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決意


結局、話そうにも緊張して喋ることができないまま一週間が過ぎようとしていた。


球技大会の時は平然と話せたのに「自分は橘のことが好きである」と知ってしまった瞬間から意識して顔を除くこともできなくなっていた。


そんなある日。


いつも通りタイミングを逃したことを言い訳に学校から出る。


帰宅中、何かが爆発したような大きな音が竜人の家周辺から聞こえた。


周りにいる通行人は平然としている。


ただの空耳だったのかと思ったが、再び爆発音が聞こえる。それでも周りにいる人は気づいていない、まるで爆発音なんて無かったかのようだ。


もしかしたらいつの日か死神が言っていた「戦争」がすぐそこで起こっているかもしれない、そう思うと緊張してきた。


想像を絶する早さで「戦争」と直面し、焦燥感に襲われる。


カラスが夕暮れを告げた。


太陽がスピードを増しながら沈んでいき、風に吹かれる雲が月を見え隠れさせる。


辺りを漂う美味しそうな匂いが竜人の腹へ話しかけるが、反応は無い。


流れる汗をめがけて飛んでくる風がやけに冷たく感じて体が震えた。


竜人は自分の手が震えていることに気がつき、それを見て決意したことを思い出す。


他人から見れば、たかが好きな人と一緒にいられるなんて願いのために命を賭けるなんて馬鹿げてる。


そもそも橘のことを何も分かっていないのに好きな人と言うのもおかしい。


それほど大きな「何か」があったのだろう。震える手で拳を作り、力を入れる。


勇気を出し、家の方向へ走り出す。


夕暮れに包まれていく町に咲く花が開花した。


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