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ヒモ男の武器はヒモ

 すると、グレシアが頷いた。

「分かりました。お兄様がそういうのなら」

「よーし、私の雷魔法で一気にダンジョンを制覇してやるぞ!」

 エリックが張り切っている。

「あのーダンジョンに行く前にマジックアイテム屋に行ってもいい? ダンジョンに役立つようなアイテムを持って行きたいんだよね」

「いいけど......あんまり無駄遣いしないようにしてね」

 グレシアがリブに忠告をした。

「それじゃ、念のため俺も付いて行こう」

「えー? なんで兄貴も?」

 リブはあからさまに嫌そうな顔をした。

「いいじゃないか。結構、俺マジックアイテム見るの好きなんだよ」

 これは事実である。なんというか、中二心をくすぐられるような感じがするのである。

「ちぇー! 分かったよ」

「それじゃ、お兄様。私たちはここで待ってますからリブをよろしくお願いします」

「ああ!」

 俺とリブはとあるマジックアイテム屋に向かった。前にリブが行ったお店とは違い、煉瓦造りの立派なお店だった。

「おお......立派なところだな」

 思わずそんな感想を言った。

「そうでしょう。私の行きつけのお店だしね。さぁ、入ろう」

 リブに促され、お店の中に入った。

 お店の中は何人か魔法使いと思われる人が棚に飾られているマジックアイテムを興味深そうに眺めていた。

「うーん、何を買おうかな。やっぱり、モンスター避けの鈴? いや、それとも回復用ポーションがいいかな。いや、モンスターを閉じ込めて終けるランプの方が......」 

 ブツブツと言いながら、リブはお店の中を徘徊し始めた。

「おい、リブちょっと待てよ」

 俺はリブを追いかけた。すると、棚に置いてある、とあるマジックアイテムが目に入った。

「なんだこれ......紐?」

 俺はなんの変哲もなさそうな紐を手に取った。ヒモにはタグが付いており値段と説明が記載されている。

 値段は銀貨六枚で、魔力を流し込むことで相手を強く縛り付けることができるらしい。

「そのアイテムが気になりますか?」

 女性が話しかけてきた。花柄のワンピースを着た、紫色の髪で三つ編みをした女性だった。スタイルがよく目鼻立ちが整っており、大人びた印象を受けた。

「え......はい、まぁ」

 俺はその女性を警戒した。この手の店員はきっとあの手この手でこのマジックアイテムを買わせてくるのだろう。

「申し遅れました。私、店長のサティアといいます。このアイテムは『キプトペンプ』と言いまして、魔力を注ぎ込むと相手を強力な強さで縛り上げることができるんです。見た目よりもはるかに便利なアイテムなんですよ」

 親切な対応でサティアがマジックアイテムの説明をしてくれた。

「へぇ......」

 俺はキプトペンプを手に取り、眺めた。見た感じ茶色の縄という感じである。

「兄貴ー! 何してんの?」

 リブがやってきた。

「おお、リブ。もう買い終えたのか?」 

「いや、まだだけど兄貴がいなくなったから探してた。ん? これ、キプトベンプ?」

「はい。妹さんの言う通り、こちらはキプトペンプです」

「ふーん。これがねぇ......」

 俺は小さな声でこのアイテムの価値を聞いて見ることにした。

「なぁ、リブ。このアイテムって役に立つのか?」

「結構立つと思うけど、私がこのアイテムの効果に近い魔法を使えるから私は必要ないかな」

「そうか。ちなみにさ、このアイテムを使うにはどうしたらいいんだ?」

「エッグライスと同じく魔力を注ぎ込んで『アクティベイト』って唱えれば使えるよ。ためしに私に使って見たら?」

 そんな提案をリブがしてきた。

「いいのか?」

「兄貴が本当に魔法を使えるようになったのか気になるし私はいいよ」

「あの、サティさん。試しに使ってみてもいいですか?」

「はい、どうぞ」

 サティから許可を貰った俺はエッグライスの時と同じようにキプトペンプに魔力を注ぎ込み呪文を唱えた。

「アクティベイト」

 キプトベンプはリブの方に迫り、ぐるぐるとリブを縛り付けた。

「本当にマジックアイテムを使えるようになったんだね。どれどれ......」

 ぐぬぬと力を入れて、無理やり、リブはキプトベンプの拘束から逃れようと試みているがなかなか抜け出せそうになかった。

「おかしい。なんか力が入らない......」

 リブは訝しんだ表情をした。

「このマジックアイテムは徐々に相手の魔力を奪い取る効果が持ってるんです」

 サティさんがそう言った。キプトベンプ。恐るべきマジックアイテムである。

「兄貴......これ解いてくれない? ダンジョンに行く前にクタクタになっちゃうよ」

 リブが不満そうに呟いた。

「ああ、悪い。サティさん。どうやってこれ解けばいいんですか?」

「『リリース』と唱えれば解放されますよ」

「分かりました。それじゃ、『リリース』」

 するすると、リブを拘束していたキプトベンプは俺の手に戻っていった。

「いかかですか? こちらのキプトベンプ。お一つどうでしょう?」

「買います! おいくらですか?」

「銀貨十枚です」

 昨日、妹たちとの買い物から戻った後、自分(レインという男だが)の部屋をくまなく探し、お金を見つけた。

 あのまま放っておいたら、エリックに持ち逃げされていたかもしれない。

 俺は銀貨十枚をサティさんに差し出した。

「ありがとうございます」

 その後、俺とリブは色々、マジックアイテムを物色しては購入した。結構な量を購入したのだが、リブは購入したマジックアイテムを全て、被っているトンガリ帽子の中にしまいこんだ。


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