蜜柑山
春風吹いて花が咲いた。
春風に映える真っ白な花。
砕ける波のようにそれは独りで広がった。
太陽に照らされ色づいた。
太陽に負けじと、若い緑。
ほんの少しの自己主張、今だけ許してくれまいか。
空は澄み、成熟の時はもう近い。
空によく似合う橙色。
そろそろ静かに上見上げ、貴方の事を待ちましょう
ほろり初雪、鮮やかに。
山埋め尽くす濃い橙。
貴方の足音聞きながら、行く地の想像、するのです
蜜柑よ、私もそのように、ただその人を待ってみたい。
ただ蜜柑山を駆け回っては、ふと立ち止まり思うのです。