ぎんのゆびわ、きんのゆびわ
よるのゆびわ
ぎんのゆびわ
はずしてねむる
きょうのゆめをみる
あさのゆびわ
きんのゆびわ
どのゆびにはめる
あしたがまたとおくなる
くもりぞらのしたで
かすかなしずくをまっている
あのおだやかなひだまりも
ながれおちるたきのはやさも
すべてはかえらないのに
きっとなきごえがある
ニンゲンにも
ほんとうのこえがある
とおくきりのむこうから
はるかなやまのかなたまで
どどくこえ
わたしをとおりぬけていく
かぜのようであり
かげのようであり
むきだしのかおにふれ
せきずいまでしみこんで
せなかからきはつする
みすごされていく
うしなわれるきのう
よるのゆびわ
ぎんのゆびわ
きょうのさよならが
ひにさらされてまっている
であったときから
かこになっていく
うまれつづける
なにもきたいしないあした
あさのゆびわ
きんのゆびわ
わかれのやみのなかで
そだっている
あらわれたときから
あすがはじまる
お読み頂いてありがとうございます。