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四天王の一人

お兄様、この本が読めるんですか?」

 グレシアがまじまじと俺の顔を見つめていた。読めることを知ったら、さすがに怪しがられるだろう。

「いや、さっぱりだ。全然読めない」

「そうですか。真剣な様子で見ていたので読めるのかと思いました。でも、見たことがない文字ですからね」

「念のため、この本を持って帰ろう。リブ、帽子の中に入れてくれるか」

「しょーがないな。貸して」

 俺はリブに日記を渡した。本はリブのトンガリ帽子の中に入っていった。

 それにしても、リブの帽子は本当に便利な帽子だと思う。俺も買おうかな。

「この部屋にはもうお宝のようなものはなさそうですね。別のところに行ってみましょう」

 グレシアの提案にしたがい、俺たちはこの部屋を後にした。

 歩いていると、ちょくちょくダンジョンに潜むモンスターが出て来た。

 例えばゾンビのようなモンスターだったり、

「アンデッドだ! ここは私に任せて! 『フレイムインパクト』!」

 フレアは呪文を唱えると右手から凄まじい炎を放出した。アンデッドはあっという間に燃えカスとなった。

 また、体が石でできたコウモリのようなモンスターだったり、

「ガーゴイルだ! うちの魔法でぶっ倒してやる!」

 エリックはギターを弾くと、身体に電気を纏い始めた。ものすごい速度でガーゴイルに接近し、ギターで殴った。

 ガーゴイリはあっという間にバラバラになった。

 またまた身体がスライムでできたモンスター......というか、完全なスライムが出て来たりした。

「スライムか。結構大きいね」

 リブの言う通り青色のスライムは、俺たちよりもひと回り大きかった。ぴょん、ぴょんと飛び回っている。

するとリブがトンガリ帽子から木の杖を取り出し、その杖をスライムへと向けた。

「喰らえ! 草の攻撃魔法、『グリーンボール』!」

 リブが立っている場所から緑の魔法陣が現れ、木の杖の先から緑色の球形のエネルギー弾のようなものが発生し、スライムめがけて飛んで行った。

 スライムにリブの魔法攻撃が命中すると、スライムはたちまち消えて行った。

「よし、まぁこんなもんかな!」

 リブはスライムを倒し、ご満悦という表情をしていた。

「いやぁ、みんな強いな」

 お世辞ではなく、本心からそう思った。もう、俺が戦わなくてもいいような気がしてきた。

「兄貴も少しは参戦してよ。今日、全然戦ってないからね」

「あはははは......」

 そう言われると返す言葉が見つからない。確かに、雑魚モンスターくらいは倒せるようにしておきたい。

 やがて、ダンジョンのとある大きな部屋にたどり着いた。赤い複数の鳥居のようなものがたち連なっており、俺たちはその真ん中をくぐり抜けて行った。

「この部屋まで辿り着いたか。お前ら、冒険者だな?」

二本の大きな柱とその上に火が灯されている部屋の最深部と思われる場所では、黒い半袖のシャツと茶色い皮のズボンを身につけた二足歩行の狼人間のような生き物がいた。

 あんまり、ファンタジーの世界には詳しくないのだが、いわゆる獣人族と呼ばれる部類だろうか。

「ええ。あなたは?」

 フレアが狼人間の正体を訊いた。

「俺は魔王軍四天王の一人、ディンゴ様だ。この遺跡にやってきた冒険者を倒すように魔王様に命じられている。というわけで、お前らは俺様の餌食ってわけだ」

「な......あなたが魔王軍四天王の一人ですって?」

 グレシアはひどく狼狽した。無理もない。俺だって確かにこんなところで魔王四天王の一人と出くわすなんておもってもいなかった。

 ディンゴはフンと大きく鼻を鳴らした。

「その通りだ! 俺様はなく子も黙る魔王軍四天王の一人だ。さぁ、可愛いお嬢さんたちだが、俺様は全く容赦はしねぇぜ! 俺たちの仲間の四天王の一人が貴様ら冒険者に殺されたからな」

 ディンゴは俺たちを睨みつけてそう言い放った。ものすごい迫力である。ビリビリという殺気のようなものが奴から伝わってきた。

 そういえば、魔王軍四天王の一人をアレクとかいうやつが倒したって言っていたな。

「それはうちらとは関係ない!」

 エリックが叫んだ。いいぞ、俺たちとは無関係であることを言ってやるんだ。そんなことを考えた時、

「黙れ! あいつは四天王の中でも最弱だった......」

 ディンゴが何やら『定番のセリフ』みたいなものを言いそうである。

「だが、努力によりここまで成り上がってきたのは評価していた......」

 ん? なんか予想と違うぞ。

「俺はデラスを殺した、貴様ら冒険者を絶対に許さん! お前らを倒したら、デラスを殺したやつも俺がぶっ倒してやる!」

 そう言うと、ディンゴの体から、黒いオーラのようなものが湧き出てきたのが視認できた。

そう言うと、ディンゴの体から、黒いオーラのようなものが湧き出てきたのが視認できた。

「な、なんだ? あの黒いオーラみたいなの?」

 すると、俺の背中に衝撃を感じた。

「ぐはぁ!」

 俺の体は遠くに投げ出され、石でできた壁まで弾き飛ばされた。


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