厳しいがやるしかない。

「び、ビリビリするよぉ、兄貴!」

「我慢しろ! このダンジョンが終わったらマジックアイテム一つ奢ってやるから」

「本当? や、約束だよ!」

「ああ!」

 正念場だというのに割と呑気なやり取りをリブとした。

「お、おのれ! お前ら!」

「お兄ちゃん、私もそろそろ、もう限界なんだけど!」

 エリックがタイムアップを伝えてきた。

「やれ! グレシア! フレア!」

 グレシアは目を閉じていた。そして、魔法の詠唱を始めた。

「全てを氷つかせる冷酷の魔女よ。我が魔力に混沌を授けよ。『ウィッチオブアイス・フリーズ』」

 先ほどのフリーズの時よりもはるかに大きい魔法陣がディンゴの立っている場所を中心に生まれるたと、巨大な氷柱が俺の目の前に立ちはだかった。

エリックは魔力を使い果たしたのか倒れてしまった。

『リリース』

 リブは先ほどの魔法を解いた。蔓は消えた。

「お兄さん、リブ。そこから離れて!」

 フレアがそう指示したのだが、キプトベンプの一部が凍らされてしまって引っ張ても取り出せない。

「お兄さん! 離れるよ!」

 リブに襟首を掴まれた。

「え? いや、俺のキプトベンプが......」

「後でまた新しいの買えばいいから! フレアがトドメを刺すから邪魔しないでおこう」

 そう言わてしまい、言い返す言葉がないので、俺はリブの言う通り、ディンゴが中にいる氷柱から距離をとった。

「全てを焼き尽くせ業火よ。闇をも飲み込むやが炎。汝に与えるわ裁きの炎。『バーニングドラゴン』!」

 フレアの目の前に巨大な赤い魔法陣が発生し、中からドラゴン型の炎が出てきた。ドラゴンはグレシアが生み出した氷柱ごと飲み込んだ。

 ゴォォという音ともに炎の渦を生み出した。

「あ、熱い嘘だ! 俺が、この俺が! おのれぇこの冒険者め! 貴様らなんて『ヤサカ』に殺されてしまえ!」

 それがディンゴの最期の言葉となった。フレアの魔法はディンゴの骨すら残すことがなかった。我が妹ながら、恐るべき魔法を使いやがる。

「はぁ......倒せたか」

 俺は安心して胸をなでおろした。服装を見るとエリックの雷攻撃の感電の影響でボロボロだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ