第一章「新人研修?!」-3
先手打ちやがってコンチクショウ。
「はぁ…俺がやればいいんだろ」
「お前、戻ってきたばかりだろ。大丈夫か?相手は龍泉寺グループだぞ」
拒否権ないくせによく言うぜ。
それに相手が誰だろうが俺には関係ない。
【龍泉寺グループ】
日本だけでなく世界的有名な企業で、主な生産品はマナを使った最先端医療器具。
その他にも普通の医療器具も取り扱っているため、簡単にいうと医療関係の凄い企業ということだ。
「仕事、振っておいてなんだけど、大丈夫なの?」
学園長室から出て携帯端末のデータに目を通していると珍しく楓が歩調を合わせてくる。
「何がだ」
「ほら、君って。初対面の女の子苦手じゃない」
「がっつりな身辺警護じゃねえし、何とかなるだろ。てか、そう思うなら振るなよ」
「面倒くさいことに変わりないし、まぁ、声かけてくれたらサポートぐらいはするよ」
「了解。期待してるぜ相棒。それと、俺の寮ってそのまま?」
「あれ、どうだっけな。奏夢に聞かないと。それと私らペア解消だって」
「なんで?」
「今年、他の課含めて新人三人入るからそれのお守り」
そんな話聞いてねえぞ。
てか、上手く出来るってそういうことかよ。
まぁ、人員が増えるにこしたことはないか。
「頑張れよ」
「何聞いてたの?三人だって言ったじゃん」
「ですよね…」
そういえば、俺らにもあったな。
すぐに辞められて新人研修どころじゃなかったんだよな。
あれ、辞められたの何でだっけ?…ま、いいか。
それよりも面倒くさそうな相手じゃないことを祈る。
マジで頼むぜ神様…。
いや、ホントに。